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【WIRELESS JAPAN 2001】
第4世代携帯電話は2010年に50~100Mbpsで実現

総務省の山内智生氏
 WIRELESS JAPAN 2001のコンファレンスで、総務省の総合通信基盤局 電波部 移動通信課 課長補佐、山内智生氏が「第4世代移動通信システムの将来展望」と題した講演を行なった。

 第4世代移動通信システムとは、現在試験サービスが開始されたFOMAをはじめとする第3世代移動通信システムの、さらに後継にあたるシステムとなる。移動通信のこれまでの変遷を見ると、第1世代にあたるアナログ携帯電話が1980年ごろから開始され、1990年代に第2世代となるデジタル携帯電話が普及し、2001年から第3世代のサービスが開始されている。山内氏はこのことから、携帯電話の世代交代はだいたい10年スパンだと想定し、2010年ごろに第4世代が登場するという考えを明らかにした。

 同氏によると第4世代の移動通信システムについては、現在はその概要を検討している段階。まずは2010年の移動通信に要求されるポイントを予想し、それからそのポイントを実現させる技術を開発・標準化していく。第4世代移動通信システムに対する政府の取り組みについて山内氏は、政府の掲げる日本IT化構想「e-Japan」を引用し「技術開発の推進と、第4世代移動通信システムの国際標準化においても日本が大きく貢献することを目標に挙げている」と語った。


「新世代移動通信システム」が示す領域図。第3世代やその進化系「第3.5世代」も含んでいる
 具体的な第4世代移動通信システムの内容はまだ決まっていないが、山内氏は想定されるシステムのイメージについて語った。ただし山内氏はあえて「第4世代」ではなく、「新世代移動通信システム」というくくりで講演を進めた。

 新世代のモバイル像として山内氏は「場所の制約なくオフィスと同等のインターネット環境を利用できる」「どんなモバイル端末でも、ユーザーが自由にサービス・アプリケーションを選択できて、モバイルコマースを実現できる」「新たな技術を柔軟に導入できる」の3点を挙げた。現在すでにモバイルインターネットサービスの利用者が増えていることも挙げ、本来は音声通話をする道具である「電話」から離れているとも語った。

 また、第4世代の携帯電話の想定されるイメージとして、山内氏は「下り方向の伝送速度が50~100Mbpsに向上する」と語った。しかしこれは移動通信環境に限った話で、公共施設構内や駅前など、多くの人が集うような「ホットスポット」では、伝送速度が100Mbps以上の無線LAN型通信システムの導入を想定しているという。山内氏は、第4世代の携帯電話と無線LAN型アクセスを含めて「新世代移動通信システム」としている。

 新世代移動通信システムのキーポイントの1つは、カスタマイズ性の高さでもある。現在の携帯電話は、PDC端末ではPDC方式専用、cdmaOne端末ではcdmaOne方式専用となっているが、山内氏によると、新世代移動通信システムでは、ソフトウェアによる無線技術を導入することで、ユーザーが任意の通信技術を電話機にインストールできるようになるという。

 IPv6に対応するなど、インターネットとの親和性の高さも、新世代移動通信システムに求められている。また、モバイルコマースに必要とされる高いセキュリティを持っているほか、次世代のBluetoothやデジタル放送など、他のメディアとシームレスに統合することなども想定されている。

 政府による「e-Japan重点計画」の中では、第4世代移動通信システムは「2005年までに必要な要素技術を確立し、2010年までに実現を図る」とされている。モバイル技術は今後、ビジネスツールからエンターテイメント、医療、防犯、家電などさまざまな分野に影響を及ぼすと予想されるので、山内氏は2010年の実用化に向けて2005年までに技術を確定し、それからさまざまな業界の各種サービス提供者がサービスの開発を行なうだろうという見通しを語った。


想定されている2010年ごろの技術トレンド。山内氏はこのほかにも、巻物型ディスプレイによりパソコン並みのことがモバイル環境で可能になるとも語った モバイル技術が影響を及ぼすであろう各種分野とサービス。さまざまな分野の産業が影響を受ける

・ 総務省
  http://www.soumu.go.jp/


(白根 雅彦)
2001/07/23 12:24

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