9月22~24日にわたり、幕張メッセにおいてコンシューマーゲームの展示会「東京ゲームショウ2000秋」が開催される。22日はビジネスデーとして関係者向けに会場が公開された。
今回のゲームショウで面白いのは、NTTドコモが特別協賛しているところ。主催者であるコンピュータエンターテインメントソフトウェア協会(CESA)が発表した「プラットフォーム別出展タイトル内訳」の集計には「iモード」という項目が加わっており、その割合もワンダースワンと同じ4.2%となるなど、iモードがプレイステーションなどと同様のゲームプラットフォームとして浸透しつつあることがうかがわれる。
■ iモードゲームが楽しめるドコモブース
NTTドコモのブースでは多数のiモード端末が並べられ、各コンテンツプロバイダーのiモードゲームがプレイ可能な状態になっていた。ちなみに、主催者発表のプラットフォーム別タイトル集計によるとiモードゲームは14タイトルとなっているが、ドコモのブースのiモード端末ではそれ以上のタイトル数のゲームをプレイできる。端末が普及しているとはいえ、まだまだ実際にプレイする機会の少ないiモードゲームだけに、多数の来場者がiモード端末を手にとってゲームを楽しんでいた。
また、ドコモのブースでは「スペシャルステージ」としてコンテンツプロバイダーによるプレゼンテーションステージも行なわれた。ドワンゴによるプレゼンテーションでは、先日発表されたばかりのJava対応iモードゲーム「サムライ ロマネスク」が公開され、観客の注目を集めていた。
なお、スペシャルステージの内容は日によって異なり、23日は11時からバンダイ、13時からコナミ、14時からカプコン、15時からイマジニア、24日は11時からドワンゴ、13時からハドソン、14時からサイバード、15時からアトラスがそれぞれプレゼンテーションを行なう予定。
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ドコモのブースでは最新のN502itなど様々なiモード端末が用意されている。実際に全機能を使ってみることが可能なので、新たにiモード端末の購入を予定している人はここで使ってみて比較検討するのも良いだろう。
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■ ケータイに注力するハドソンブース
ドコモ以上にiモードゲームに力を注いでいるのがハドソン。ハドソンはブースの多くをiモードゲームの展示に使い、全コンパニオンにiモード端末を持たせて来場者とiモードゲームの対戦が行なえるようにするなど、iモードゲームを全面に押し出していた。また、ブース内ステージでは総合司会にお笑いコンビ浅草キッドを迎え、iモードのプレゼンテーションステージなどを開催していた。
ビジネスデーのハドソンブース内ステージ上では、9月より正式に提供を開始したiモード向けRPG「ミラクルくえすと」の発表会も行なわれた。発表会にはハドソンの香月 薫児氏に加え、ゲストとしてイメージソング「HELLO TEENAGE」を提供するレベッカからリーダー土橋 安騎夫氏、イラストを担当する森本 晃司氏、NTTドコモから栗田 穣崇氏、そして本誌でもお馴染みのライターの法林 岳之氏が出席し、司会はタレントの安 めぐみ氏と本誌でもお馴染みの平地 レイ氏が務めていた。
発表会の中でハドソンの香月氏は「iモードはゲームに集中する時間が短いので、プレイしていない時間が楽しく過ごせるようにした」と語り、ミラクルくえすとが従来にはなかった新しいタイプのネットワークRPGであることを強調した。
このほかステージ上では、iモード向けホラーコンテンツ「不思議倶楽部」のために、本物の神主を招いての公開お祓いも行なわれた。ただし「ミラクルくえすと」発表会と公開お祓いはビジネスデー限定のステージイベントとなっており、一般公開日には行なわれない。
なお、ハドソンでは「ミラクルくえすと 幕張版」など、ゲームショウ開催期間中限定のiモードコンテンツを提供しており、それらをプレイしてブースに行くとプレゼントがもらえるイベントも行なっている。
また、ブースでは実際にはプレイできないものの、新発表のコンテンツ「プチぷちコレクション」(10月開始予定)、「ミラクル刑事」(11月開始予定)、「Mail Drama コスモス」(11月開始予定)、「蓬莱学園の冒険」(12月開始予定)のパネル展示が行なわれいた。
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浅草キッドが司会を務める観客参加コーナーでは、格闘団体「バトラーツ」の石川 雄規氏とアレクサンダー 大塚氏も登場した。
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「ミラクルくえすと」発表会風景。実はステージ床は電話機のテンキーになっており、ケータイを模している。
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■ ゲームメーカーごとに差のあるiモード展示
ハドソンに次いでiモードの展示に注力していたゲームメーカーはイマジニアであった。イマジニアはネットワークゲームのコーナーにiモードゲーム専用のブースを出展し、同社のコンテンツが楽しめるようにしていた。
またエニックスは、ブース内でパネル展示は行なっていなかったが、同社が提供するiモードゲーム「ドラゴンクエストNET」内のトレーディングカード型RPG「カードのほこら」においてパーティープレイが可能になると発表した。パーティープレイ機能が導入されると「ルイーダの酒場」で仲間を募ったり、ほかのユーザーが仲間を募っているパーティーに参加することで、ほかのユーザーと一緒に冒険依頼をこなしていくことができるようになる。またプレイヤーキャラクターに職業という概念が導入され、パーティープレイにおいて役割分担をした戦闘が可能になるという。さらに新しいカジノゲームやカードの合成機能なども10月に追加される予定。
このほか、トミーと講談社がブースの一部にiモード端末を展示していたが、エニックスやカプコン、コナミなど、自社ブースではパネル展示もしくはパンフレット配布のみで、プレイのできる展示はドコモブースに任せる、というゲームメーカーも多く、ゲームショウにおけるiモードゲームの位置がメーカーによってまちまちである現状がうかがえた。
あるメーカーの担当者は「コンシューマーゲームに比べて派手さにかけるケータイコンテンツを、一緒に展示するのは難しい」とコメントしていた。また、もともとゲームメーカーではないiモードコンテンツプロバイダーであるサイバードやドワンゴは、ドコモブースでプレゼンテーションステージを行なったが、ブースでの出展はしていなかった。
なお、J-フォン、EZwebなどiモード以外のゲームは、今回のゲームショウにはパネル展示のみで、実際にプレイできる形での出展はなかった。
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コナミブースで展示されていた新コンテンツのパネル。サラリーマンとバンドのシミュレーションモノ。両方ともにiモード、J-スカイ、EZweb対応で11月より配信開始。ゲームショウ中、数少ない非iモードコンテンツの展示。ただし、展示はパネルのみ。
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■ URL
CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
東京ゲームショウ2000秋のホームページ
http://www.cesa.or.jp/tgs/index.html
(白根 雅彦)
2000/09/22 23:11
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