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ボーダフォン、世界でJavaアプリの仕様を統一

 12月24日、ボーダフォン本社でスパイシーソフト主催によるVアプリのビジネス事例を紹介するセミナー「Vアプリビジネス参入セミナー」が行なわれた。講演では、Vアプリ導入事例として、タイトー、アルファーテクノロジーアンドコミュニケーションズ(ATC)、アイ・エイ・ジェイ(IAJ)3社の代表者が自社の導入事例を紹介したほか、ボーダフォン プロダクトマネジメント統括部 サービスマネジメント部 課長代理の手島篤司氏がVアプリの今後の現状と今後の方向性を語った。


ボーダフォン手島氏、Vアプリのオープン化を説明

スパイシーソフトの取締役副社長 小原聖誉氏
 今年10月、ボーダフォンのVアプリの仕様が公開された。これまでもJ-5xシリーズで提供してきた100KBのJavaアプリはオープンとなっていたが、より大容量な256KBアプリやJ-0xシリーズの50KBアプリでは仕様が公開されていなかった。そのため、iアプリの2,000万台、EZアプリの1,000万台と比較すると、仕様が公開されているVアプリは200万台程度と、公式サイトを提供していない企業などがなかなかアプリを開発できない環境にあった。

 しかし、仕様の公開によって、ボーダフォンでも750万台のアプリ対応端末ユーザーにVアプリが提供できるようになった。こうした状況を受けて、コンテンツアグリゲーターとしてVアプリの第三者認証を行なうスパイシーソフトの取締役副社長 小原聖誉氏は、「3キャリアで約3,800万台のマーケットとなったことで、アプリを利用するアクティブなユーザーを網羅できる」としている。

 また同氏は、「2004年は、ケータイアプリソリューションビジネスのゴールドラッシュとなる手前の年」と語っており、2005年にアプリケーションビジネスが本格的に動き出すとの考えを示した。


ボーダフォン プロダクトマネジメント統括部 サービスマネジメント部 課長代理の手島篤司氏
 こうした状況に対しボーダフォンの手島氏は、Vアプリを勝手に配信できない理由としてセキュリティ上の問題を挙げる。Vアプリでは、アドレス帳やカメラ画像フォルダにもJavaアプリからアクセスできるため、「携帯電話は犯罪のターゲットになりやすいため、無秩序にできなかった」と語る。そのため、公式コンテンツとしてキャリアが関わるか、スパイシーソフトのようなコンテンツアグリゲーターが必要だとした。

 また同氏は、Vアプリ開始からこれまでの状況を説明し、この中で、ここ最近Vアプリ対応端末の売れ行きが鈍化傾向にあるとした。同氏によれば、これはアプリ対応機が浸透し、普及が一段楽しただめだという。

 NTTドコモのiアプリやauのEZアプリ(Java)もそれぞれJavaアプリとなるが、その仕様はキャリアごとに異なっている。手島氏は、Vアプリとiアプリを比較して、「iアプリの容量はPDCで30KB、先日の900iでも100KBだ。Vアプリは当初から50KBとプログラムサイズが大きい」とアピールし、メーカーごとにJavaの仕様に変更点を認めていないため、端末の互換性も高く、公式コンテンツであればカメラ画像フォルダやアドレス帳などにもアクセスできるとした。

 また、「『Vアプリビジネスは儲かるのか?』という問いに対して、儲かると言えればいいが、そこまでは約束できない。ボーダフォンが約束できるのは、『革新的な機能の導入』『対応端末の普及』『開発環境の提供』の3点とそして何よりいっしょに考えることが大切」と述べ、Vアプリのオープン化に対する意気込みを語った。

 3キャリアの中でオープン化が遅れたボーダフォンだが、手島氏は「当初、公式コンテンツしか見えていなかった面もある」と理由を説明。「ユーザー」「コンテンツプロバイダ(CP)」「ボーダフォン」からなる公式Vアプリの関係が最初のうちからうまくいったためだという。

 しかし、この関係でうまくいったのはゲーム系のコンテンツで、携帯電話がエージェントとなって様々な機能を提供するようなアプリには向かないという。ボーダフォンではこれを補い、キャリアに制限されないサービスを展開するために、公式Vアプリの3者に加えて、コンテンツアグリゲーターやコンテンツベンダー、クライアントを加えた関係を築いたとしている。

 さらに同社では、オープンコンテンツの課金代行などによってもサポートを開始し、2004年2月を目処に256KBアプリ向けのエミュレータなども提供していくという。これにより、開発者がいちいちVアプリをダウンロードして動作確認する手間が省けるという。

 手島氏は最後に、世界の携帯電話市場について言及した。海外向けボーダフォンライブ!は、開始1年で約300万ユーザーを獲得したが、同氏は「日本の市場から考えるとまだまだ小さい」とし、人口を考えると市場は大きいがまだ数年かかるとの見方を示した。しかしJavaアプリ自体への興味は強く、海外向けのCMではベッカムがJavaアプリを楽しんでいる様子もある。グローバル性を強調したいボーダフォンでは今後、Javaの仕様統一を行なっていくという。手島氏は現在、2004年の仕様統一を目指し、動きだしているという。


Vアプリの状況 Vアプリ容量と対応するシリーズも改めて説明された

公式Vアプリの3者の関係 これにコンテンツアグリゲーターなどが加わる

各社の導入事例を紹介

 このほか、導入事例を紹介したタイトー、ATC、IAJの3社はそれぞれ、自社の企業向けのVアプリサービスを説明した。

 企業販促向けのASP「DiRECT」を提供するタイトーでは、デジタル販促を求める声が増しているのを感じるという。同社のエンドユーザー向けのアンケートでは、販促品でゲームコンテンツを求める声が大きく、タイトーの松澤氏は、片手でできる簡単なゲームが販促に求められていると述べた。在庫を抱える必要がない点でも利用する企業にとって魅力だという。

 ATCでは、同社のメッセンジャーアプリ「αメッセンジャー」を紹介した。同社はデジタル販促で、ユーザーが継続利用したくなるコンテンツを提供し、キャンペーンを実施する企業がメッセンジャーアプリに情報配信できる機能を設けることで、ユーザーの囲い込みを図っていくという。今後は、キャラクターの権利を持つ企業と流通行や消費財メーカーなどとのコラボレーションによって新しいデジタル販促の形を作っていくとしている。

 3社の中で、唯一ビジネス向けソリューションを紹介したIAJは、同社のJavaアプリ対応勤怠管理システム「M4B」をアピール。現地集合、現地解散が求められる派遣社員やアルバイターへ、位置情報やJavaアプリを用いて勤怠管理を行なうASPで、現在車リース会社や100円ショップなどでも導入されているという。価格が1IDあたり680円というのも魅力だ。

 なお、今回のセミナーは告知からわずか3日で定員の50名に達してしまったという。スパイシーソフトの小原氏によれば、今後もこうしたセミナーを行なっていく予定とのこと。


スポーツメーカーにはスポーツゲームといったように、販促アプリにもオリジナリティが求められている(タイトー) キャンペーンでは若い層を中心にかなり利用してもらったという

「M4B」の説明


URL
  セミナーの概要
  http://www.vappli.com/seminar/
  スパイシーソフト
  http://www.spicysoft.com/
  ボーダフォン
  http://www.vodafone.jp/
  タイトー
  http://www.taito.co.jp/
  ATC
  http://www.alpha-m.jp/
  IAJ
  http://www.iamjava.com/


(津田 啓夢)
2003/12/24 22:21

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