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【mobidec2008】
ソフトバンク松本氏、本当の携帯先進国を目指す
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mobidec2008の特別講演、3番目のセッションには、ソフトバンクモバイル プロダクト・サービス本部 サービス・コンテンツ統括部 部長の松本真尚氏が登場した。
「ソフトバンクのオープン化戦略」と題して講演を行った松本氏。冒頭、ノキアのMVNO報道や、日本市場撤退の発表について触れ、「世界の市場がすごく動いている。ソフトバンクとして潮流に乗り遅れないようにしなければならない」と語った。
国内の携帯電話市場について松本氏は、さまざまな電化製品を含めて携帯電話ほど普及率の高いものはなかったと述べ、契約数ベースの成長が鈍化し、新たな段階に進むとの認識を示した。同氏は、端末の通信速度が高速化する中で、若い世代を中心にパソコンを全く使わない層が出てきており、こうした世代が新たな文化や価値観、ビジネスの変化をもたらすのではないかと語った。また、自身も利用しているというiPhoneを例に挙げて、「iPhoneのような端末が登場すると、パソコンを持たないことが普通になるかもしれない。今後、Yahoo!やグーグルを知らない世代がどんどん出てくる」と述べた。
競争の激化などを背景に、音声とデータを合わせたARPUの値下がりが加速していると説明し、ARPUの値下がりを織り込んだビジネス展開が必要とした。特にソフトバンクは、NTTドコモやKDDIと比較するとARPUの下落が顕著であり、ソフトバンクのミッションとして新しいビジネスでARPUの減少をカバーしていかなければならないという。
また、端末の出荷台数の減少を説明する中で、ここ数年の傾向として、各キャリアともに、衝撃的な新しい機能が登場していないとの認識を示した。販売手法の変更なども伴って、ユーザーが積極的に端末を購入しないことに繋がっているとした。新機能や新サービス対応の携帯電話が売れなければ、サービスを利用するユーザーの母数が小さくなるため、コンテンツにも影響があると述べた。
端末販売の減少に憂慮を見せた松本氏は、最近の端末ラインナップの傾向として、カラーバリエーションモデルやコラボレーションモデルが増加しており、機能的な進化のスピードが鈍化していると説明。ユーザーの多種多様な嗜好に合わせた端末が必要との認識を示し、「ハイスペックだから間違いなく売れるというマーケットではなくなってきている」と語った。
公式コンテンツについては、従来の携帯電話事業者が仕様とルールをコントロールし、参入企業を制限させるビジネスモデルが市場の発展と一定の質を保ったコンテンツの配信を可能にしたとの認識を示した。しかし、その一方、ITリテラシーの向上によって利用スタイルが多様化し、公式メニュー以外の検索サイトを利用したアクセスなどが増加しているという。ソフトバンクのYahoo!ケータイでは現状、コンテンツにアクセスするユーザーの3~4割が検索サイトから訪れているとした。
このほか、モバイルコンテンツの市場が拡大していく中で、パソコン向けのインターネット事業者が次々と参入しているとし、ブックマークされているCPの上位はほぼ全てインターネット事業者だとした。松本氏は、インターネット事業者として、mixiや楽天、ヤフー、グーグルなどを挙げた。新たなCPの参入で競争は激化し、1サイトあたりの売上げは下降している状況だという。
松本氏は、日本の携帯業界には新規開拓市場が必要との見方を示した。他の業界を例に説明し、自動車業界では世界市場に出たことで新たな市場を獲得し、ゲーム業界では女性を取り込んだことが新規開拓につながったとした。
また、シャープの「AQUOSケータイ」など、メーカーが自社ブランドを展開しやすい環境が必要と述べた。iPhoneやノキア製端末など、従来であればソフトバンク仕様に合わせるように注文をつけていたが、携帯電話事業者のレギュレーションに合わせた端末開発は時間がかかる。松本氏は、「世界で認められている良いものはそのまま持ってこよう」と同社の方針を語った。
このほか、Vodafoneやチャイナモバイルとの提携により、チャイナモバイルのコンテンツをソフトバンクの課金で購入できるような仕組みにも可能性があると述べ、自由な競争環境を提供していくと語った。同氏は「日本は携帯の先進国と言われるが、日本のサービスが世界に向かって提供できていない。日本が本当に先進国と言えるよなものを提供していきたい」と話し、講演を締めくくった。
■ フォトギャラリー
■ URL
mobidec2008
http://www.mobidec.jp/
ソフトバンクモバイル
http://mb.softbank.jp/mb/
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(津田 啓夢)
2008/11/28 18:30
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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