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【第8回ケータイ国際フォーラム】
有識者が語るケータイの“光と影”

京都府知事の山田氏

京都府知事の山田氏
 「くらしとユビキタスと絆 ~新たなケータイビジネスを探る~」をテーマにした「第8回ケータイ国際フォーラム」が、京都で開催されている。3月11日と12日の2日間に渡って行われ、会場は園甲部歌舞練場八坂倶楽部とけいはんなプラザ・国際高等研究所の2カ所。同イベントは講演やディスカッション、セミナーなどが中心の内容となる。

 ケータイ国際フォーラム開催に当たり、京都府知事の山田啓二氏が挨拶を行った。山田氏は「学校におけるケータイ規制や、モラル的に問題のあるサイトの出現など、色々な問題が起きている。その中でケータイの未来を考えなければいけない、一歩進んだ時期に来ている」と、同イベントの意義を語った。


 知事の挨拶に続いて、「ケータイの光と影」をテーマにしたキーノートセッションが行われた。同セッションには脳科学者でソニーコンピュータサイエンス研究所、シニアリサーチャーの茂木健一郎氏と、NTTドコモ モバイル社会研究所、主任研究員の遊橋裕泰氏が参加。コーディネーターは、慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏が務めた。


コーディネーターを務めた中村氏 脳科学者としておなじみの茂木氏
コーディネーターを務めた中村氏 脳科学者としておなじみの茂木氏

NTTドコモの遊橋氏
 キーノートセッションの冒頭では、中村氏がケータイを取り巻く状況を語った。中村氏は若者がリードする“ケータイ文化”の重要性を語る一方で、「1人1人の情報力が次の力になりつつあるが、どうも大人は分かってくれない」と述べ、昨今のケータイに対する規制強化の動きや、民間が率先して行っている第三者機関などの現状を解説した。

 これを受け、遊橋氏はまずケータイの“負の側面”に言及。「彼らはつながりあっていて独自のルールを作っていたりする。メールの返事がないと『遅いよね』といわれてしまう」と述べ、頻繁なメールのやり取りに悩んでいる子どもの例を挙げた。さらに、情報の信頼性向上や、多重化するコミュニティ上での処理を適切な時期に学べない教育の問題などを指摘。対する茂木氏は、「新しい技術の進歩を止めようとする守旧派は必ずいるが、人類が新しい技術を手放したことはない」と、昨今の動きを牽制する。女子高生が机の下でメールを打っていることに対しても「授業とは別の文脈を引き受けている。多重文脈を引き受ける方向に人類は進化している」とポジティブな見解を披露した。

 ただし、日本のネット社会に対しては、疑問を抱いているという。茂木氏は「Amazonなどのレビューも情報の質が非常に低い。パブリックということを全く理解していない」といい、カジュアルさやノリばかりが重視される日本のネット社会に対して警鐘を鳴らした。


若者のコミュニケーションの事例として、中村氏が紹介したメール モバイルコンテンツ審査・運用監視機構などのサイト健全化に向けた取り組みも紹介された
若者のコミュニケーションの事例として、中村氏が紹介したメール モバイルコンテンツ審査・運用監視機構などのサイト健全化に向けた取り組みも紹介された

 ケータイの“光”の事例として、遊橋氏は、ある大学の先生が運営している「リレー・ケータイ小説」を紹介した。その上で、今後、参加型のコンテンツがさらに成熟する可能性を指摘。「現在人気のケータイ小説は、作家を周りが応援する形で作られている。周りが参画するのは今のスタイルだけじゃない」と語った。一方、茂木氏は自身が論文をケータイに入れて読んでいるというエピソードを披露。「青空文庫に行けば夏目漱石が読める。くだらないチャットをするくらいなら、それを読んだ方がいい」と述べ、ケータイで上質な情報に触れる重要性を力説した。

 このほか、11日には「ユビキタス特区」のプロジェクトを解説する「ユビキタス特区サミット」や「M2M(Machine to Machine)」に関する講演、若者のケータイ利用動向を探る「ケータイdeディスカッション」が開催された。


遊橋氏は、子どもケータイ使用率を披露 新しい表現形態として遊橋氏が注目しているリレー・ケータイ小説
遊橋氏は、子どもケータイ使用率を披露 新しい表現形態として遊橋氏が注目しているリレー・ケータイ小説

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URL
  第8回ケータイ国際フォーラム
  http://www.itbazaar-kyoto.com/forum/

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(石野純也)
2009/03/11 20:18

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