東京国際フォーラムでは、16日~18日にかけて、IPビジネスに関するイベント「Global IP Business Exchange」が開催されている。16日のカンファレンスには、ノキア・ジャパン テクノロジー・マーケティングマネージャーの大塚 孝之氏、NTTドコモ ユビキタスサービス部担当部長の長谷川 卓氏の2名が登壇し、「第3世代モバイル・システムの進化とIPサービス」と題したプレゼンテーションおよびパネルディスカッションを行なった。
ノキア・ジャパンの大塚氏は、同社の携帯電話を利用し、携帯電話でプレイするネットゲームをまず紹介。SIPによる対戦相手の招待、IPコネクションによる対戦ゲームや、ゲームと同時に行なえるチャット、Push to Talkなどを紹介し、「これらすべてがSIP上でやりとりできる」と解説。また、3Gに加え、無線LANやDVB-H、Bluetoothなど様々な無線に対応する同社の端末ラインナップを紹介した。
同氏はまた、日本での発売が予定されている「Nokia 6630」を紹介し、「6630向けのSIPアプリは海外ではすでに存在している。日本でも開発キットを無償で提供していく」としたほか、Push to Talk over Cellular(PoC)を紹介。トランシーバーのような片側通信でありながら「VoIPによるIPアプリ」とし、喋った分だけ帯域を占有する特性により、パケット量においてもユーザーへの負担が少ないとした。
ネットゲームを例にSIPを利用した色々な可能性を提示
大きく4つに大別された、携帯電話をとりまく無線技術
PoCは帯域占有の面で優位であるとした
ビジネス以外にも、友達などグループで利用できる
その後行なわれたパネルディスカッションでは、無線LAN技術と携帯電話のあり方について、長谷川氏が「3GでできないことをワイヤレスLANで付加していきたい」との考えを改めて明らかにしたほか、海外事例を紹介した大塚氏は「海外では、パイロットテスト(実証実験)が正式サービス並みの規模で行なわれているところもあり、サービスクライアントへのフィードバックが盛んに行なわれている。日本でもパイロットテストをうまく活かせば、よりよいサービスが構築できるのではないか」と語った。
「Global IP Business Exchange」ではこのほか、各社によるIPビジネスの事例やソリューション、IPv6の実験結果などを紹介する会場が設けられている。会場内の「情報家電ネットワーク ShowCase」のブース、KDDIコーナーでは、IPv6に対応したパソコン向け通信カードがデモ展示されている。自宅を想定した有線接続のWebカメラの映像を、外出先のノートパソコンから確認するというもので、すべてIPv6ネットワークを利用している。
「情報家電ネットワーク ShowCase」のブース
KDDIコーナーの展示内容はIPv6を利用したもの
Webカメラは家庭などで有線接続しているという設定。パソコンに装着されているのは「2GHz DO CARD」をIPv6に対応させたもの