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【NET&COM2002】
ドコモ夏野氏、「オープン・iエリア」サービスを明らかに
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2月6日~8日の3日間、千葉・幕張メッセで企業向けのネットワーク関連イベント「NET&COM2002」が開催されている。初日となる2月6日には、NTTドコモ iモード事業本部 iモード企画部長の夏野剛氏が「進化し続けるiモード ~JavaからFOMAへのiモードストラテジー」と題した講演を行なった。
「iモードは生態系」
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NTTドコモ iモード事業本部 iモード企画部長 夏野剛氏
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夏野氏はまず、約3100万人のiモードユーザーのうち、iアプリ対応機のユーザーが1000万人を突破したという最新データをスクリーンに映し出し、「1年で確実に市場に受け入れられたと思う」とその感想を述べた。続いてiモード成功の秘訣、いわゆる「iモードストラテジー」に話題を移し、Compact HTMLやJava、MIDI、MPEG-4といったデファクトスタンダードの規格を採用し、ユーザーの使い勝手やコンテンツプロバイダの利便性を重視した結果、多くのユーザーとコンテンツを生み出したことを解説した。さらに夏野氏は「iモードは生態系」と述べ、iモードがインフラ、テクノロジー、コンテンツ、ユーザーなど様々な要因が複雑に絡み合い、形成されたバリューチェーンであるとの考え方を示し、個別の要素を強化することではなく、それらをうまくコーディネイトすることこそが重要であるという従来からの主張を語った。
また、西欧の携帯電話事情にも触れ、日本では通信事業者主体でリスクを負い、端末買い上げやコンテンツの著作権保護の仕組みを確立するなど、環境を整えていった結果が、欧米を一気に引き離し、日本が「ケータイ先進国」になったと述べた。
「機能を載せない勇気も必要」
続いて夏野氏は、これからのiモード戦略のあり方について、「機能を載せない勇気も必要。早すぎず、遅すぎず、ユーザーに受け入れられる適切なタイミングに新機能を追加していくことが重要だ」と述べた。これは、いくら高機能を詰め込んだところで、ユーザーが使わなければ意味がない、とする同氏の従来からの主張に基づいたもの。さらに、これからの時代はメーカーやキャリアの「独りよがり」は通用しないと熱弁し、「テクノロジー、インフラ、ユーザー、コンテンツの4者の進化のスピードの同期をとることが必要」と結論づけた。
今後注目されるコンテンツとしては位置情報サービスを挙げ、基地局ベースのiエリアとGPSを比較しながら、「緯度経度が重要なのではない。位置情報を知って何ができるのかが大事」とし、iモード端末すべてでアクセスできることや、有機的なエリア分割など、iエリアのアピールポイントを力説。また、一般サイトからもiエリアのメニューにアクセスし、公式iエリアコンテンツを利用できる「オープン・iエリア(仮称)」というサービスを近日中に開始する計画も明らかにした。
「FOMAは3月からが勝負」
話題をFOMAに移しても夏野氏の主張は一貫しており、「第3世代携帯電話だろうが、エッセンスは(iモードと)同じ。“何がいいの?”というユーザーの本音の部分を追求していく」として、iモードと同じくFOMAも、徹底したユーザー指向の戦略を採っていく考えを示した。
同氏は、現段階でのエリアの狭さや電池の持続時間など、多くの課題があることを認めた上で、「パソコンでも、速いCPUに慣れたらもう元には戻れない。FOMAも同じで、必ず受け入れられるはず」と楽観的な見方を示し、「人口カバー率が60%以上になる今年3月からが勝負になると思う」と述べた。
最後に同氏は「ドコモは3100万人のユーザーを持ったISP。ポータルのデザインなど、さまざまなノウハウがある」と海外進出への自信を語り、講演を締めくくった。
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iモード戦略の基本テーゼとなる「ポジティブフィードバックとバリューチェーン」
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ポジティブフィードバックを生み出す秘訣
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「iモードは生態系」。個別の要素ではなくコーディネイトが重要だという
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「オープン・iエリア」の概要。一般サイトからもiエリアコンテンツにアクセスできるようになる
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・ NET&COM2002 ホームページ
http://expo.nikkeibp.co.jp/netcom/ja/index.html
・ NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
(伊藤 大地)
2002/02/06 16:28
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