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【ACCESS DAY 2008】
ドコモは成長期から成熟期へ――山田氏が講演

 ACCESSは20日、第8回目となる「ACCESS DAY 2008」を都内にて開催。NTTドコモ 代表取締役社長 山田 隆持氏が基調講演を行った。また、カンファレンスセッションを行うともに、パートナー企業による最新ソリューションも展示した。

 冒頭、ACCESSの代表取締役社長兼最高経営責任者 荒川亨氏が挨拶。「2001年の上場以来、テクノロジーの未来、我々の業界全体がこれからどうなっていくのかをみなさんに少しでも知っていただこうと考え、このACCESS DAYを開催するようになった。気がついてみれば設立以来ACCESSも25年。無我夢中で取り組んできたが、気がつけば四半世紀が経過していた。我々もようやく成人を迎えられるのかなと思う。何も知らなかった我々を導いてくださった皆様のご指導があってこそやってこれた。心から感謝したい」と25周年を迎えられたことへの感謝の気持ちを述べた。


ACCESSの荒川氏 NTTドコモの山田氏

成熟期へ転換するドコモ。ビジネスモデルも見直し

総販売数シェア
 NTTドコモ 代表取締役社長 山田 隆持氏は、「ドコモの変革と新たなケータイへの挑戦」と題して講演した。日本の携帯電話市場の現状を説明した上で、これからドコモが何を目指し、どのような活動を行っていくのか、今後の端末の進化の方向性や、ドコモとしてどのような機能を盛り込んでいくのかといった点について解説した。

 まず現在の日本の携帯電話市場の状況として、NTTドコモが全体の51.5%(5394万加入)を占めており、2008年度第1四半期の純増シェアは26.1%であるとした。

 総販売総数とシェアについては約5割で推移しているが「第1四半期は前年同期より総販売数が約20%ほど落ちている。事業者に関わらず業界全体でほぼ同じ状況だ」と語った。その原因として、NTTドコモの「バリューコース」に見られるように、端末を正価で販売し、通信コストを下げる販売システムが導入されたことや、景気の影響、革新的な機能が搭載されると一時的に伸びるものの、そうした機能が出にくくなってきたこと、の3点をあげた。

 これらの現状を踏まえて山田氏は、「成長期から成熟期に入っている」とし、成長期のビジネスモデルから、市場の成熟期に適したビジネスモデルに転換する必要性を説いた。「成長期においては、純増シェアが非常に大きなファクターだが、成熟期に舵を切った今は、純増シェア、解約率、ARPUの3点を重視しており、これらのバランスを取っていきたいと考えている」と述べた。

 特に成熟期においては、既存顧客を大切にし、顧客満足度を向上させることが最大のポイントとした。山田氏は新たな割引サービスや、「バリューコース」に代表される販売モデルを導入したことで、解約率は0.51%に低下したと説明。「なんとしてもこのまま推移させていきたい」と意気込みを述べた。

 ちなみに、端末の購入では顧客の97%が「バリューコース」を選択し、その中の半数が24回の割賦払いを選択しているという。さらに残り約50%のうち、一括払いと12回払いがほぼ同等を占めるという。

 また、ドコモ自体も成熟期に合わせた変革が必要だとして、4月18日の「新ドコモ宣言」、7月1日に行われたブランドロゴのリニューアル、および全国一社化などの施策が紹介された。「ドコモは原点に立ち戻って、ブランドをしっかり磨き直し、お客様視点でサービスを見直す。なんとしてでも顧客満足度を上げたいという決意の表れだ」と強調した。

 また、変革プロジェクトではあらゆる部分での「お客様視点での見直し」を検討しているとし、「フロント」「アフターサービス」「ネットワーク・エリア」「サービス」「端末」「料金」「CSR」の7点が重要で、これらがドコモの将来を大きく左右する成功の鍵であると述べた。


解約率の低減 ドコモの変革

全ての部分でのお客様視点での見直しを検討 パーソナライズによる行動支援

秋冬モデルは「○○してくれるケータイ」へ

 山田氏は「市場は成熟期に入ったが、端末そのものの機能はまだまだ伸びていく」と語った。秋冬モデルでは、「生活支援」や「行動支援」機能を盛り込み、従来の“○○できるケータイ”から“○○してくれるケータイ”に変化させ、より個人と生活に密着させたサービスを展開するという。また「ケータイ動画」の進化も推進していくとし、産業機器や車、情報家電、放送、固定電話と融合させることで、更なる付加価値を生み出せる可能性があると語った。

 端末の進化や可能性については、2つに分離する「セパレートケータイ」も披露した。キーワードとして、「QWERTYキーボード」「タッチパネル」「Bluetooth」「生活防水」「健康管理」「ブランドコラボ」をあげ、「成熟期に入っても、まだまだ機能を成長させたい」(山田氏)と意欲を見せた。

 山田氏は、従来、携帯電話に求められていたのは「エリア」の広さだが、サービスが多様化、高度化すると、「スピード」も求められると説明。ドコモが推進するSuper3G(LTE)の標準化についても触れ、2010年には商用展開が可能だと述べた。さらに、ネットワークのIP化も慎重に行っていく考えを示した。

 最後に改めて、「成熟期において、顧客満足度のさらなる向上と、端末機能を成長させることがこれからのドコモのチャレンジテーマである」と語り、その決意の強さをアピールした。


ケータイはさまざまなものと融合 Super3G(LTE)導入の効果

ネットワークのIP化 セパレートケータイを披露する山田氏

多くの来場者で賑わいを見せていた展示会場 多くの来場者で賑わいを見せていた展示会場

ACCESS Linux Platform搭載端末を展示 ACCESS Linux Platform搭載端末


URL
  ACCESS DAY 2008
  http://www.accessday2008.com/
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/


(すずまり)
2008/10/20 19:33

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