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Bluetoothは、携帯電話、パソコン、PDA、車載機器、家電製品など、さまざまな分野での応用が期待されているが、IEEE 802.11bに代表される無線LAN技術などの発達により、1998年の発表当初からすると、その論調はややトーンダウンしているように見える。 これに対し、エドランド氏は「これまでに対応機器が1,000種類ほど出ているが、今後は年に1,000種類を目指す」と語る。同氏の説明によれば、Bluetooth SIGでは2001年までの時期を仕様を固めるための「開発（Development）フェーズ」とし、その後、2002年を「立ち上げ（Establishment）フェーズ」、2003年を「製品化（Production）フェーズ」、2004年を「マーケティング・消費者（Marketing/Consumer）フェーズ」と位置付け、今年から来年にかけてBluetoothが本格的に導入されると見ているという。 しかし、2003年以降にBluetoothが普及するとされる具体的な理由については、「Bluetoothは複数のデバイスに搭載されてこそ意味がある。色々なデバイスに搭載されるには時間が必要だ。他の技術と比べても決して普及が遅いというわけではない。来年普及するとは言い切れないが、チップセットの価格も下がっており、期待はできるだろう」（エドランド氏）と答えるにとどまった。 また、同氏によると、地域的に言えばBluetoothが一番普及しているのは欧州で、米国でも立ち上がりはもたついたが現在はいい傾向にあるという。欧州ではヘッドセットが人気で、米国では自動車内で利用するハンズフリー機器が普及しはじめているとのこと。 同氏が挙げた例はいずれも音声通信の分野での応用ということになるが、日本ではパソコンを中心としたデータ通信用として応用されているケースが多いのが実状だ。そうなると、爆発的な普及を見せている無線LANとの競合関係がどうしてもクローズアップされてしまう。 会場の記者からも無線LANとの競合についての質問が浴びせられたが、これに対して同氏は「無線LANはBluetoothの競合技術ではなく、補完的な技術。ヘッドセットのような小さなデバイスにはIEEE 802.11bは組み込めない。パソコンの場合なら、ネット接続は無線LANで、周辺機器との接続はBluetoothで、という風に両方の技術が必要になる」と答えた。 なお、Bluetooth SIGでは、「5 Minute ready plan」として、ユーザーが包装を解いてから5分で利用できるような商品を提供できるように、Bluetooth対応機器メーカー向けのサポートを開始。端末を開発する上でのガイドライン（デザイナー・ハンドブック）や製品テスト用のリファレンス・プラットフォームなどが用意されている。ユーザー向けにも対応製品のデータベースや相互接続が可能な製品の紹介などを行なうWebサイトが立ち上げられている。 エドランド氏は、こうした一連の動きについて「これまでは開発フェーズということで技術面の課題を検討してきたが、今後はもっと消費者の方を向いていかないといけない」として、ユーザーインターフェイスの統一や相互接続情報の提供など、利便性の面でのサポートに力を入れていくという方針を示した。
・ Bluetooth SIG（英文） http://www.bluetooth.com/ （湯野 康隆） 2003/01/21 16:17 | ||||||
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