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電子書籍ビジネスコンソーシアムでは、普及に向けてさまざまな活動を手掛けていく
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イーブックイニシアティブジャパン、パナソニック システムソリューションズ、東芝、勁草書房の4社が代表発起人となって、電子書籍の普及や発展に寄与することを目的とした団体「電子書籍ビジネスコンソーシアム」が10月1日に設立される。設立に先立って、10日都内で発起人に名を連ねる各社が集まり、記者会見が催された。会場には、特別顧問を務める漫画家の里中 満智子氏のほか、元インテル会長で現在はモバイル・インターネットキャピタル代表取締役社長の西岡 郁夫氏も駆けつけた。
今回設立される「電子書籍ビジネスコンソーシアム」は、今後発展が期待されている電子書籍において、その普及や海外展開などへの寄与を目的とする団体。代表発起人を務める4社のほかにも、現時点で大日本印刷やハドソン、旭屋書店、岩波書店など、印刷会社や出版社など書籍業界関連企業を中心として19社が発起人として参加している。
同団体では、9月10日より会員としてさまざまな企業の参加を求め、10月1日には設立総会が開催される予定。基本的に、パナソニック システムソリューションズが今秋発売予定の電子書籍専用端末「ΣBook」をはじめとした、専用端末のプラットフォームが想定されており、書店でのコンテンツ販売や利用できるデータフォーマットの策定、コンテンツ配信の方法などを検討する部会が同団体内に設置され、協議が進められていくという。
記者会見冒頭には、特別顧問の評論家・立花 隆氏からのビデオメッセージが披露された。同氏は「書籍が画像化され表示されるというΣBookでは、話し手が少ない言語の書籍もデジタル化することが容易。古今東西の数多くの書籍がたった1つの端末に入れられるようになる電子書籍の普及は、出版において新たな革命」と語り、同じく特別顧問の里中氏は、「誰もが大きな図書館を家に持てるわけではない。電子書籍の普及は、人類がこれまで積み上げてきた知識を、誰でも公平に手に取れるチャンスになる」とその意義を指摘した。
会場には試作段階のΣBookも展示されていた。実際にコンテンツを閲覧できる状態で、販売時のパッケージボックスも披露されており、発売日が近づいていることを感じさせた。担当者によれば、これまでの発表通り今秋発売予定とのことだったが、現在実施している試験サービスが10月末までのため、「発売時期はその後になるのではないか」(担当者)とのこと。
実際に手にとって、コンテンツ閲覧を試してみたところ、画像の切り替わりが若干遅く感じられた。この点について担当者によれば「製品版に向けて、さらなる高速化をはかっているが、劇的に速くなることはない。(ΣBookに搭載される液晶は)表示された内容を記憶するというもので、高速表示と相反する機能でもある。この辺りのバランスの取り方を検討している」という。
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代表発起人の4社代表
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特別顧問を務める西岡 郁夫氏(左)と里中 満智子氏(右)
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立花 隆氏からはビデオメッセージも寄せられた
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会場で展示されていたΣBook
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重さは市販書籍のハードカバーと同じか、やや重い程度に感じた
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■ URL
電子書籍ビジネスコンソーシアム
http://www.ebookjapan.org/
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(関口 聖)
2003/09/10 16:29
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