最新ニュースIndex
【 2009/06/26 】
■
携帯フィルタリング利用率は小学生で57.7%、総務省調査
[17:53]
■
ドコモ、スマートフォン「T-01A」を28日より販売再開
[16:47]
■
ソフトバンク、コミュニティサービス「S!タウン」を9月末で終了
[15:51]
■
ソフトバンク、ブランドキャラクターにSMAP
[15:34]
■
カシオ、携帯での閲覧にも対応した画像変換ソフト
[14:56]
■
テレビ朝日、iモードで動画配信「テレ朝動画」を開始
[13:54]
■
ファーウェイ、東京に「LTEラボ」開設
[13:22]
■
SoftBank SELECTION、iPhone 3GS向けケース3種発売
[13:04]
■
「G9」の文字入力に不具合、ソフト更新開始
[11:14]
■
アドプラス、iPhone 3G向けコンバージョンレンズ
[10:41]
【BREW 2008 CONFERENCE】
ワンセグとのマルチモード対応を実現したMediaFLOチップ
「BREW 2008 CONFERENCE」にあわせて行なわれたプレスツアーでは、クアルコムのMediaFLO Technologies部門のProduct Management Vice PresidentであるMichael Coad氏がMediaFLOの現状について説明した。
MediaFLOは、クアルコムが開発したモバイル機器向けデジタル放送技術。モバイル向けのデジタル放送技術というと、DVB-HやDMB、ISDB-T(ワンセグで利用されている方式)など多数の種類があり、Coad氏は「市場の数に対して技術方式が多いという面白い状況」と説明する。その中でもMediaFLOは、根本からモバイルに特化されていること(固定のテレビ技術をベースとしていない)、通信と組み合わせることで有料放送が行なえることなどの特徴があるとアピールする。
MediaFLOの最新のチップ「MBP1600」では、ISDB-Tも同時にサポートしている。端末メーカーからすると、MediaFLOとワンセグ(ISDB-T)の両対応端末を、より少ない部品点数、少ないコストで仕上げられるようになる。つまり、日本ではワンセグ端末とほとんど同じ部品点数でMediaFLOにも対応できるということになる。
また携帯電話事業者にしても、無料のワンセグ放送だけでなく、有料のMediaFLOも提供することで、新しいビジネスとすることができる。さらにMediaFLO事業者にとっても、普及している無料の放送技術と一緒に展開することで普及を促進し、ビジネス機会を増やすことにもつながるという。
世界各国で規格化されているモバイル向けテレビ方式
MBP1600とMBP1610チップについて
プレスツアーでは、クアルコムの実験用ハンドセット上でMediaFLOとISDB-Tの両方を受像するというデモンストレーションが行なわれた。まだソフトウェア部分の作り込みが完了しておらず、MediaFLOとISDB-Tの切り替えは別々のアプリを起動する必要があるが、両方の放送が同じチップで再生されているという。
クアルコムではマルチモードに対応するチップに加えソフトウェアも開発し、端末ベンダーにあわせて提供していく。チップについては、すでに試作段階は終わっており、MBP1600は実際に商用で出荷できる段階に達しているという。さらに、MediaFLOの周波数をアメリカでのサービスに特化させた「MBP1610」というチップも開発されている。
MediaFLOとISDB-Tのマルチモードのデモについて
実際のデモ端末。同仕様の端末で、上はMediaFLO、下はワンセグを表示させている
■
アメリカで開始されたMediaFLO
MediaFLOの機能(現在はClipcastingとDatacastingは行なわれていない)
MediaFLOは、すでに米国では去年3月からVerizonが、そして今年5月からはAT&T Wirelessがサービスを開始している。コンシューマーにとっては、携帯電話事業者と契約して番組を視聴する形式だが、実際には、MediaFLOの運営会社であるMediaFLO USAが番組の買い付けから放送波の送信までを行ない、それを携帯電話事業者にホールセールするという形式をとっている。携帯電話事業者(AT&TとVerizon)は、MediaFLO USAから購入した放送波の視聴権利を、それぞれ独自のブランド名で加入者に販売している。
現在のところ、MediaFLOは米国の人口カバー率が1億2,000万人に達しているという。チャンネル55(日本でいうアナログUHFの54チャンネル)の周波数帯を使っていて、もともとチャンネル55で放送をしていたテレビ事業者と入れ替わる形で、サービスが提供されている。このため、チャンネル55でアナログ放送が行なわれている地域では、MediaFLOのサービスが開始されていない状況だ。ただし、米国では来年にはアナログ放送が終了するため、そこからはMediaFLOが全国で展開できるようになるという。
MediaFLOのサービスエリア
MediaFLOの提供形式。MediaFLO事業者(MFSO)が中間に入る
世界でのMediaFLOの状況
現在のところ、AT&TのVerizon両方で視聴できる共通の8つのチャンネルが放送されており、さらにAT&TとVerizonのそれぞれが独自に2つのチャンネルを放送している。また、不定期に特別チャンネルも追加されていて、現在はAT&Tがライブコンサートの映像を放送する特別チャンネルを放送している。
現在は10チャンネル程度の放送だが、実際には6MHz幅で20チャンネル程度の放送が可能だという。イギリスで行なわれた試験では、8MHz幅の帯域で、25のチャンネルを放送できたという。DVB-Hでは同じ幅で13チャンネル程度だったという。
また、MediaFLO USAは現在利用しているチャンネル55の6MHz幅に加え、さらに6MHz幅の周波数を追加で購入している。これにより、これまでの倍の容量で放送できるようになる見込みだという。
■
URL
BREW 2008 CONFERENCE(英文)
http://brew.qualcomm.com/brew/brew_2008/
■
関連記事
・
MediaFLOやSnapDragonなどクアルコムの最新動向
(白根 雅彦)
2008/05/29 18:53
ケータイ Watchホームページ
ケータイWatch編集部
k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.