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KDDI小野寺社長、BREWの本格導入を示唆

 KDDIの小野寺正社長は、今年最初の社長定例会見を開催、携帯電話事業やIP電話事業への取り組み、NTT東西の地域IP網の県間接続問題などについて言及した。


シェア達成に向け長期的計画を推進

小野寺社長

KDDI 小野寺正社長
 携帯電話事業に関しては、目標としているシェア30%獲得に向けての取り組みについて、解約率が低減していることなどを挙げ、シェア達成に向けて長期的な計画を推進していく考えを示した。

 小野寺社長は、「12月のデータではシェアは20%強だったが、ドコモの販売戦略によって、シェアは毎月変動する。当社としては毎月10~15万台をコンスタントに販売しており、これをもう少し引き上げることに力を注ぎたい。解約率の推移を見れば、他社に比べても下がっており、単月のシェア変動に一喜一憂するのではなく、長い目で見てシェアを高めたい。しかし、端末を無料で販売するなどの価格競争で戦うつもりはない」と話した。

 具体的な2003年度のシェア目標については、「来年度の数値を発表する場で明らかにしたい」として、今年4月以降に見込まれる通期決算の発表の場まで明言を避けた。

 また、auが導入すると見込まれているBREWに関しても、「導入については、もう少し経つと正式な形で発表できると思う」としてこれを肯定。「BREWでは、内部メモリの部分など、Javaでは直接触ることができない部分まで触ることができる。高速処理が可能なことも特徴だと言える。こうした点を活かして、Javaでは不可能な企業向けアプリケーションをBREWの上で動かしたい。また、一部のゲームに関しても、高速な処理が求められるものに関してはBREWで提供する形になる。今の携帯電話の環境は、ハードとOSとアプリケーションが完全にリンクしていて、あとからアプリケーションを追加するのは事実上不可能ともいえる。BREWの特徴を生かして、あとからアプリケーションの追加や変更を加えることなどが可能になるため、企業向けの需要を開拓していきたい」と前向きな発言をした。また、「1/3のシェアを獲得するという点でも、個人向けの市場だけでなく、BREWによって企業ユースを含めて獲得したい」と話した。

 一方、IP電話に関しては、「将来は、通信事業者にとって大きな要素になるのは明らか。だが、現状では第2の電話であり、アナログ電話と組み合わせての使い方法が一般的。第1の電話としての使い方が定着しないと普及しない。そのための戦略を考えている。固定電話の売り上げは明らかに落ちるだろうが、この延命化を図るのではなく、将来に向けてIP電話を積極的にやっていく」とした。


NTT東西の地域IP網県間接続には断固反対

 また、次の通常国会で審議される改正電気通信事業法で、NTT東西の地域IP網の県間接続について、「これを認めれば、当社のような中間事業者が生きていく道が閉ざされかねない」として強く反発。「この点では、NTTコミュニケーションズも立場は一緒だろう」などとした。

 さらに、小野寺社長は、「短期的な視点で見れば、利用者の利益という可能性もあるが、長い目で見た場合、IP網の県間接続を認めた段階で競争原理が失われ、NTT東西の独占につながり、結果として、利用者のメリットにはつながらないばかりか、日本が国際的な競争力を失うことになりかねない。赤字のNTTが、独占によってどんな手に出るのかは明らかだ。昭和60年の通信の開放によって、当時は東京・大阪間の電話料金が400円だったものが、いまでは約1/10に下がっている。競争原理が働いたからこそ、この料金が実現した。競争社会のなかで企業が破れるのは経営者の責任だが、競争性を阻害されたのではどうしようもない。NTTは投資の失敗の責任をとらずに、しかも保護されている。自動車産業は、厳しい国際競争に打ち勝ったからこそ、成長した。日本の国際競争力を維持するためにも、国が守るのではなく競争することが重要」と、珍しく語気を荒げて反論した。

 KDDIでは、昨年12月27日まで総務省が募集したパブリックコメントに対しても同様の内容の意見を訴えたとしている。


企業不祥事防止策を導入し、社員の能力向上を図る

 また、同社では、日本経団連が公表した企業行動憲章の改訂に準拠した企業不祥事防止への取り組み強化策として、KDDI行動指針の策定、1月8日付けで企業倫理委員会を設置したこと、同時に企業倫理ヘルプライン(申告窓口)を設置したことを明らかにした。

 さらに、「社員力強化」を目的に、1月10日付けで、社員力強化本部設立準備委員会を社内に設置、今年4月の社員力強化本部の設置に向けた準備を開始した。各部門から5%にあたる約400人をIP技術者として育成したり、海外研修を行なった後、適材適所に人員を配置。社員のスキルアップとともに、将来に向けた全社の創造力強化につなげるのが狙い。

 そのほか、これまで年2回の決算発表を四半期ごとに発表することを明らかにし、2002年度第3四半期(2002年10~12月)連結決算を開示する予定。連結決算書に加えて、バランスシート、キャッシュフローなどの財務諸表を含めて、2月4日に発表する予定とのこと。


・ KDDI
  http://www.kddi.com/
・ 企業倫理・企業行動の強化に関する取組みについて(ニュースリリース)
  http://www.kddi.com/release/2003/0115/index.html


(大河原克行)
2003/01/15 16:59

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