22日、「WIRELESS JAPAN 2008」会場内で、近距離無線通信技術の「Bluetooth」に関する団体、Bluetooth SIGの報道関係者向け説明会が開催された。
■ 認証ツール導入で互換性を高める
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Bluetooth SIGのデレク・ソー氏
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最初にプレゼンテーションを行った、アジア太平洋/日本地区マーケティング・ディレクターのデレク・ソー氏は、設立から10年を迎えたBluetooth SIGやBluetooth製品の動向に触れ「対応機器は20億ユニットを超え、現在はバージョン2.1 EDRとなった。日本市場については戦略的重要性があると考えており、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)とも覚書を交わした」と更なる市場拡大に向けて活動していることを報告した。
またBluetooth SIGから提供されている「プロファイリングチューニングスイート(PTS)」という認証ツールについても紹介され、「相互動作性の問題発生率は、以前は12.1%だったが、PTS導入後は2.4%に減少した。さらに追加テストも導入したことで、相互動作性の問題発生率は0.7%となった」と述べ、製品の利便性向上に繋がっていることをアピールした。
また、Bluetooth SIG役員会会長のイアン・マクナマラ氏は、「日本は戦略的に鍵となる市場と見ている。SIGの活動にも、多くの日本企業が積極的に貢献している。たとえばPTSについてもアジア太平洋地域での導入に力を尽くしてもらった」と述べ、日本市場への期待感を示した。
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認証ツール導入で相互動作性が向上
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Bluetooth SIG役員会会長のイアン・マクナマラ氏
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■ Low Energy Technologyのデモンストレーション
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CSR UKのロビン・ヘイドン氏
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Low Energy Technologyのデモ。世界初公開という
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続いて、Bluetooth関連製品を手掛ける英国企業、CSR UKのロビン・ヘイドン氏から「Low Energy Technology」と呼ばれる新技術のデモンストレーションが披露された。
「Low Energy Technology」は、その名の通り、Bluetoothの機能を駆動させる際の電力を抑えるというもの。もともとはノキアが開発した「Wibree」という技術で、電力消費を最大1/10に低減できるとしている。
デモンストレーションは、体重計と体温計を用いたもので、2つの機器で測定したデータを携帯電話にBluetoothで伝送している。いずれの機器も「Low Energy Technology」による機能と、従来のBluetoothの機能が用意されたデュアルモード対応となっている。転送したデータは、携帯電話上での参照や携帯経由でWebサーバーにアップロードするといった使い方ができる。デュアルモードを実現したチップについては、国内外の企業から質問が寄せられているとのこと。
Bluetooth SIGでは、今回初めてWIRELESS JAPANの会場にブースを構えている。ブースの規模はあまり大きなものではないが、隣に位置するMCPCの助力を得て開設したという。ブース内では、ソニー製でBluetooth対応のスピーカー「Rolly」やシャープ製のウィルコム端末「WILLCOM 03」、Jabra製のBluetoothヘッドセットなどが展示されていた。
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Bluetooth SIGのブース
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WILLCOM 03
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ソニーの「Rolly」
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ヘッドセットやワイヤレスイヤホンも
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■ URL
Bluetooth SIG
http://japanese.bluetooth.com/
WIRELESS JAPAN 2008
http://www8.ric.co.jp/expo/wj/
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