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【ドコモ定例記者会見】「PDCとFOMAは向こう10年は共存していく」
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NTTドコモの立川敬二社長は、6月5日、社長定例会見を行い、昨日時点までのFOMAの加入者数が48万に達したこと、昨日発売のSO505iが、わずか1日で4万台を販売したことなどを明らかにした。
■ 「FOMAは今年のトッププライオリティ」
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NTTドコモ
立川敬二社長
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立川社長は、会見の冒頭に「FOMAは、今年のトッププライオリティとして取り組んでいく」との姿勢を改めて強調。「昨日までの加入者数は48万に達し、計画通りに進んでいる。端末は1~3月にかけて投入したが、2003年度のファーストモデルをまもなく投入する計画である」とした。
具体的には今年夏にFOMAの新機種を投入する計画で、「いいカメラをつけて、テレビ電話機能を搭載して、Javaの技術を載せる。さまざまな機能を搭載したいと思っているが、これ以上の機能を搭載すると価格が高くなり、お得ではなくなる。また、冬に発売するセカンドモデルでは、まだどんな機能を搭載するかは決まっていないが、間に合う限りの最先端の技術を搭載していきたい。大きさやパッテリー時間は、なるべくPDC並にしたい。来年になれば、505iシリーズ並の性能をFOMAで実現できるようになるだろう」とした。
今回の会見では、FOMAの将来の行方に関する説明に時間を割いたのが特筆できる。
「FOMAには、いろいろな機能を載せたい。指紋認証は、将来的にはすべての携帯端末に搭載されることになるだろう。だが、大きさの問題、パッテリー時間が関わってくるので、実際には何でも載せるというわけにはいかない。例えば、今年末に開始される地上デジタル放送は、携帯電話とも極めて親和性が高いが、FOMA端末にチューナーをつけたとしても、バッテリー時間の問題があり、いざという時に電話として使えないといった問題も起こりかねない。また、搭載されているチップが大きいという問題もある。PDC並に改良されるには時間がかかり、来年以降になれば、PDC並のチップに進化するだろう。ソフト開発の問題、部品のコンパクト化の問題は、徐々に解決していくことになる」とした。
■ 腕時計型のFOMAも開発中?
5月7日に発売となり、ネットでの限定販売にも関わらず完売状況が続いている腕時計型PHS端末「WRISTOMO」のようなFOMA端末の可能性についても言及した。
「腕時計型のFOMAの開発には、やはりバッテリー時間をどうするかといった問題がある。解決方法は、電池寿命を長くするやり方がひとつ。これは燃料電池の採用などがある。もうひとつは、使用する電力そのものをいかに減らすかといった方法。PDCでは間欠受信という方法をとり、400時間を越える待受時間を可能するなど、端末機の消費電力を低減させているが、FOMAではこれができない。別の方法で消費電力を抑えることを考えなくてはならない」と立川社長は話す。
続けて、「来年から再来年には、腕時計型FOMAの第1号製品が登場する可能性があるかもしれないが、それが本当に性能がいいものかどうかは別の問題。世の中の要求があれば、技術陣は努力するので、どんどん要求を出してほしい」と、報道陣に対して逆に要望を出した。
なお、WRISTOMOに関しては、「生産が間に合わない状態が続いているが、数千台の規模であり、経営的に成功したかというと、決して成功しているというものではない。だが、新しいものに対するマーケットの関心が高いことがわかった」とした。
WRISTOMOと同じくPHSをベースにした定額制サービスの「@FreeD」は、前日の段階で12万加入となり、「PHSの契約数の低減傾向に歯止めがかかった」と一応の評価を見せた。
■ 「PDCとFOMAは向こう10年は共存していく」
一方、505iシリーズに関しては、5月下旬に発売したD505iが10万台近い販売数量に達したこと、4日に発売したSO505iが1日で4万台を販売したことを示し、「かなり出足はいい」とコメントした。
「今年は、FOMAを最優先課題としているものの、せいぜい売っても年間150万台。それに対して、PDCは買い換えを含めて年間2,500万台の販売実績があり、経営という観点で見ると、まだまだPDCに力を入れていく必要がある。PDCとFOMAは、向こう10年は共存していくことになり、PDCでも競争力のある端末を投入し続ける必要がある」として、505iシリーズ以降の製品化にも意欲を見せた。
また、発売が予定されているPDCとFOMAのデュアルモード端末は、「本来は必要ない製品だと思っているが、PDCのネットワークカバー率に、FOMAのカバー率が追いついていないために、とりあえず1機種用意した。機種を増やすというよりも、むしろFOMAのネットワークの拡充に力を入れている」と話した。
■ 「とにかく世の中に受け入れられるかどうかやってみる」
このほか、立川社長は、6月1日から開始した国際ローミングサービスにおいて、すでに全世界73のオペレータと契約していること、現在、3Gと世界各国の2Gとのローミングであるものを、3G対3Gへと拡大することを示した。
さらに、携帯電話を利用したバーチャル決済サービスである「DoCommerce」、自分専用の情報が受け取れる「マイボックスサービス」、iモードを通じて購入した製品の代金を携帯電話の料金とともに請求する「請求代行サービス」の試験運用などを開始したことに触れ、「とにかく技術陣が考えたことが、世の中に受け入れられるのかどうかやってみようと考えている。社内には挑戦あるのみ、と言っている。何が当たるかはわからないが、日本で当たる商品を見つけることが重要だ」と、ユビキタス化、モバイルマルチメディアに関するサービスには積極的に取り組んでいく姿勢を見せた。
無線LANサービスについては、「当社はドミナント規制によって、無線LANサービスとFOMAを抱き合わせて販売することはできない。だが、無線LANスポットからその範囲外に移動したときに、そのままシームレスにFOMAを利用できるといった環境などがすぐに可能になる。ノートパソコンには無線LANの機能が標準で搭載される一方、ソフトに少し細工をするだけでシームレスに利用できるようになるからだ。外部の企業にこうしたセットを用意してもらうのもいいと思う」などと話した。
■ URL
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
(大河原克行)
2003/06/05 18:33
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