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「PHSを愛している」、DDIポケット山下氏が今後の事業展開を説明
DDIポケット 代表取締役会長の木下 龍一氏
DDIポケット 代表取締役社長の山下 孟男氏
DDIポケットは、2005年2月1日をもって社名を「株式会社ウィルコム」に変更すると発表した。新たなコーポレートブランドは「WILLCOM」となる。これに伴って14日、都内で記者会見が開かれた。会見には、代表取締役会長の木下 龍一氏、社長の山下 孟男氏など同社の役員が出席し、新生DDIポケットの今後の事業展開などが語られた。
まず、挨拶を行なった木下会長は、「KDDIグループから離れてどこが変わったか」とし、従来の事業展開よりも市場へ積極的なアプローチが行なえるメリットを説明した。また、社長の山下氏は、旧DDIポケットのサービスについて、「安いデータ通信」「縮小傾向の音声事業」などの例を挙げ、新生DDIポケットでは、「高速でリーズナブルなデータ通信が可能。音声事業についてもPHSの優位性を活かして拡大していきたい」とした。
これに加えて、これまでの負債返済を優先したキャッシュフローから、今後発展の見込める事業に資金を集中する積極的な展開が可能になるとしており、KDDIグループを離れたことでより広く企業と連携がとれることなどもメリットだと述べた。
「モバイル市場の中で、携帯電話にはない独自の市場を創出し事業展開していきたい」(山下氏)。積極性を強くアピールする新生DDIポケットでは、まず1年間かけてしっかりとした体制を築き上げる。同氏は年度内にも、体感速度1Mbpsのデータ通信カードを提供するとしており、手堅い経営を1年間行なった上で、音声およびデータ事業の両面で市場を拡大するべく、来年度以降には積極的に音声端末も投入していくという。
3Gサービスが拡大する中で、事業が縮小傾向にあった
KDDIグループを離れるメリット
今後の事業展開
小型で設置しやすい超小型基地局「ナノセル」
新会社の事業展開について語ったDDIポケットの執行役員経営企画本部長 喜久川 政樹氏は、AirH"端末が約110万契約を突破し、定額で利用できるフルブラウザを搭載端末の投入、現在16万の基地局で全国96%をカバーしていることなどを説明。携帯電話よりも低電磁波のため、全国約1,200の病院でも導入されているとした。なお、PHSが低電磁波であることは、KDDIグループにいるときはなかなかアピールしにくかった点だという。
PHSは、マイクロセル方式と呼ばれる多数の基地局でエリアをカバーする方式が採用されており、携帯電話はこれとは逆に、1つの基地局で多くのユーザーを収容するマクロセル方式が採用されている。喜久川氏は、PHSの利点として、収容数は小さいが設置も安価なため基地局を増設すれば32kbpsは確保できる点を説明、一方のマクロセル方式では、多数のユーザーが集中すると1ユーザーあたりの通信速度が低下していまう傾向にあり、提供エリアや端末の制限、料金設定を工夫することで限定的な定額サービスを展開するしかないという。携帯電話側の基地局は大きな設備投資が必要だとした。
新生DDIポケットでは、安価で低電磁波かつ、定額制高速データ・音声サービスを実現するため、今後5年間で約700億円を投資して通信システムを改善する予定。まず、従来の基地局の収容数(4ch)を14ch以上に拡大し、1chあたり32kbpsだったものを32/64kbpsに高速化する。また、NTT地域網にバイパス装置「ITX」を設置することで、音声およびデータ通信をIP化し低額化を行なう。この際、これまでNTT地域網や音声サービス用の他社回線交換網は縮小する。さらに、これまでのネットワークでは、インターネットの接続に、圧縮率2倍程度のサーバーで高速化を図っていたが、この圧縮率を4~10倍まで高めて全ユーザーに提供する方針。新ネットワークへの移行は、東京を中心とした首都圏で現在行なわれているという。2005年3月移行には、新開発の小型基地局「ナノセル」も投入される見込み。
新ネットワークの概要
移行スケジュール
試作機が公開された32kbps×8のデータ通信カード端末。通信速度測定サイトでは、最高1Mbpsとなった
喜久川氏はこのほか、新端末の投入計画にも言及した。
まず、データ通信端末では、32kbpsを4ch使って128kbpsを実現し、Webやメールに圧縮を図ることで、体感速度を1Mbpsに高めた一般向けのカード端末を紹介。圧縮できない動画などは128kbpsとなるが高速な通信速度が確保できるとした。このほか、年度内に登場する予定の端末の試作機も紹介。こちらは「プロ向け」と位置づけ、32kbps×8chで256kbpsを実現し、体感速度1Mbps超の端末となる。なお、発表会ではデモンストレーションも行なわれていた。さらに、「もう少し先の話」と前置いて、64kbps×8ch+高速化パックなどの投入も明らかにされた。
音声端末は、AirH"PHONEに注力するとしており、体感速度を向上させた端末を法人マーケットも視野に入れて展開する方針だ。安心だフォンについても今後も投入していく。いずれの端末およびサービスも「リーズナブルで提供したい」とした。
なお、ウィルコムでは、商品ブランドのリニューアルも考えているという。AirH"の名前は残るが若干の変更もあり得るとのこと。
山下社長は、会見に出席した役員を指して「ここにいる人はほぼDDIからの生え抜き。つまり、PHSを愛してやまないメンバーだ。PHSはロールプレイングゲーム型の進化発展できるメディアだ。決まり切ったものはおもしろくない。体感速度向上させる工夫ももっとしていく」と積極的な事業展開をアピールしていた。
なお、ウィルコムの今後の売上げ目標は5,000億円。ユーザーは現在の2~3倍を目指し、攻勢をかけていくという。3~5年後の上場を目指すとしている。
音声・データともに事業を拡大
データ通信端末のロードマップ
AirH"PHONEに今後注力
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URL
ニュースリリース
http://www.ddipocket.co.jp/corporate/press/h16/041014.html
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DDIポケット、2005年2月より「WILLCOM」
(津田 啓夢)
2004/10/14 17:09
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