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【BREW 2008 CONFERENCE】
BREWも飲み込んだアドビの「Open Screen Project」ビジョン

アドビのGary Kovacs氏

ネットにつながるデバイス。その半分以上をケータイが占める
 「BREW 2008 CONFERENCE」の基調講演セッションの1つで、米アドビのAdobe Mobile and Device SolutionsのGeneral ManagerであるGary Kovacs氏がアドビの掲げるビジョンについてスピーチを行なった。

 まずKovacs氏は、アドビのミッションはあらゆるデザイナー・開発者にクリエーションツールとテクノロジーを提供することだと説明した。その変遷として、まず印刷のための「PostScript」に始まり、デジタルドキュメント向けの「PDF」、ウェブをテキストベースから一気にリッチにした「Flash」、さらにFlashやHTML、JavaScriptをあわせた「Adobe AIR」と進化してきたと紹介した。

 しかしその一方で、いまや世界はさまざまなデバイスがさまざまな方法でつながっていて、そうしたデバイスが増え続けているとも語る。「われわれは将来のアプリケーションが特定のデバイスの画面だけではなく、すべての画面で動くようにならないといけない、と確信した」とし、共通化されたランタイムプラットフォームをあらゆるデバイスに提供することを目指すにいたったという。

 こうした取り組みによって、「すでに5億のFlash内蔵デバイスが出荷された。われわれは2010年までに10億のFlash内蔵デバイスを出荷することを目標にしてきたが、1年早い2009年までに目標を達成できそうだ」と紹介し、Flash内蔵デバイスが急速に普及していることをアピールした。


2つの問題

ケータイ版Adobe Media Player
 ただ、その課程において「2つの問題にぶつかった」という。「1つはFlashを含むWebブラウジング機能を、パソコンとほかのデバイスで同等にしないといけないこと。もう1つはパソコンとほかのデバイスで同じ機能を持つランタイムアプリを提供しなければいけないこと。これらの問題に対応するため、アドビはクアルコムを含む16のパートナーとともに、Open Screen Projectを発足させた」と説明した。

 「Open Screen Project」には3つの目標があるという。1つめはすべてのデバイスで同じようにリッチなインターネットを利用できること。2つめは開発者とデザイナーがすべてのデバイスに向けてシームレスにコンテンツを作成できること。3つめは業界標準の技術や広く使われているツールを使うこと説明。Kovacs氏は、「多くの作業がパートナーとのあいだで進行中で、来年の早々には成果が見えてくると期待している」と、見通しを述べた。

 続いてKovacs氏は実際の例として「Adobe Media Player」のケータイ型デバイス向けバージョンを紹介した。

 ランタイム上で動くアプリながら、普通のネイティブアプリのようにメインメニューにアイコンがあり、ネイティブアプリのように起動するようになっている。Kovacs氏はさらに「このバージョンの素晴らしいところは、これと同じバイナリーがパソコンにもインストールできることにある」と語り、Windows上で同じAdobe Media Playerが動いている様子を披露した。Windows OSでもMac OS Xでもコード変更は必要なく、デバイスの解像度が大きければそれに応じて自動調整も行なえるという。


ケータイ版と同じAdobe Media PlayerがWindows上でも動作している パソコンの解像度向けに自動調節も行なわれる

 こうしたアプリの開発は、アドビの「Device Central CS3」で開発できるという。Device Centralには、アドビが同社製品を組み込んだデバイスのプロファイルデータベースが収録されていて、簡単にコンテンツの開発からテストまでを行なえるようになっている。


コンテンツと開発ツールをつなぐDevice Central アドビの技術を中核とするOpen Screen Project

 Kovacs氏は「これはまだ始まりに過ぎない。次のバージョンのCreative Suite(CS)の開発を進めながら、あなた方とより詳細を共有していきたい」と語った。

 Kovacs氏は「わたしたちはこのビジョンをクアルコムと共有し、そしてBREW Mobile Platformでクアルコムが進めてきた革新がわたしたちすべての可能性を加速させると確信している」と述べてスピーチを締めくくった。



URL
  アドビとの協業についてのリリース(英文)
  http://www.qualcomm.com/press/releases/2008/080528_BMP_Adobe.html
  Open Screen Projectのウェブサイト(英文)
  http://www.adobe.com/openscreenproject/

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(白根 雅彦)
2008/05/30 22:36

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