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石井英男の「COMPUTEX TAIPEI 2001」レポート
PDA編その1:BluetoothやCDMA内蔵PDAが登場!

 アジア最大級のIT関連トレードショー「COMPUTEX TAIPEI 2001」が、今年も始まった。今回のCOMPUTEXでは、NVIDIAやAMDの新製品発表、新チップセットを搭載したマザーの展示などPCパーツ関連の話題が豊富だが、COMPUTEXで展示されているのはPCパーツだけではない。そこで、PDAやPCカードなど、ケータイWatch読者にも関心が高いと思われる内容を中心にレポートしていくことにしたい。


例年にもまして豊富だったPDA関連の展示

 筆者は、COMPUTEX TAIPEIを取材するのは今回で4回目になる。まだ、初日が終わったばかりなので全ての展示フロアを回れたわけではないが、その段階でもPDA本体やアクセサリなど、PDA関連の展示をしているブースがこれまでになく多いように感じられた。来場者の関心も高く、説明員に熱心に質問をしている姿もよく見かける。PDAが本格的に普及期に入ってきたことの証といえるかもしれない。

 今回のCOMPUTEXで展示されていたPDAはかなりの数に上るので、2回に分けて紹介していくことにする。それでは、早速レポートしていこう。


FICからBluetoothを内蔵したLinuxベースのPDAが登場

FICブースで展示されていたBluetoothを内蔵したLinuxベースのPDA「1stPDA」
 マザーボードベンダーとしても有名なFIC(First International Computer)ブースでは、「1stPDA」という名称のPDAが展示されていた。1stPDAは、OSとしてLinuxを搭載(展示はされていなかったがWindows CE搭載版も存在するようだ)したPDAであり、液晶ディスプレイに、タッチパネル付きの240×320ドット反射型TFTカラー液晶パネル(4096色表示、3.8インチ)を採用している。CPUには、IntelのStrongARM SA1110/206MHzを搭載している。

 動作が高速なことで人気のあるコンパックのPocket PC「iPAQ H3630/3660」に搭載されているのと同じCPUであり、1stPDAも軽快な動作が期待できる。32MBのRAMと16MB(オプションで32MB)のフラッシュメモリを内蔵しているほか、Bluetoothモジュールを内蔵していることが特徴だ。Bluetoothモジュールは、自社開発によるもので、最新規格のBluetooth 1.1に対応している。また、Java仮想マシンを実装しており、Javaで書かれたプログラム(Javaアプレット)を実行することが可能だ。インターフェースとしては、USBとシリアル端子のほか、CFスロット(TypeII対応)を装備している。サイズは13.2×8.2×2cm、重さは200g程度。展示されていたモデルは動作しているようであったが、、ケース越しに展示されていたため、残念ながら触ることはできなかった。

 発売は今年後半か来年になるとのことで、価格は250ドル前後を予定しているようだ。また、より薄くて軽い製品も開発中であり、その次期モデルのモックアップも展示されていた。


1stPDAの内部基板の様子。液晶は反射型なので透過型に比べるとやや見にくい 初代モデルよりも薄くて軽い次期モデルのモックアップ

メモリースティックスロットを備えたPDAが登場

OSとして、Penbexを搭載したEPD30。Palm OSと同様に、液晶パネルの下側に手書き文字入力用のスペースが用意されている
 ECS(Elitegroup Copmuter Systems)のブースでは、「EPD30」シリーズと「EPD50」シリーズ」というOEM向けPDAを展示していた。EPD30シリーズは、CPUにDragonball EZ/16MHZを搭載し、OSとしてMine OSまたはPenbexをサポートする。液晶ディスプレイには、160×160ドットモノクロ4階調液晶パネルが採用されている。メモリとしては、4MBのRAMと2MBのフラッシュメモリを内蔵している。EPD30シリーズは、EPD30/EPD30N/EPD30Mの3モデルがあり、基本的な性能はほぼ同じだが、EPD30Mは、ソニーのメモリースティックに対応したスロットを装備していることが特徴だ。サイズは12.25×8.1×1.65cmで、重量は145g前後である。

 上位製品となるEPD50シリーズは、CPUがDragonball EZ/20MHzに強化され、メモリ容量もRAMが8MB、フラッシュメモリが4MBと倍増している。こちらも同じくEPD50/EPD50N/EPD50Mの3モデルがあり、EPD50Mは、メモリースティックスロットを装備している。また、ボディが金属製になり、より質感も向上している。OSとしては、Mine OSとPenbexの拡張版であるBPenbexをサポートする。

 両シリーズとも、9月からの量産を予定しており、価格はオープンプライスだという。ただし、メモリースティックスロットを装備したモデルは出荷がやや遅れる可能性もあるようだ。


こちらのEPD30は、OSとしてMine OSを搭載している。Palm OSでいうGraffitiエリアがなくなっていることに注目 EPD30のカラーバリエーション。カタログによると全部で5色用意されるようだ

上位製品のEPD50M(Mine OS搭載)。Mine OSでは、液晶上に手書き文字入力用のマス目が表示される。ボディの質感はPalm Vシリーズに似ている

AcerがPalm OS搭載PDAのモックアップを展示

 昨年は独自仕様のPDA「SlimMate」を展示していたAcerであるが、今年はPalm OS搭載PDAのモックアップが展示されていた。説明員によると、詳しいスペックなどの詳細は不明だが、搭載するPalm OSのバージョンは最新の4.0であり、今年末までには製品化したいとのことだ。また、英語版だけでなく、中国語版へのローカライズも行ない、英語版と中国語版のそれぞれの製品を発売する意向のようだ。


Acerブースに展示されていたPalm OS搭載PDAのモックアップ こちらもモックアップだが、Palm OSの表記が中国語になっている


(石井英男)
2001/06/05 00:00

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