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「CommunicAsia2001」レポート
ドコモ村上氏、FOMAを世界にアピール

 シンガポールで開催されているIT総合展示会「CommunicAsia2001」で、NTTドコモのIMTネットワーク推進室 村上享司氏は「DoCoMo IMT-2000:Current Activities and Future Developments」と題した講演を行なった。


・ CommunicAsia2001(英文)
  http://www.communicasia.com/

FOMAの世界展開に質問が集中

NTTドコモ IMTネットワーク推進室 村上享司氏
 ドコモの次世代携帯電話サービス「FOMA」については、村上氏は384kbpsの高速データ通信や、提供するiモードや動画配信などのサービスを説明し、ドコモの先進性をアピールした。

 現在実施しているFOMA試験サービスについては「Introductory Service」と紹介した。村上氏は本サービス前に試験サービスを実施した理由について「使い勝手に関するユーザーの意見や、システムへの影響などを取り入れて、より安定した本サービスを実施するため」と説明した。FOMAの今後の展開については、2004年には通話エリアを人口カバー率97%に拡大、600万人の利用者を確保し、それまでに1兆円の設備投資を行なうという考えを示した。ただしターゲットユーザーは当面ハイエンド指向のユーザーに限られ、しばらくは現状のPDC方式と共存しつづけるという見込みも明らかにした。

 村上氏は講演の中でドコモの経営戦略の1つである「国内から世界へ」を挙げ、ドコモの世界展開をアピールした。聴講者から質問が多かったのも、この世界展開についてである。この質問に対し村上氏は、すでにドコモが提携を発表しているオランダKPNモバイル、米AT&Tワイヤレス、台湾KGテレコムの名前を挙げ「それらにドコモが蓄積したものを移転する」という考えを示した。ドコモが蓄積したものとして、FOMAの技術やiモードのビジネスモデル、コンテンツのノウハウを挙げ、1年以内に何らかの形を示したいとした。

 さらに「ヨーロッパで展開される次世代携帯電話のUMTSとFOMAとでは、互換性がないのでは」という質問に対し、村上氏は「今後、海外で次世代携帯電話が開始された際、それに合わせてFOMAのネットワークのアップグレードを行なう」とし、海外ローミングは必ず実現させるということを強調した。なお、現在試験サービスで利用されている端末では、海外ローミングサービスは利用できないという。


ドコモの掲げる将来のビジネス戦略。「非音声」「国際展開」「あらゆる物をつなげる」という3つの柱からなる FOMAが採用するW-CDMA方式の鍵となる点。高速データ通信だけでなく、周波数帯の有効利用やグローバルローミングを重視

「FOMA試験サービス」の目的。国内でのアナウンスの英訳で試験サービスの意義をアピール 試験サービスで用いられている端末の説明。細かい説明はされなかった

iモードを中心とするデータ通信を収益の柱に

FOMAのパケット料金のボリュームディスカウントプランの説明。同様のサービスはすでにauが実施している
 村上氏は「音声通話からデータ通信に移行する」というドコモの将来的な戦略も示した。2005年には通信のトラフィックの半分がデータ通信になるという見込みを紹介し、iモードの登場によって広告収入や公式サイトの課金代行など、従来にはない新しい収入源が登場したと説明した。

 しかし、ヨーロッパやアジア地域では、iモードのようなパケット通信によるデータ通信が一般的ではないためか、聴講者からは「1つのコンテンツを見るのにどのくらいの料金がかかるのか」「パケット通信で安くなるのか」などの質問が寄せられ、村上氏はデータ量に応じて課金されるシステムなどを説明した。

 FOMAの本サービスにおけるパケット料金については「事業者としては頭の痛いことであるが」と言いながら、コストとマーケティングの両面から決定したいという考えを示した。また、パケット料金要のボリュームディスカウントプランも提供すると語った。


FOMAで利用できるサービスの説明。1つの電話番号を、PDCとFOMAの2つの携帯電話に入れる「dual NW service」も紹介されている FOMAの今後の見通し。資本投資(Capital Expenditure)は1兆円に上る

iモードによる新たな収入源 iモードにビデオやゲーム、位置情報などの機能を加えることで「Revenue increase(収入増大)」と強調

・ NTTドコモ、「CommunicAsia2001出展」のお知らせ
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/01/whatnew0607.html


(白根 雅彦)
2001/06/22 00:00

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