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【mobidec2008】
竹之内氏が語る、auの今後のサービス展開
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mobidec2008の特別講演、午前中の2番目のセッションには、KDDIのコンシューマ事業統轄本部 コンテンツ・メディア本部 コンテンツサービス企画部 竹之内剛氏が登場した。竹之内氏は、「auのライフスタイル戦略」と題して講演を行った。
auは2008年3月、目標にしていた累計契約数3000万件を達成した。竹之内氏はauユーザーの特徴を、CDMA 1X WIN端末のユーザー、パケット定額サービスの利用者ともに7割程度と紹介し、パケット定額オプションの普及率が高く、コンテンツをアクティブに利用するユーザーが多いと説明した。1人あたりのコンテンツ利用額は毎月520円程度になるという。
また、定額サービスや音楽サービス「LISMO」などの導入によって、データARPUは依然上昇を続けていると説明。10月時点で2250円程度とした。
デジタルコンテンツの流通額は年平均で20%増を記録しており、auのコンテンツでは、着うたフル/ビデオクリップとゲームコンテンツの利用額が高く、トップを競い合っている。しかし、他社に先駆けて導入した着うたサービスは、着うたフルから切り出して着うたとして利用できるため、コンテンツ利用額が減少している。竹之内氏によれば、着うたは減少しているが、レコード会社が販促に利用するなど、マーケティングツールとして新たな役割を担っているという。
同氏は、国内の携帯電話回線数が1億を突破し、端末販売数による競争が揺るかになりつつあると語った。しかしその一方で、携帯コンテンツの利用者は携帯ユーザーの半数にも満たない状況だと説明し、コンテンツ市場には依然として拡大の余地があるとした。
auでは、先進性のあるイメージを継続しながら、ライトユーザー向けのさまざまなサービスを拡充し、多様な切り口でユーザーがサービスに触れる機会を充実させていく方針だ。竹之内氏は、音楽サービスにも新たな展開を予定していることを明かし、「近々新しい取り組みについて話ができる」と語った。
さらに、動画サービスについても新たな展開を予定しているという。現状のユーザー動向として、視聴時間は10分以内、連続視聴しない傾向にあるという。LISMOの「うたとも」などのように、コミュニケーション機能を用意して拡充を図る方針を示した。プラットフォームが整い次第発表される予定だ。
ゲームコンテンツについては、ゲームの反応速度を上げて欲しいとの要望があるとした上で、反応速度を上げるとメールなど他の機能へ影響が出るとした。竹之内氏は「意識的に下げているような状況」と話していた。auでは、Bluetoothを利用した通信対戦ゲームを展開しているが、今後、カロリーカウンターなど端末内のデータと連携したゲームなども提供できるようになるとした。
また、携帯向けゲームの仕様が携帯電話事業者各社で異なっているとし、CPの開発負担になっているとの認識を示した。竹之内氏は、キャリアを超えてプレイできるゲームの提供に意欲を見せており、他の事業者に相談していくと述べた。
KDDIはこれまで、EZ・FM、EZナビウォーク、着うたフル、EZブック、検索サービスなど、関連する業界と協調して携帯向けサービスを拡充してきた。関連業界と連携しながらサービス展開する手法は、先日発表された「島耕作ケータイ」でも実施されており、島耕作ケータイの開発秘話が講談社の「モーニング」誌面に掲載され、タッチポイントの拡充に繋げている。
なお、3000台限定の「島耕作ケータイ」は、現段階で1000台程度の予約を受けているという。「何万円もする仮面ライダーの変身ベルトが売れているように、30~40代のノリが良く、お金を持っている層にアプローチできている」と話していた。マンガの世界感を踏襲し、最初で最後の初芝製端末から、今後は新しいブランドになった島耕作ケータイなども計画しているという。
GPS機能については、2008年度内にもGPS機能とBREWを連携させ提供していく方針が示された。詳細は語られなかったが、年内にも何らかの発表があるという。
竹之内氏は、「5年前、auはケータイマニアに受けていた傾向がある」と語った。アクティブに携帯電話を利用する先進層へアプローチできていたとする一方で、「これまでは先進技術をユーザーに押しつけていたのではないか。ユーザーが何を大切にしているのかを考え、ユーザーと寄り添っていくようなサービスを展開したい。非常に難しいが、auは変わりつつあると思う」と話した。今後はコンテンツを積極的利用しないユーザーにもアプローチしていくほか、ユーザーへのアプローチの仕方にも検討が必要との見方を示した。
竹之内氏は、「プロダクトアウトからマーケットイン」へ思考を転換する必要を語ったが、それが簡単なことではないとした。auのコンテンツ部隊は、本社とは切り分けられており、六本木に事業部を構えている。竹之内氏は、本社と切り分けられた環境であっても、すぐにキャリア中心の考え方になってしまうと語り、キャリア中心の考えをあらためるためにも関連業界と共に新サービスを提供していくことが有効だと述べた。
このほか、サービスは、時流に乗せて展開する必要があるとし、au Smart Sportsの「Run&Walk」を例に挙げた。ランニングブームや健康ブームなどを後ろ盾に、au Smart Sportsは現在約50万ユーザーを獲得している。20~30代の女性や30~40代の男性に支持されているとした。
■ フォトギャラリー
■ URL
mobidec2008
http://www.mobidec.jp/
KDDI
http://www.kddi.com/
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(津田 啓夢)
2008/11/28 17:00
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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