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【WIRELESS JAPAN 2008】
KDDI小野寺氏、FMBCに向けての取り組みを語る
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KDDIの小野寺氏
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パーソナルエージェントについて
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ワイヤレスジャパンの基調講演「モバイル通信サービス事業の将来ビジョン」で、KDDIの代表取締役社長 兼 会長の小野寺 正氏は、「KDDIが拓くFMBCの世界」と題した講演を行った。
小野寺氏はまず、FMBC(Fixed Mobile and Broadcast Convergence)について、「アクセス手段を意識することなく、多様なコンテンツサービスにアクセスできる、そういった環境を実現することがわれわれの役目」と語る。さらにケータイを中心とした生活基盤機能の図を挙げ、「KDDIはパーソナルゲートウェイという言い方をしてきたが、それがこれからパーソナルエージェントという考えに変わっていくだろう。パーソナルエージェントにより、ユーザーは効率的に生活できるようになる」とのビジョンを示す。
パーソナルエージェントについては、「個人の情報はすべてケータイ経由で取り込む。また情報の発信者もケータイを使う。そういった意味でパーソナルゲートウェイと言ってきた。そして、パーソナルゲートウェイの概念はほとんど実現した。今後はユーザーの状態や環境、履歴から最適な機能・情報・サービスを提供するようになる。これをパーソナルエージェントと呼ぶ」と説明する。
小野寺氏は「じぶん銀行」を紹介しつつ、「ケータイの電話番号で振り込みができる。預金の管理もできる。まさしくこれもひとつのパーソナルエージェントだと考えている」との考えを示した。
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FMBCの定義
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じぶん銀行について
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様々な要素を飲み込むウルトラ3G構想
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パーソナルエージェントを実現に向けた研究開発
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続いて小野寺氏は、FMBCを支える技術面に話題を移す。KDDIが提唱する、アクセス非依存の統合サービス「ウルトラ3G」を紹介しつつ、「ユーザーからの見え方、つまりユーザーエクスペリエンスの向上で、新しいコミュニケーションサービスを提供する。一方では通信と放送のインフラ技術も高度化させる。これら2方面からの高度化により、パーソナルエージェントが実現する」と語る。
ユーザーエクスペリエンスの向上にむけた技術として、「ウォークスルー自由視点映像」を紹介する。これはスポーツ映像などで、本来カメラが置けない視点での映像を生成するというもの。小野寺氏は「IPTVの発展サービスとして実現したい」と紹介した。
コンテンツの推薦(レコメンド技術)についても、「いままでにもこうした技術はあるが、アンケートや視聴履歴、購入履歴をベースにしていた。これをもっと拡張して、コンテンツの特徴情報から推薦するとか、履歴からほかの種類の製品を推薦するといったことも考えられる。こうした発展により、面白いことができるのではないか」と語った。
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ウォークスルー自由視点映像
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コンテンツのレコメンド技術
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CDMAからOFDMA+MIMOに移る技術トレンド
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技術面の進化として、まず3Gの進化について、「3Gの世界ではCDMA技術が基礎部分に使われてきた。これはCDMA2000 1XもW-CDMAも同じ。しかしこれが3.9Gや4Gになると、CDMAとはまったく違うOFDMAがベースとなる。これにより大容量と周波数効率の向上が見込める」と説明する。
さらにKDDIがIMT-Advanced(4G)の実験を行っていることも紹介。「20MHz幅で100Mbpsとかになる。変調方式によってはもっと狭い帯域でも100Mbpsになる。しかし実用性と速度は別の問題。ケータイというスタイルでどこまでの速度が必要か。ケータイ向けの動画ストリーミングであれば、せいぜい10Mbpsあれば十分。それよりも、ビット単価の低廉化が重要。ユーザーは今後、より容量の大きいデータをダウンロードするようになる。コンテンツプロバイダーも、高品位・大容量なものを提供する。一方でインフラ事業者からみると、ビット単価を下げないことには、そうした大容量サービスは提供しにくいというのが実態。そういった意味でも、3.5Gや3.9Gでビット単価を下げることが重要。その結果、高速なサービスを提供できる」と考えを語った。
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フェムトセルと無線LAN
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続いて小野寺氏はフェムトセルについても言及する。フェムトセルは家の中、程度の小さなエリアを対象にした小型基地局の概念。このフェムトセルについて小野寺氏は、「フェムトセルが免許なしに使えるようになったとき、干渉の問題も起きうる。場合によっては干渉によって低速になることもありうる。またハイパワーアンテナを作られても困る。現行法では、不法無線局は使った人が罰せられるだけで売ることは罰せられない。不法無線対策はより強化してもらわないといけない」との危惧を明らかにする。
一方で無線LANについては、「無線LAN対応ケータイにより、固定回線経由で動画をダウンロードすれば、ケータイのコストを下げられる可能性があると考えている。フェムトセルや無線LANといったシステムを提供することで、これまでとは違ったケータイの使い方が可能になる」と語った。
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モバイルWiMAX事業
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また、モバイルWiMAXについては、「KDDIが中心となって設立したUQコミュニケーションズがサービスを展開する」とし、その展開先の一例としてノートパソコンを挙げる。具体的なイメージとしては、「お客さまがノートパソコンを買ってきてWiMAXをつなげれば、すぐにUQコミュニケーションズにつながり、レジスト手続きをすれば使えるようになる、といった仕組みを考えている」と紹介した。
さらに「モバイルWiMAXは世界標準の規格。韓国ではすでに開始しているし、米国でも今年開始される。WiMAXは世界標準になると考えている。そして、ケータイとは違う形の、組み込み型端末などに使われるサービスになると考えている」とも語った。
放送分野での技術開発としては、ワンセグエリア放送システムについて、「特定のエリアの中でだけ見られるワンセグ放送」と紹介する。小野寺氏は、ワンセグで固定向け放送とは異なるオリジナル映像を配信するFMBCのサービスとして想定していることを明らかにした。また、複数のワンセグを束ねる技術についても「束セグ」として紹介した。
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特定エリア向けのワンセグ放送
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マルチワンセグ
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MediaFLOについて
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さらに小野寺氏は、MediaFLOについても言及する。ワンセグと同時にMediaFLOも研究していることについて小野寺氏は、「ケータイでワンセグを見るとき、家の中や郊外では映りにくいということもある。これはワンセグが固定アンテナのテレビと同じ電波を使っているから」とワンセグの欠点を指摘し、「MediaFLOではモバイル向けに放送エリア設計をする」との考えを明らかにした。さらに「蓄積放送やデータ放送、課金サービス、Push-to-Push型モデルもできる。いままでのワンセグとは違った新しい仕組みのマルチメディアを提供できる」とワンセグとの違いをアピールした。
■ URL
KDDI
http://www.kddi.com/
WIRELESS JAPAN 2008
http://www8.ric.co.jp/expo/wj/
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(白根 雅彦)
2008/07/23 19:27
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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