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【NHK技研公開 2008】
ワンセグ連結再送信や携帯連携のダウンロードサービスなど

 5月22日~25日にかけて、東京・世田谷のNHK放送技術研究所では、NHKが中心となって研究・開発を行なっているさまざまな内容を展示する「NHK技研公開 2008」が開催される。一般公開に先立ち、20日には報道陣向けに展示内容が公開された。同イベントでは「スーパーハイビジョン」システムを中心に、デジタル技術を利用したさまざまな技術が紹介されているが、本稿では携帯電話関連の技術を中心にレポートする。


ケーブル/共聴地域や地下街に対するワンセグ技術

ワンセグ連結再送信システム

システムの概要。ワンセグのみを6MHz幅で送信する
 ワンセグ関連の技術では、山間部や地下街などの、ケーブルテレビ/共聴地域といった、各家庭や各端末で電波を受信せずにテレビを視聴している地域を対象にした技術「ワンセグ連結再送信システム」が紹介されている。これは、地上デジタル放送のうち、ワンセグのみを取り出して連結し、6MHz幅に収めたもの。再送信装置により共聴エリアなどに向けて送信電力を抑えながら送信できるほか、地下街のワンセグ対応なども可能になる。受信端末側も同システムに対応する必要がある。再送信の仕組みを含めてまだ研究段階としており、実用化時期は未定。

 ワンセグを受信できるエリアが広がることにより、ワンセグの一部を利用する「緊急地震速報」「緊急警報放送」を受信できるようになるというメリットもある。また、緊急地震速報などでの自動起動のしくみも紹介されており、専用のユニットを介して、スタンバイ状態からワンセグアプリが起動される様子が確認できた。


ワンセグ連結対応の受信機 連結装置は昨年と比べて3分の1の大きさになった

緊急放送による自動起動 試験放送が流れると携帯電話のワンセグアプリが起動

BSデジタルのダウンロード型サービス

「高度BSデジタル放送」技術における高速ダウンロードサービス
 2011年以降に導入が可能になる「高度BSデジタル放送」技術のコーナーでは、「高速ダウンロードサービス」として、テレビコンテンツを自動的にダウンロードするサービスが紹介されている。放送のしくみを利用しながら、約70Mbpsの速度でコンテンツがダウンロードできるもので、配信スケジュールに沿って自動的にダウンロードされた番組を、帰宅後に自由に選んで視聴する、というスタイルが想定されている。携帯電話などテレビ以外の端末での視聴も検討されており、会場ではmicroSDなどで携帯電話にコンテンツをコピーして視聴するといった方法も一例として紹介されている。いずれも技術開発段階での紹介となっている。


放送局側で管理する配信スケジュールの画面 家庭のテレビから見た様子。60分の番組が6分程度でダウンロードできるという。携帯電話対応のデータにはアイコンが付いている

 このほか、コンテンツ制作に関連する技術では、モバイル端末での視聴に適したトリミングを行なうシステムが紹介されている。セキュリティ関連では、デジタル放送受信機器に導入されたCAS(B-CAS)のような仕組みを応用し、購入した番組の「視聴権利」を携帯電話などで持ち運べるようにする技術や、受信端末同士で安全にコンテンツを交換するサービスが展示されている。


ハイビジョン映像をモバイル端末向けに自動的にトリミングする技術 右がトリミングされたもの。サッカーの試合では、ボール付近に自動的に追随していた

視聴権利を持ち運べることで、ホテルなど外出先でも自宅と同じ有料コンテンツを視聴可能になる 携帯での視聴権利購入なども開発中

有機ELのフレキシブルディスプレイも

 ハードウェア関連では、曲げられるフィルム状の「フレキシブルディスプレイ」が2種類展示されている。ひとつは液晶ディスプレイで、もうひとつは有機ELディスプレイ。開発中のため鮮明な映像は見られなかったが、バックライトの不要な有機ELは300μmという薄さで映像を表示していた。携帯型の端末で、なおかつ大画面で映像を見たいといった場合を想定し、曲げて収納できるという点を特徴として開発が進められている。


フレキシブルディスプレイの概要 液晶を使ったフィルム状のディスプレイ。写真のものは5インチ

フィルム状にした有機ELディスプレイ 開発中のため動画は見づらかったが、5インチのフレキシブル有機ELは現在、世界最大クラスという

フレキシブル有機ELディスプレイはバックライトが不要なため、300μmと非常に薄く、軽量だ


URL
  NHK技研公開 2008
  http://www.nhk.or.jp/strl/open2008/


(太田 亮三)
2008/05/20 17:40

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