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CEDEC 2000(9/20~9/21)
[CEDEC 2000]開発者たちが語るiモードゲーム事情

9月20日と21日の2日にわたり都内でゲーム開発者向けのカンファレンス「CEDEC 2000」が開催されている。そのなかの「携帯電話ゲームデザイン座談会」では、iモード向けにゲームコンテンツを提供している各社の開発者が、携帯電話向けのゲームの開発について熱く語り合った。


右からドワンゴの清水氏と永松氏、ナムコの武田氏、ハドソンの香月氏と柴田氏、バンダイの山口氏と梶田氏、NTTドコモの栗田氏、メディアワークスの田中氏。

 座談会には、ドワンゴから清水 亮氏と永松 貴臣氏、ナムコから武田 政樹氏、ハドソンから香月 薫児氏と柴田 真人氏、バンダイから山口 征武氏と梶田 聡子氏、司会としてメディアワークスの田中 千尋氏が参加したほか、座談会の途中からは飛び入りでNTTドコモの栗田 穣崇氏も加わった。

 座談会の冒頭でバンダイの山口氏は「iモードは表現力が貧弱であるが、ネット端末としてはもっとも手軽である。iモードでのゲーム制作に当たっては、限られたリソースで表現を行なう作家性と、サービス開始後のメンテナンスが重要」としてコンシューマーゲームとの違いを強調すると、ほかの参加者からも同様の意見が挙げられた。

 また、ドワンゴの清水氏は「iモードゲームにおいて、テキストはユーザーの記憶の中にある画像を呼び出すためのトリガーであり、画像はユーザーの記憶や想像に任せられる」とし、貧弱な表現力でも十分にゲームはできるという意見を示した。さらに同氏は具体例として同社のiモードゲーム「海運ジェネレーション」を挙げ、「画像をあえて用意せずに、ユーザーの想像に任せている」と語ると、ハドソンの香月氏は同社が提供しているメールゲーム「北へ。」について、「ビジュアルはコンシューマーゲームをプレイしたことのあるユーザーの中では完成されているので、画像は待受画面などにしか使っていない」と語り、iモードゲームにおいて、現時点ではあえて画像を重視する必要はないという意見に賛意を示した。

 座談会に途中から加わったNTTドコモの栗田氏は、ゲームに熱中して数千円のパケット代を払っているユーザーが多い現状について「パケット代を下げ、通信量が増えると各社のサーバーがパンクする」とし、システムを現状のままパケット代を下げた場合、サービス提供者側の負担が大きすぎるという考え方を示した。

 また、iモード端末の機種間での機能差について、ハドソンの香月氏は「209シリーズなんて作るなよ」と冗談を交えながら「機種が増えてiモードユーザーが増えるのは良いが、対応させる開発者は大変。とくに独自ブラウザを搭載した松下製端末には苦労した」と語った。

 さらに、年末に控えているJava端末の登場についてNTTドコモの栗田氏は、コンテンツプロバイダにはJava自体の仕様は公開されているが、実際の端末のスペックが公開されていないという現状を明らかにした。それを受けて座談会参加者たちは、各社でJava対応ゲームの開発を進めているが、実際の端末の処理速度すらわからない現状での開発は、まさしく手探り状態であると口々に語り合った。

 しかし、ドワンゴの清水氏が昨日同社がリリースしたJava対応ゲーム「サムライ・ロマネスク」を引き合いに出し「いままでのゲームと違い、高い表現力を少ない通信量で実現できることや、接続していない状態でもユーザーの生活に入り込めるゲームが作れる」と語ると、ナムコの武田氏は「iモードにJavaが搭載され、スピードとメモリ容量の問題をクリアできればPCを越えることができる」と続け、各社がJava対応ゲームの開発に意欲を示していることをうかがわせた。



URL
  CEDEC 2000
  http://www.cesa.or.jp/cesa/cedec/


(白根 雅彦)
2000/09/20 20:47

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