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「CommunicAsia2001」レポート
KDDI伊藤氏、ディスカッションで今後の方向性を語る
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シンガポールで開催されたIT総合展示会「CommunicAsia2001」の中で行なわれた、アジア各国の携帯電話事業者が集まる「Operator Update」と題されたパネルディスカッションには、日本からはKDDIの取締役 伊藤 泰彦氏(泰は旧字体)が参加した。
・ CommunicAsia2001(英文)
http://www.communicasia.com/
アジア各国キャリアが自国の携帯電話事情を紹介
パネルディスカッションに参加したのは、シンガポールのMobileOne(M1)のCEO Neil Montefiore氏、香港のPeople Telephone CompanyのCEO Charles Henshaw氏、インドネシアのPT TelkomselのDirector Of Operations Lauren Bulters氏、日本のKDDIの移動体事業統轄本部移動体技術本部副本部長 伊藤氏の4人である。パネルディスカッションはまず、各人が自国の携帯電話事業を説明することから始まった。
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PT Telkomsel(インドネシア)のBuletrs氏(右)と、KDDI(日本)の伊藤氏(左)
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日本のKDDIは、日本で携帯電話によるインターネットが普及した理由について「よく言われるようにパソコンの代替として普及したのではなく、新しいメディアとして若年層を中心に受け入れられた」と語った。将来の展開については、現行のネットワークに改良を加えたcdma2000 1xを音声向けに、次世代携帯電話(いわゆる3G)にあたるcdma2000 1x EVDO(HDR)をデータ向けに展開することで、コスト的に有利なネットワークを構築すると説明した。展開スケジュールについては、KDDIが従来からアナウンスしている通り、cdma2000 1xは今年の10月から、HDRは2002年9月から、東京などの一部の都市より順次開始していくという。
インドネシアのPT Telkomselは、プリペイド式携帯電話が大半を占めるというビジネス展開をしており、音声重視のサービスを提供している。パケット通信や3Gの導入も予定しているが、3Gの導入は2005年を目標にしているという。
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M1(シンガポール)のMontefiore氏(右)と、People(香港)のHenshaw氏(左)
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シンガポールで M1のMontefiore氏は、同社による新技術導入の早さを強調した。3Gについても「急速な変化は期待していない」としながらも、導入時にはシンガポール全エリア一斉に対応すると語るなど、3G導入の意欲を示した。また、シンガポールにおける3Gのライセンス料(国に収める電波使用料)は5500万米ドルで、国民1人あたりに換算すると41米ドルなので、イギリスの1人当たり595米ドルや、ドイツの1人当たり557米ドルと比べて格段に格安であるとし、3G導入の経済的優位性もアピールした。
香港では、狭いエリアにキャリアとサービスがひしめきあっている。。香港では現在、Peopleを含む6つのキャリアが4つの方式(GSM 900/1800、CDMA、TDMA)を使っており、11のネットワークと9つのブランドが存在する。Peopleでは昨年よりネットワークをパケット通信に対応させて現在テストを行なっているが、GPRSについては「消費者はあまり興味を持っていない」とし、技術的な面に加え、マーケットの準備も必要だと語った。香港政府の実施する3Gライセンスの競争入札に参加すると明言しつつも、3Gのビジネスには不透明な面が多いと慎重な姿勢を示した。
「重要なのは技術自体ではない」で各国キャリアの意見が一致
同パネルディスカッションのテーマは「Operator Update」つまり、通信事業者(オペレータ)の進化についてである。これについてシンガポールM1のMontefiore氏は、コンシューマーは技術が何であるかは気にしないとし、香港 PeopleのHenshaw氏は、インターネットに簡単にアクセスできる機能の実装や、Bluetooth搭載やPDA一体型の端末など、使い勝手が重要だと語った。
またインドネシア PT TelkomselのBulters氏は「どのようにユーザーにサービスを提供するかではなく、何をユーザーに提供するのかが大事」と述べ、KDDIの伊藤氏は「提供するサービスに対してユーザーがお金を払う気になるかどうかを考えるのが重要」と語り、出席者一同、新技術でサービスを提供することよりも、ユーザー本位のサービスを提供することが重要だという見解で一致していた。
聴講者から携帯電話インターネットのコンテンツについて質問があると、香港とシンガポールではニュース系のコンテンツと輸入コンテンツがメインだと説明すると、KDDIの伊藤氏は、日本では着メロや壁紙配信やゲームのサービスが人気だと述べた。しかしインドネシア PT TelkomselのBulters氏は、コンテンツの良し悪しはコンテンツプロバイダーの問題であって、携帯電話事業者が考えるような問題ではないという見解を述べた。
・ KDDI
http://www.kddi.com/
(白根 雅彦)
2001/06/25 00:00
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