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【ドコモ定例記者会見】定額制導入報道には「慌てないで」

 NTTドコモの立川敬二社長は2月27日、定例の社長会見を行ない、FOMAにおける定額制導入報道や、米シンギュラーによるAT&Tワイヤレス買収に関する同社の姿勢などについて明らかにした。


定額制――「誰かが走った以上、だまっているわけにはいかない」

立川社長

NTTドコモ
立川敬二社長
 FOMAの定額制導入に関しては、一部新聞報道が先行したことに対して、「当社としては、まだ確定した物はなにもない。マーケットも、利用者も、この情報で混乱したのではないか。慌てないでほしい」とコメント。さらに「定額制の導入に関しては、条件が整っていない段階であり、時期尚早であるとは思っている。しかし、誰かが走った以上、だまっているわけにはいかない」として、検討を行なっている状況であることは示した。

 立川社長は、「定額制の導入によって、通信事業にパラダイムシフトが起こることになる」と指摘。「固定電話が回線交換方式から、IPネットワークに変わったことで、通信事業者が通信の媒介だけをやればいいというわけではない。通信だけではなく、iモードのような新たなビジネスモデルを創出することが求められ、通信事業者1社ではなく、他の企業と共同でビジネスを推進することも増える。また、利用者は、本当に定額制だけでいいのかという話もある。auは、ベストエフェート型で提供しているが、そうではないギャランティも必要な場合もあるだろう。こうしたサービス分野も新たな事業領域に入る」とした。


米国市場ではシンギュラーと話し合い

 一方、米シンギュラーによる米AT&Tワイヤレスの買収に関しては、「今後、司法省による独占禁止法に関する調査やFCCによる電波の割り当ての問題などもあり、正式に決定するのは年内のこと。ドコモがどうするかというのは、これから考えることである。だが、AT&Tワイヤレスの幹部の話によると、シンギュラーは、ドコモに興味を持っているとの情報もあり、話し合いを行なうことになるだろう。さまざまなオプションが選択できるようになったと考えている」として、新たな出資の可能性があることも含みを残した。

 また、米国市場に関する取り組みについては、「バブルの崩壊が読み切れなかったのは反省事項。金銭的には損をした。今後の国際投資戦略は、より慎重にやっていく。だが、基本的な戦略であるW-CDMA方式を世界に広げるという点では効果があった」とした。


FOMA、240万の目標は十分達成可能

 FOMAに関しては、すでに、900iシリーズの出荷を開始し、好調な動きを見せていることを改めて強調。「昨日までに223万加入があり、今度の日曜日からはP900iの出荷が開始される。今年度の240万の目標は十分達成できると予想している」と、先頃上方修正したばかりのFOMA累計契約者数の目標達成にも意欲を見せた。

 さらに、「FOMAは、ようやく小型化し、PDC並になってきた。テレビ電話機能にも、アバターという機能を搭載し、テレビ電話に顔が映りたくないという声が多い女性の要望を反映するといった取り組みも行なってきた。FOMAは、今後も進化を遂げる予定で、近々ではFeliCaを搭載した製品を投入したいと考えており、そのほかにもHSDPA対応やデジタルテレビ対応の端末なども考えたい。端末は年2回ぐらいでモデルチェンジを行ないたい」としている。

 来年度の出荷計画については、「直近の動きを見て3月には決めることになる。外部への公表は5月初めに予定している通気決算の発表の際になる。数百万になるが、これはトップダウンで決めるのではなく、マーケットの状況などを見ながら決定したい」とした。

 また、質疑応答では、HSDPAに関しても言及。「この技術を利用することで、最大14.4Mbpsまでの高速データ通信が可能になるが、現段階ではあまり高速化しても利用者へのメリットが少ないために、3.6Mbpsでサービスを開始する。端末の開発をすでにお願いしており、来年早期には投入できる」として、auが先行する高速データ通信サービスに追随する考えを示した。

 ナンバーポータビリティについては、「骨子案が出たが、前向きか、消極的かという点はともかく、決定したことはやっていく。専門委員会の試算では1,500億円程度の費用が必要だというが、無駄金は投資したくないというのは経営者ならば当たり前の話。企業の意志決定ならば、あんな曖昧なやり方では決めないだろう。また、国が企業のやり方のように細かくやると、それはそれで無理があるのだろう」などとコメントした。

 一方、ソフトバンクBBの顧客情報の流出問題に関しても質問が飛び、「当社は、最大の注意を払って情報管理を払っている。公社時代からの流れもあり、顧客情報の管理には本社の考査室がこれをチェックしている。また、誰がアクセスしたかを確認できるように、ログを残すなどの対策もしっかりと行なっており、これが情報漏洩の予防にもつながっていると考えている」と語った。



URL
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/


(大河原克行)
2004/02/27 19:28

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