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英SymbianのレビンCEO、「他社と差別化できる端末提供を」
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富士通製FOMA端末などに採用されている携帯電話向けOS「Symbian OS」。同OSを提供している英Symbianの最高経営責任者(CEO)であるデビッド・レビン氏が来日し、3日都内で記者会見を催した。
会場には日本法人である日本シンビアン代表取締役社長の久 晴彦氏も出席し、国内外において同社がどのような活動を行なっているか、概要が説明された。
■ 「差別化できる製品作りを助けていきたい」
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英Symbianの最高経営責任者(CEO)であるデビッド・レビン氏
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英Symbianは、1998年に設立され、携帯電話向けOSを世界中の携帯電話メーカーに向けて提供している。同社概要を説明するレビン氏は、「本社はロンドンにあるが、実は英国企業の株主はいない。社員の中はスウェーデン人や日本人がいるし、取引先も世界中に渡っている」と国際色豊かな点をアピール。
また同氏は、「キャリア、端末メーカー、開発者、そしてエンドユーザーと4つの存在から見れば、Symbianはいずれとも関係を保っており、ちょうど真ん中のポジションにいる」と自社の位置付けを説明。そして、「日本は電車通勤が多く、通話よりもデータ通信のニーズが高い。欧州は日本より1年程度遅れているが同じ方向で進化しつつある。一方、米国は車社会であり、音声通話の方が利用頻度が高い。地域ごとにニーズが異なっているため、それぞれに適した技術がされなければならない」と指摘し、共通プラットフォームとして中核になれるよう努力していくという。
基本的なSymbianの姿勢として、同氏は「たとえば指紋認証やタッチパネルといった機能を搭載するなど、端末メーカーには他社と差別化した製品を出して欲しいし、我々としてはそれを助けていきたい」と述べ、最終的にはエンドユーザーにとってメリットあるサービスが利用できる環境作りへ貢献していくとした。
レビン氏は、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのGSM端末や富士通のFOMA端末、そしてノキアの「Nokia 9500 Communicator」などを紹介しながら、片手、または両手で扱ったり、キーボードで操作したりするなど端末のコンセプトにあわせて柔軟なユーザーインターフェイスを提供できるSymbianの特徴を紹介。各メーカーとの連携を深めながら、「複雑なシステムをシンプルなものに仕上げていくのが我々の仕事だ。また先日、(Symbian搭載端末の)月間出荷台数が100万台を超えたが、これからは週間100万台を目指したい」と目標を掲げた。
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同社は「ちょうど中間にある」とレビン氏は説明
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さまざまなユーザーインターフェイスに柔軟に対応できる
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Symbian OS搭載端末の出荷台数は順調に増加している
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契約を結んだドコモを始め、世界各国のキャリアとの協力関係を維持していく
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■ Symbian OSならば開発期間を短縮できる
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日本シンビアン代表取締役社長の久 晴彦氏
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続いて登場した日本シンビアンの久 晴彦社長は、「これまで主流だったPDC方式は日本独自のもの。日本では3Gを主流にしていく」と語り、各国で採用され、共通プラットフォームとして提供しているSymbian OSの優位性を端的に表わした戦略を展開する考えを示した。
また同社とNTTドコモが昨秋に契約を結び、FOMA向けOSの開発を行なっていることを紹介しながら、「富士通のFOMA端末は、最初は動作スピードがやや遅かったが、2機種目、3機種目とリリースされていくなかで、だんだん快適になってきた。ひとたびリリースできると、数カ月という開発期間で派生モデルを出せる」と述べて、開発期間の短縮により、タイムリーに新製品提供が可能になるとした。
■ 敵は端末メーカーにあり
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日本におけるSymbian OS搭載端末を取り巻く環境の変化を表わした図。右上に配された円の中に、モザイクのような模様の四角形があるが、近日Symbian OS搭載の新機種登場を示しているようだ
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質疑応答の際、ライバルと目している他社OSはどこか、という質問についてレビン氏は「世界規模で見れば携帯電話の出荷台数は5億台を超えており、Symbian OSの占める割合はまだ高くない。つまりライバルは、端末メーカーが持つ“自社技術”だ。しかし、Symbian OSを採用すれば、メーカーは端末の個性、特色の開発へ注力できるし、開発期間の短縮も見込める」と述べた。
携帯電話向けの汎用OSとしては、マイクロソフトのWindows MobileやLinuxなどが取り沙汰されているが、これらについて同氏は「誰も“CTRL+ALT+DEL”なんてボタンを携帯電話に付けたいと思わないだろう。またLinuxについては、世界統一版と言えるような製品は存在しないし、今後も出てこないのではないか」と一蹴した。
このほか久氏は、「世界中で多くのキャリアと話をしている。たとえばボーダフォンは、国内外の端末仕様を共通化する意向を示しており、我々とも話し合いはしている」と今後の展開について触れたほか、富士通製FOMA端末は最初の開発は1年ほどかかったものの、その後のシリーズは半年間隔と開発期間が大きく短縮された具体的な事例を紹介した。さらにW-CDMA端末とGSM端末でしか供給実績がないことに対しては「日本か韓国、あるいは米国のどこかは言えないが、近日、CDMA2000 1x端末が登場するのではないか」とした。
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会場ではSymbian OS搭載端末が披露された
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こちらはSymbian OS搭載のノキア端末
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富士通製FOMA端末も披露されていた
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■ URL
Symbian(英文)
http://www.symbian.com/
(関口 聖)
2004/06/03 17:55
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