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【モバイル・ビジネス2001】
ライフマネージメントを目指すJ-フォンのモバイルコマース

 10月30日から2日間に渡って東京・有楽町の東京国際フォーラムで、携帯電話関連ビジネスをテーマにしたコンファレンス「モバイル・ビジネス2001」が開催された。2日目となる31日には、J-フォン東日本 サービス開発本部 プロジェクト推進室 課長 木下直樹氏が、「モバイルコマースの展望と期待」と題した講演を行なった。


J-フォン東日本 サービス開発本部 プロジェクト推進室 課長 木下直樹氏
 木下氏は冒頭、J-フォンが11月1日より1社体制へ移行するため、J-フォン東日本として公に立つのは本日が最後になると挨拶し、次世代携帯のキラーコンテンツとして海外でも期待の高いモバイルコマースについて、国内外の動向やJ-フォンのねらいについて語った。なお、J-フォンでは、今年4月にJCB、日本ヒューレット・パッカードと、J-スカイ向けのモバイル決済システムを共同開発し、今秋にもサービスを開始すると発表している。

 まず同氏は、日本におけるモバイルコマースのキーワードは「公式サイト」「有料コンテンツ」「小額課金のビジネスモデル」で、こういった日本のビジネスモデルが昨今は海外でも注目されつつあると話した。これは、パソコンでのEコマースが音楽配信における著作権や肖像権の問題で、ある種サービスの普及に歯止めをかけている場合があるのに対し、日本におけるケータイを利用した環境では、公式サイトとしてやり取りされることでキャリアというフィルターを介することになり、その結果、著作権や肖像権が守られたことから、着メロや画像のダウンロードといった小額課金のモバイルコマースが浸透している状況にあると解説。これを踏まえ同氏は、ケータイという収益チャンスを企業は逃す手はないと提言した。

 今後期待されるモバイルコマースとしては、ケータイにクレジットカードやポイントカードの機能が入ることで財布代わりになり、身分証などにも代用できることなどが挙げられるが、ここから講演の大半を費やして、海外におけるモバイルコマースの動向が紹介された。主だったサービスとしては、ドイツ銀行が筆頭株主となり2000年よりドイツで開始されている「Paybox」があり、Payboxではケータイでのバーチャルな決済やタクシーの決済が可能だという。スペインのテレフォニカと大手銀行BBVAが共同で開始している「Movilpago」では、プリペイドカードやクレジットカードで支払いが可能で、今年4月で1400万人の顧客を確保しているという。フィンランドのソネラが行なっている、商品購入代金の請求を電話代の請求で行なうシステム「Mobile Pay」は小額課金に適し、自販機や3分間写真、ゴルフボール販売機などの利用が可能だという。こちらでは、高額商品の購入にはPIN入力が必要で、クレジットカード決済も可能だという。

 このほか、フランスのオレンジフランスとフランス金融連合が共同で考案した「Iti Achat」や、ブラジルTelespが今年7月に開始した「Waaap Pag」、ボーダフォングループmnitelの「OmniPay」といったサービスが紹介されたが、こうした海外の事例によると、GSM端末の既存のSIMカードを利用したモバイルコマースが大多数であり、いずれもキャリアや金融機関が積極的に参入している傾向が伺えるという。


2000年よりドイツで開始されている「Paybox」では、ケータイでタクシーの決済も可能だという フィンランドのソネラが行なう「Mobile Pay」では、自販機や3分間写真などがケータイで利用できるという

 同氏は、こうした海外での事例を踏まえ、「モバイルコマースはキャリアや金融機関が用意するプラットフォームに参加してくれる加盟店やユーザーが重要だ」とコメントしており、J-スカイを活用した同社のサービスについても、ユーザーの利便性や加盟店への物販に配慮を置いた展開を行なっていくという。具体的には、J-フォンユーザーが自分のクレジットカード番号を決済サービス利用前にあらかじめ登録しておくことで、同じサイトなら2回目以降の利用にはカード番号の入力が不要となり、安全で簡単な決済が利用できるようになるという。なお、当面はJCBやVISA・マスターカードの利用が中心となるが、将来的にはデビットサービスやプリペイドサービス、電子マネーにも対応していくという。加盟店側については、現在物販を行ないたくても公式サイト上での展開が難しい状態となっているため、同社ではオープンサイトにも同様の手段を提供していくという。

 なお、サービスの具体的な展開時期については触れなかったが、同氏はJ-スカイ対応端末が現在全国で900万台近くに達していることから、物販を希望する企業にとっては、これで新たな販売チャンネルが開けるとアピールし、最後に「モバイルコマースは人と時間と場所をつなぐ付加価値サービス」であるとともに、「ライフマネージメントサービスにもなり得れば」と締めくくった。


J-フォンのモバイルコマースでは、デビッドサービスやプリペイドサービスにも対応していくとい モバイルコマースは、個別化された付加価値サービスを高いセキュリティで提供することが成功の鍵だという

・ モバイル・ビジネス2001
  http://www.nikkei.co.jp/events/mobile/
・ J-フォン
  http://www.j-phone.com/

J-フォン、JCB・日本HPとモバイル決済システムを共同開発


(松下 麻利)
2001/10/31 22:05

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