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【WIRELESS JAPAN 2008】
シャープ松本氏、海外市場進出への意気込みを語る
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シャープ松本氏
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22日、「WIRELESS JAPAN 2008」の基調講演にシャープ代表取締役副社長で商品事業担当の松本 雅史氏が登壇し、「デジタルコンバージェンスを加速するシャープの移動体通信端末」と題して講演を行った。
講演前半では環境問題に触れて、省エネ製品および創エネ製品(太陽電池)への取り組みが紹介され、後半にはユビキタス端末の展望として同社製品を具体例に挙げながら、国内および海外進出への意欲などが語られた。
■ 新たなデバイスの登場、UIの進化に着目
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携帯機器市場は拡大の一途を辿る
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松本氏は、携帯機器市場について、2003年時点ではデジタルカメラや携帯電話などで構成され3億台という規模だったが、2008年時点では携帯ナビ端末など新たなデバイスが登場したこともあり、16億台規模に拡大したと指摘。2012年には新たな機器が加わることで、24億台規模に拡大するとの予測を示した。
同氏は「今後はユビキタス端末と呼べる機器の市場が拡大していく。2008年は真のユビキタスに向けた元年となる。液晶は情報の窓と言える存在。シャープでは、ユビキタス端末に向けて小型・中型ディスプレイを提供する」と述べるとともに、新世代のデバイスの具体例として、ソフトバンク向けの「インターネットマシン 922SH」と、ウィルコム向けの「WILLCOM D4」を紹介した。
また、現在注目する部分として「ユーザーインターフェイス(UI)を訴求するモデルが増えてきた。タッチパネルで直感的な操作を可能にしたり、エンターテイメント性を高めた演出を採用するUIなど、さまざまなものが出てきている。革新的なUIは今後も注目されるだろう」と述べ、NTTドコモ向け端末「SH906i」の操作感をテレビCMの動画で紹介した。
端末の特徴的な動向としては、「携帯電話と他の機器との連携」「携帯電話とヘルスケアの連携」という2点が挙げられた。他の機器との連携とは、携帯電話で撮影した写真をプリンタと連携させて、スムーズに印刷するなど、デジタル機器の垣根を超えた融合技術が今後重要になるとの見解が示された。ヘルスケアとの連携という点では、発表済みのNTTドコモ向け端末「SH706iw」を例にして、同社のオーブン「ヘルシオ」と連携させる機能や、体組成計との連携機能が紹介された。
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新しいUIに注目が集まると指摘
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「シャープは2008年以降、サプライズを与える商品を提案」というスライドが示されたが、多くは語られなかった
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■ 「日本のケータイ文化を世界に」
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4月~6月の出荷台数予測は急激に減少したと見られている
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松本氏は、海外市場への進出についても言及した。同氏は、「日本の携帯メーカーは、世界シェアで見ると5%程度しかない。機能面や利用方法では、日本は世界をリードしているが、この低シェアの状況を打開するために再活性化が必要だ」と述べる。
同氏が提示した国内の携帯出荷台数のデータによれば、今年の4~6月期の出荷数は前年比74%と「急激に減速している」(松本氏)という状況だ。松本氏は、出荷数が伸び悩む背景には割賦制の導入による買い換えサイクルの長期化や、割賦制導入に伴って端末価格が高額になったという印象が広まったこと、景況感そのものが減速局面に入り、消費マインドが冷え込んできたことなど、複数の要因があると指摘し、このままでは端末メーカーだけではなく、部材メーカーやコンテンツ分野、ソリューションなど、日本だけで28兆円規模とされる携帯周辺市場にも影響が及ぶとした。
海外進出は、これらの状況を打開するための施策とされ、具体例として中国市場への進出が紹介された。松本氏は、「既に台湾や香港に参入していたが、6月下旬から中国市場に対してAQUOSケータイの提供を開始した。北京や上海で発売されると、すぐに売り切れたということで、これを第1弾として、第2弾、第3弾を提供していく。中国市場は2億台規模とされ、そこに参入すれば300万台、500万台という単位で出荷される可能性がある、ということで注力している」と期待感を示した。
このほか同氏は、今後の展開に必要な施策として、ヘルスケア機器との連携に代表される異業種との融合、モバイルという概念を再定義することで身につけるもの全てをモバイル機器と見なして商品開発に繋げていく、といった考えを紹介した。
■ URL
シャープ
http://www.sharp.co.jp/
WIRELESS JAPAN 2008
http://www8.ric.co.jp/expo/wj/
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(関口 聖)
2008/07/22 18:03
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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