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【東京モーターショー2001】
ナビメーカー各社、Windows CE搭載カーナビを展示
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2001年10月27日~11月7日の12日間、幕張メッセで日本最大級の自動車・バイクの展示会「第35回東京モーターショー2001」が開催される。自動車メーカーが最新の乗用車やコンセプトカーを展示する中、カーナビゲーションシステムメーカーはWindwos CE for Automotive搭載の車載端末を展示している。
クラリオン「AutoPC CADIAS」
ADDZESTブランドでカーナビ事業を展開するクラリオンは、Windows CE搭載の多機能端末「AutoPC CADIAS」を展示している。CADIASはカーナビに置き換わるものだが、ナビゲーションだけでなくメールやブラウジングなどのインターネット端末としての機能、MP3やWMAの再生といったカーオーディオとしての機能、DVDビデオ再生機能、テレビ受信機能、Outlookと連携できるPIM機能、バックモニタ機能など、多彩な機能を搭載している。
サイズは2DINで、前面部にはディスプレイ収納部、DVDスロットに加え、USB端子、PCカードスロット、携帯電話ケーブルコネクタがあり、ユーザーが簡単にUSB機器やメモリカードを増設できる。CDチェンジャーやMDデッキなど、他のクラリオン製カーオーディオと接続するための端子も装備しているが、クラリオンでは「パソコンで取り込んだMP3やWMAなどをメモリカードで車に持ち込む」といった使い方を想定しているという。
なお、CADIASはインクリメントPなどが推進している、通信でサーバー上の地図を取り込む「iフォーマット」形式への対応を予定している。来年中の商品化を予定しており、価格的には現在のDVDカーナビよりも高くなる見込み。
クラリオンでは、CADIASについてWeb上でのプロモーション活動を行なっており、11月上旬からは実際の操作も体験できるようになるという。
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CADIAS。ディスプレイは収納式
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CADIAS前面。下部のコネクタは左から携帯電話専用コネクタ、USBコネクタ、PCカードスロット
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小型化を目指す三洋
三洋では「通信ナビゲーション」としてWindows CE for Automotive搭載端末を参考出品している。まだ完全な仕様は決まっていないが、通信によってナビゲーションに必要なデータを取り込むことで、DVDドライブなどメカニカルな部品を省き、小型化を図っている。CFカードに必要な地図データをあらかじめ入れておいて、最新情報が必要な部分だけ通信で取り込む、といった使い方も可能とのこと。まずは業務用として登場する予定で、コンシューマー向けの製品はそれ以降になるという。価格的にはDVD部分などがないので、DVDカーナビなどと比べると安くなるという。
なお、参考出品されていたものは、既存のDVDカーナビの筐体を利用したものだったが、実際にはもっと小さくできるとのこと。ゼンリンと三井物産、NTTドコモが協賛・協力しており、地図データやASPセンターとの通信には、内蔵するDoPa端末を利用するという。
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三洋のWindows CE搭載端末試作品
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通信ナビゲーション概要。地図ダウンロード以外の「レストランナビ」などのASPにも対応できる
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ケンウッドはWindows 2000カーナビ
ケンウッドはWindows 2000搭載端末「KDC-MX700bti」とWindows CE for Automotive搭載端末を使って、「地図配信型ナビゲーション」のデモを行なっている。
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KDC-MX700btiとドコモのPHS。ゼンリンブースでも同様構成でデモを行なっている
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Windows 2000を搭載する「KDC-MX700bti」は、CrusoeをCPUとする完全なパソコン仕様の端末で、車載用に1DINサイズになっているが、前面のUSBポートにマウスやキーボードをつないだり、普通のパソコンソフトを動かすこともできる。Bluetoothにも対応しており、会場ではCEATECなどでも展示されたNTTドコモのBluetooth対応PHSと組み合わせ、サーバーから地図データをダウンロードしてナビゲーションするというデモを行なっていた。
ちなみにWindows 2000搭載の「KDC-MX700bti」は、1台180万円で予約生産販売を開始している。ただし、これはメーカーが次世代のナビゲーションシステムの評価などに使う、開発プラットフォームとしてリリースされるもの。コンシューマー向けの商品化は未定という。
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ケンウッドによるWindows CE搭載端末の試作品
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Windows CE for Automotive搭載端末は、タブレットタイプのデザインで、会場ではCF型PHS(P-in Comp@ct)を使って通信するデモを行なっていた。こちらの端末は開発中のもので、商品化の予定などは未定。
ケンウッドでは通信で地図データを取り込めるカーナビ端末の開発を来年中に商品化する予定だが、端末がどのようなOSを搭載して登場するかはまだ決まっていない。現在のところ、Windwos CE for AutomotiveかITRONなどを想定しているという。
地図配信システムについては、会場ではゼンリンによるシステムとインクリメントPによるシステムの両方のデモを行なっている。通信システムについては「通信費用の安いパソコンであらかじめメモリカードに地図データをダウンロードしておける」なども検討中とのことだ。
共通プラットフォームを探すカーナビ業界
Windows CE for Automotive搭載端末は、カーナビだけでなくオーディオやインターネット端末としての機能も持つわけだが、メーカーでは「各カーナビメーカーが共通のプラットフォームを採用することで、アプリケーション開発を容易にする」という点にメリットを見出しているようだ。従来のカーナビは、各メーカーどころか同じメーカーでもモデルが違えば異なるアプリケーションが必要な場合があった。しかし、各社がWindows CE for Automotiveをカーナビのプラットフォームとして採用すれば、他のカーナビメーカーののソフトウェアやハードウェア資産も利用できる、というわけだ。
たとえばカーナビと携帯電話の接続は、各メーカーが専用ケーブルを用意していたが、Windows CE for AutomotiveならばサードパーティがUSB接続のケーブルを開発できる。従来のように単一メーカー・単一端末を対象とした製品やネットワークサービスでは、サードパーティも商品化しにくかったわけだが、複数のメーカーで使えるならば、市場も広いので商品化しやすいと期待されている。
・ 東京モーターショー
http://www.motorshow.or.jp/
・ クラリオン CADIASのページ
http://www.addzest.com/cadias/
・ ケンウッド KDC-MX700btiのニュースリリース
http://www.kenwood.co.jp/j/press/press20010824.html
(白根 雅彦)
2001/10/26 11:49
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