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富士通研究所、商品画像などにデータを埋め込める新技術

画像からデータを読み込む
 富士通研究所は、印刷されたカラー画像の中に1×1cm程度の画像に12桁の数字データを埋め込める技術を開発した。

 今回の技術は、カラー印刷された画像に12桁の数字データを読み込めるというもの。カメラ付き携帯電話やPDAなどを利用して読み込むことで、さまざまな情報を取得できる。国内の携帯電話では、QRコードやバーコードに対応したモデルが普及しつつあるが、幾何学的に配列されたコードは雑誌やポスター、冊子などに掲載する場合に誌面のデザインを損なう場合があり、コードを掲載するためのスペースが必要だった。新技術では、雑誌などに掲載された画像そのものから詳細情報へアクセスすることが可能となっている。

 この技術は、ステガノグラフィと呼ばれる技術の一種で、発表会で技術説明を行なった富士通研究所 ペリフェラルシステム研究所 主管研究員の野田 嗣男氏によれば、「いわゆる電子透かし技術とは異なる“電子あぶり出し”のようなもの」とのこと。ステガノグラフィ自体は以前からあった技術だが、これまでは印刷に対応していなかった。電子透かし技術は、画像の背面をまだら模様にして画質を低くすれば印刷物にも対応するが、高画質なままでは印刷には不向きだった。

 今回の印刷型ステガノグラフィは、画像を0.8mm四方以下のブロックに区切って隣り合うブロックとの階調の差に意味を持たせ、各ブロックの一部にデータを埋め込んでいる。データは小さな黄色の点として埋め込まれており、その明度の差によって相対的に数字を判断。バーコードの黒い部分が印刷型ステガノグラフィの黄色にあたる。なお、データが黄色の点で埋め込まれているのは人間の目の特性を利用したもので、黄色の点は離れて見ると拡散されて目立たなくなるという。

 特長は、画質の劣化が最小限に抑えられる点で、家庭用のカラープリンターで出力することも可能だという。携帯電話にソフトウェアを搭載する必要はあるが、1秒以下で読み込める。


 富士通研究所では、印刷物から直接情報が取り出せる新技術をソリューションとして展開したい考え。製品化の時期については未定としているが、今後、携帯電話事業者や印刷機器メーカー、コンテンツプロバイダーなどと連携をはかっていくとしている。発表会では、F900iを改良したテスト端末が用意され、切手大の画像を読み込むデモンストレーションが行なわれた。写真付き名刺の画像をリーダーで読み込むと電話番号が表示されたり、別の画像では着信メロディが配信される様子が体験できた。なお、テスト端末では実際のWebサイトへのアクセスは行なわれず、端末メモリ内のデータを呼び出していた。

 今回の技術では、1×1cm程度の画像で12桁の数字データの読み出しが可能だが、A6サイズ程度の画像だと12桁の十数倍のデータを埋め込むことも可能とのこと。ただし、基本的には12桁となるため、携帯電話などからインターネットへアクセスする場合に、URL情報が全て収まりきらない場合がある。このため、雑誌やカタログなどではあらかじめ専用アプリをダウンロードするなど、ゲートウェイを設けて、数字データだけでアクセスできる環境を用意する必要があるとのこと。スタッフによれば、将来的には音楽CDなどのバーコードの代わりにレジで利用したり、トレーディングカードを携帯電話で撮影すると、詳細情報などが確認できるなど、今回の新技術を応用した利用方法にも期待しているという。


開発の背景 開発の目的

特長 新技術の仕組み


URL
  富士通研究所
  http://www.labs.fujitsu.com/jp/index.html
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2004/06/30.html


(津田 啓夢)
2004/06/30 15:27

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