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三洋、メカニカルシャッター搭載のメガピクセルCCDモジュール
三洋電機は、メカニカルシャッターを搭載した1/4.5型メガピクセルCCDカメラモジュール「IGT99353M-ST」を開発した。2004年3月にもサンプル出荷を開始、サンプル価格は9,000円となる。
CCDカメラモジュールブランド「HyperEye」の新製品は、デジタルカメラなどで採用されているメカニカルシャッターを搭載する三洋電機初のメガピクセルCCDカメラモジュール。有効画素数103万画素で、画素サイズは2.7μm、モジュールサイズは17.0×11.0×7.6mm(幅×奥行×高)となる。消費電力はQVGAサイズの画像を7.5fpsで撮影した場合に120mW、電圧は2.9Vで単一電源で駆動する。
IGT99353M-ST
高さ7.6mm
三洋電機 セミコンダクターカンパニー CCDビジネスユニットシステム開発部部長の渡辺 透氏
発表会ではデモンストレーションも行なわれた
三洋電機ではこれまで、薄型で低消費電力を売りにCIF(352×288ドット)サイズやVGA(640×480ドット)サイズのCCDカメラモジュールを提供してきた。今回の「IGT99353M-ST」もこの路線を踏襲するものとなるが、CIF・VGAサイズで実現したワンチップのモジュールではない。発表会で製品説明を行なった同社セミコンダクターカンパニー CCDビジネスユニットシステム開発部部長の渡辺 透氏は、これについて「今後の課題」としており、メガピクセルのCCDカメラモジュールでもワンチップ化を目指すと語った。
同社のモジュールは、画素全面を受光部とすることで小型のCCDカメラモジュールを実現するフレームトランスファー(FT)方式を採用している。「IGT99353M-ST」もFT方式となるが、FT方式のカメラモジュールは、強い光源を撮影した場合に縦方向に線が入ってしまうスミアが発生する場合がある。しかし、「IGT99353M-ST」では、メカニカルシャッターを採用したことで静止画時のスミアが発生しないとのこと。また、信号の蓄積部を従来より小さくできるメリットもあるという。
メカニカルシャッターに加えて、F3.5とF7.0の2段階絞り機能も搭載している。これにより被写界深度が深く、ピントが合っているように見える範囲が広くなるため、マクロ撮影機能やオートフォーカス(AF)機能なしでもピントが合った画像が撮影できるとしている。ただし、2段階絞りは自動切り替えのため、暗所ではより被写界深度の浅いF3.5に設定されてしまう場合もあるという。
なお、この2段階の絞りは端末メーカーの希望があれば、ユーザー側でF値を設定するといった機能も提供できるとのこと。シャッタースピードは1/1000秒まで対応する。
また、CCD内部で3画素分の信号を合わせて圧縮する画素混合技術と、この信号を画像に変化するためのカラー信号処理法を新たに開発したことで、従来よりも約3倍の感度アップに成功。電力消費の大きい動画のプレビュー時に低消費電力で表示できるとしている。
渡辺氏によれば、AF機能を搭載しなかった点については「最近はAFが必要不可欠との考え方もあるが、我々は絞りでこれに対応できると判断した」という。「高さ(厚み)をシュリンクしやすいFT方式によって、メガピクセルカメラでも薄型端末が実現できる」と製品をアピールした。
三洋電機は現在、全世界で約17%のシェアを持つ。2メガピクセルの開発にも着手しているとのことだが、同社のカメラモジュールのボリュームゾーンはVGAサイズとなっている。渡辺氏は「市場の動向を踏まえて臨機応変に2メガを判断したい」とするに留まっている。ただし、いずれはボリュームゾーンがメガピクセルへとシフトしていくとの予測も示している。今回のモジュールがその第1弾となるが、今後のモジュールが全てメカニカルシャッター搭載となるわけではないとのこと。
新モジュールの構成
動画を低消費電力で表示できる
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URL
三洋電機
http://www.sanyo.co.jp/
三洋電機 セミコンダクターカンパニー
http://www.semic.sanyo.co.jp/
(津田 啓夢)
2004/03/02 15:18
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