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J-フォン 代表取締役社長のダリル E.グリーン氏
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J-フォンは、国際標準規格3GPP(3G携帯電話の国際標準規格)に準拠した第3世代携帯電話サービスおよび、国際ローミングサービスからなる「Vodafone Global Standard(ボーダフォングローバルスタンダード)」を12月20日から開始する。これに伴なって3日に都内で記者発表会が行なわれた。
J-フォン3Gサービス「Vodafone Global Standard」

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マーケティング統括部長の土居健人氏
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「Vodafone Global Standard」は、3GPP準拠のW-CDMA方式による第3世代携帯電話サービスと、国際ローミングサービスからなるJ-フォンの移動体通信サービス。J-スカイや写メールなどのサービスは利用できない。切手サイズのICチップ「USIMカード」を端末に接続して利用する。USIMカードを差し替えることで、端末を変更することが可能で、SIMカードを採用しているGSM方式の携帯電話と互換性がある。
J-フォンでは、2002年6月より3G端末の試験サービスを首都圏で実施していた。3Gサービス開始に合わせて、NEC製の3G/GSMデュアルモード端末「V-N701」が用意されるほか、12月下旬以降にノキア製端末と三洋電機製端末が提供される。
「Vodafone Global Standard」では、海外の約50の国や地域で、音声通話の国際ローミングサービスを利用できる。3G/GSMデュアルモード端末では、端末をそのまま海外へ持ち込んでも自動でローミングされる「オートローミング」機能が利用可能。また、USIMカードをGSM端末などに差し替えることで「USIMローミング」も利用できる。
同サービスでは、GSM地域で利用されているショートメッセージサービス(SMS)もサポート。SMSサービスは、J-フォン同士であれば140バイト(全角70文字相当)までの文字メッセージの送受信が可能。海外事業者ユーザーとの送受信も順次対応される予定。なお、送信先の端末が日本語のSMSに対応していない場合は文字化けして表示される。
データ通信方式は、上り最大64kbps、下り最大384kbpsのベストエフォートによるパケット通信方式と、回線交換による64kbpsデジタルデータ通信方式が利用できる。テレビ電話機能は「TVコール」の名称で提供され、64kbpsのデジタル通信方式で行なう。
新サービスにともなって、料金プランも発表された。月額基本使用料3,900円に無料通信分2,000円を含んだ「バリューパック」や、月額基本使用料9,800円に4,900円分の無料通話を含んだ「ビジネスパック」など、7つの料金プランが用意される。パケット通信料は1パケット(128バイト)につき0.2円で、SMSは1通の送信につき5円かかるが、メッセージの確認と受信料は無料。
国際ローミングサービスは、それぞれの国ごとに通話料が異なる。なお、頻繁に海外でのみ利用するユーザー向けに、月額540円の料金プランを用意。同プランでは、日本国内で使用した月のみ月額3,150円かかる。なお年間割引に加入する必要がある。
「イギリスより愛を込めて」SMSのデモ
記者発表会では、英ボーダフォン本社へ出張中のJ-フォンスタッフと、衛星中継してデモンストレーションが行なわれた。同スタッフがSMSを使って、「イギリスより愛を込めて」というメッセージを日本の女性スタッフへ送ると、会場では笑い声も聞かれた。
また、J-フォンのUSIMカードが接続されたヨーロッパのGSM端末から、12月下旬以降に発売されるノキア製端末へ、画像や音声を添付したメールが送信できるMMS(Multimedia Messaging Service)を使って、画像を送信する場面もみられた。サービス開始当初は、こうした機能には対応していないものの、J-フォンでは今後、できるだけ早くこうしたサービスを実現したいとしている。
デモンストレーションではこのほか、九州にいる大塚支社長とJ-フォンの代表取締役社長のダリル E.グリーン氏が、テレビ電話機能「TVコール」を使って会話するシーンもあった。会場ではたくさんのフラッシュがたかれ、テレビ電話機能に対する関心の高さがうかがえた。
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イギリスより衛星中継。USIMカードを持つJ-フォンスタッフ
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通話品質のデモンストレーション
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MMSを使って送信された画像。サービス開始時は未対応
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ビデオストリーミングは時間の都合でデモが行なわれなかった
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テレビ電話画面を報道陣に見せる社長
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九州支社長の大塚氏
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2003年の目標台数は100万台
質問時間では、たくさんの質問がかわされた。今回のサービスは、まずJ-フォンショップで受付を開始し、2003年2月・3月より一般の店舗でも販売を開始するという。また、2003年の目標販売台数を100万台としており、そのうち法人需要を約2割と見込む。これについてダリル E.グリーン氏は、「ボーダフォンは法人に対して強い」としており、日本企業のみならず外資系企業への売り込みもかけていくことを強調した。端末の価格について問われると、「J-フォンは価格を維持していない」と、社長みずから今年11月に行なわれた公正取引委員会の調査に対する反論をにおわせる発言を行なう場面も見られた。
J-スカイや写メールなどが利用できない点については、最新の3GPPを採用したため安定させることが難しいとしており、2003年の夏から秋にはそれも対応するとしている。また、「音声やデータ通信の品質を向上させることが先だった」と語る場面もあった。
J-フォンでは、2003年夏に3Gサービスを本格的に開始し、「サービス開始時のサービスエリアの規模がNTTドコモのFOMAとは異なる」と強調している。また基地局の増設などの設備投資も、PDC方式のときよりも安価にできるとしている。
・ ニュースリリース
http://www.j-phone.com/japanese/release_detail/20021203_01/20021203_01.html
(津田 啓夢)
2002/12/03 22:00
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