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KDDI小野寺社長、「今後は料金競争よりもサービス競争」
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KDDIの小野寺正社長は、社長定例会見を行ない、「NTTドコモのFOMAの加入者数が増加することは、第3世代携帯電話市場を拡大するという意味でも歓迎すること」とコメント。第3世代携帯電話分野で同社の「CDMA2000 1x」が先行している余裕を見せつけた。
■ 今後はサービス競争を重視
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KDDI
小野寺正社長
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小野寺社長は、1月下旬以降、FOMAの加入者数が増加していることに対して、「FOMAの加入者数が伸びていただかないと困る。そうしないと、コンテンツプロバイダーがFOMAに対応しないなど、関連業界も活気づかない。狭い了見で見るのではなく、携帯電話市場全体の発展のためにFOMAが伸びることは大変重要なことである」とした。
2月末時点でのFOMAの契約数は19万1,500加入。これに対して、CDMA2000 1xは、589万1,900加入と圧倒的な差となっている。まさに、第3世代携帯電話での格差が、今回の余裕のコメントに表れた格好だ。
また、ドコモが携帯電話発固定電話着の料金引き下げを検討していることなどについては、「まだドコモ側から具体的な引き下げ額などが明らかになっていないため、さらに当社が値下げるということは現時点では考えていない。いまの料金は、国際的に見ても高い料金ではないため、今後は料金競争よりも、サービス競争が重視される」とした。
さらに続けて、「料金プランが複雑化しており、多くの人がパックプランを利用している。あまり多くの人が利用していない通常の基本料金を下げても、利用者にとってのメリットは少ない。ドコモが実効性のある値下げをしてきた場合には、対応策を検討したい」と話した。
一方、高速データ通信を実現するCDMA2000 1xEV-DOに関しては、「もう少しサービスの内容がはっきりしてから詳細をお話したいが、すでに多くの企業に関心を持っていただき、様々なご要望をいただいている。これらの要望に応えられるサービスを考えている」と、まずは企業向けサービスの整備に力を注ぐ考えを示した。
■ IP電話サービスに乗り出す
一方、4月1日からサービスを開始するIP電話サービス「KDDI-IP電話サービス」に関連して、同社のIP電話事業への取り組みにも言及した。
小野寺社長は、「IP電話は、将来的にはかなりの普及が見込まれている。事業者側の事情よりも、まずは利用者に不便をかけないようにすることを最優先とし、可能な限り接続先を増やしていく。また、料金設定もわかりやすい形にすることを心がける」とした。
だが、「IP電話に関しては、接続パターン、アクセスチャージ、料金設定権など未解決の部分も数多く残っており、これらの解決に向けて精力的に他の事業者と話し合いをしていきたい」とした。
なかでも、NTT東西の県間接続に関して弊害が出る可能性を指摘。「当社のような中継事業者や移動体通信事業者、IP事業者は、NTTは競争相手ではないと思っていたものがそうではなくなった。NTT東西の本音は、県間通信に進出して以降、これをテコに様々なことをやりたいと思っているはずだ。いまは、公正競争条件が整っているとはいえず、この点を引き続き、訴えていく」と話した。
固定電話におけるADSLの展開では、昨年末の段階で、「将来的には3割のシェアを獲得したい」と言及しており、これをさらに繰り返す内容となった。
「IP電話の本格化を前に、DIONの拡販に力を注いできたが、2月の状況を見れば、その成果が出てきていると見ている。問題は、DIONならではの独自色をどう出すかという点だが、これは頭の痛い問題でもある。社内には、非価格競争力をつけないと駄目だといっている。そうしないとお互いに苦しくなるだけだ。他社に先駆けて、かけつけ設定サポートを実施するなどの付加価値サービス開始したが、他社も追随しており、もう一歩先を行くサービスが必要だと思っている。KDDIおよびDIONを信頼のブランドであるということを訴えたい」とした。
■ イラク情勢は長期化すれば業績にも影響?
なお、今回の会見では、米国によるイラク攻撃のリミットが間近に迫っていることから、その影響についても見解が述べられた。
小野寺社長は、「イラクへの攻撃が発表されてから電話のトラフィックが増加しており、2ルートを4ルートに増やすなど、トラフィックの増加に対応している。イラク対地向けの回線は確保するように精一杯努力はするが、イラク側で回線を切られると手の施しようがない。回線が確実に確保できるとは言い難い状況にあるのは事実だ。報道関係向けの取材用の回線については迷惑をかけないように確保したい」と話した。
また、「GPSサービスに関しては、米国がどんな対応をするのか、まったく情報がないため、影響を受けるとも受けないともいえない。もしかしたら、多少精度が悪くなるという影響がでるかもしれない。だが、基本サービスが停止されるということは考えられない。サービスを続けることは可能だと判断している」とした。
業績への影響に関しては、「イラクへのトラフィックそのものは、全体のなかで非常に小さく、業績への影響はほとんどない。だが、3月の携帯電話の加入状況は好調であるものの、戦争が長引くと消費マインドの低迷に影響を及ぼすだろう。その点が懸念される。9.11の経験からいうと、事件直後は安否確認のためにトラフィックが増加したが、その後は対米へのトラフィックが急激に減少。回復したのは3月になってからだ。渡航制限によって、ビジネスマンの渡航が減れば、それが国際トラフィックの減少につながる」と、長期化することによる業績への影響を懸念した。
■ URL
KDDI
http://www.kddi.com/
(大河原克行)
2003/03/19 16:47
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