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【NGN+S2007 Autumn】
KDDIの安田氏、次世代ネットワーク構想への取り組みを語る
KDDIの安田氏
11月20日と21日、東京ステーションコンファレンスにおいて、リックテレコム主催による次世代ネットワーク関連のイベント「NGN+S2007 Autumn」が開催されている。2日目の基調講演では、KDDIの執行役員 コア技術統括本部長の安田 豊氏が「KDDIのFMBCに向けた取り組み~生活をもっと楽しく、安全・便利に~」と題して講演した。
安田氏はまず固定・移動をあわせた通信業界の動向として、モバイルWiMAXが今後登場することなどに触れ、「全体としてはブロードバンドに向かう」とし、さらに「P2Pトラフィックなどにより、ネットワークが圧迫されている。このトラフィックの増大もひとつのポイント」と指摘した。移動通信事業については、「MNP導入も大きかったが、定額制の広がりも大きい。あとは新規参入事業者もある。このあたりが今後のポイントになるだろう」と語った。
通信事業者の状況
固定・移動での通信方式の発展動向
今後の動向、技術的な背景など
このような状況を踏まえ、今後の業界展望については「2010年~2012年あたりで諸々の事情が変わってくる」と指摘する。その変化の例として、移動通信がモバイルWiMAXなどを含む「Beyond 3G」となること、アナログテレビの停止(2011年)や800MHz帯再編(2012年)などの周波数再編、通信と放送の融合サービスなどを挙げる。
さらに世界のトレンドとして、IPv4アドレスの枯渇問題やグーグルに代表されるWeb2.0型モデルの発展、通信トラフィック増大なども変化の一例として紹介する。通信事業者のビジネスについても、「総務省もモバイルビジネス研究会で議論するなど、いろいろ考えている。auもNTTドコモも販売奨励金を分離した料金体系を導入した。これがどのようにビジネス全体にインパクトを与えるか、今後の様子を見ないとわからないが、影響は必ずあるだろう」と予測した。
今後の動向、海外の動向
今後の動向、ビジネスモデルなど
コアネットワークのIP統合への流れ
こうした状況に対するKDDIの展開として、安田氏は「FMBC次世代ネットワーク構想」を掲げる。その概要について安田氏は、「モバイルと固定をIP統合するウルトラ3Gを目指し、着々と準備をしている。レガシーな回線交換網をIPネットワーク化していて、次にFMBCとして統合、連携できるところは取れるようにしていきたい」と説明した。
具体的なネットワークの形としては、「IPベースのコアネットワークがあり、そこに無線・有線などさまざまなアクセス方式が繋がる。全体としてオールIPネットワークを構築。新しい制御ノードを導入し、レガシーな交換機をなくす」と将来像を描いた。
フェムトセルについて
個人が導入できるような小型基地局を使ったネットワーク、いわゆる「フェムトセル」についても、「当然KDDIはいろいろな可能性を検討している」と言及する。安田氏は「フェムトセルは技術的には可能になってきているが、実際にどのように提供されるかは決まっていない。基地局の価格はどのくらいになるのか、コストの問題も解決しないといけない。また制度的にも課題がある。フェムトセルが個人専用になるのか、周辺の人も使えるのか、ここも議論になっている。個人専用にすると、外の電波と区別しないといけなくなり、干渉が増える可能性もある。慎重に検討しないといけない」と意見を述べた。
モバイルWiMAXで目指すオープンモデル
次世代ネットワーク構想の一角を担うものとして、KDDIのモバイルWiMAXへの取り組みも紹介され、「モバイルWiMAXで目指すものは『オープンモデル』で、今のauとは違うところにある。まずパソコンや家電などいろいろな機器がWiMAXに対応するという、端末面での拡大がある。オープンなモデルとしてMVNOという形でサービスを他社に提供しやすいネットワークにする」と、WiMAX事業の方針を示した。
さらにモバイルWiMAXの将来のビジョンとして映像伝送系のアプリケーション、シンクライアントサービス、固定アクセス系サービスの代用などを挙げた。
将来ビジョン
想定するシンクライアントサービス
移動・固定統合に向けたポータルサイトの統一
安田氏は次世代ネットワークに向けたKDDIの具体的な取り組みについても紹介する。
まずauの秋冬ラインナップを紹介し「有機ELを4機種導入した。すべてワンセグや動画配信など映像を意識してラインナップを作っている」と述べ、固定と移動を統合したポータル「au one」など、サービス面でも次世代ネットワークに向けて進化しているとした。
技術開発面では、IPv6への対応について「IPv4アドレス枯渇問題があるので、新しいシステムはIPv6対応でやっていきたい。常にネットワークと繋がる仕組みが実現できるのが理想、として技術検討している」と語った。
3Gシステムの進化
IPv6による常時接続
ワンセグ端末の成長
通信と放送の融合については、ワンセグケータイの出荷台数推移を紹介し、「8月末に1,324万台に達した。こんなに早く普及するとは、私たちも思っていなかった。この普及がトリガーとなり、通信と放送の融合が進むだろう」と持論を述べた。
通信放送融合に対するKDDIの取り組みとしては、初期から技術開発を行なってきたことを紹介しつつ、今後の技術として、ローカルなエリアで微弱電波を使った放送、そうしたローカルな放送のための電子署名を研究開発していることを明らかにした。
MediaFLOについては、「免許の問題もあるが、モバイル向けに特化した放送をやりたいと準備している。来年からトライアルが始まると考えている」と期待する姿勢を見せた。
ワンセグのエリア放送について
MediaFLOの事業イメージ
Web2.0によるユーザーの変化
安田氏は、Web2.0のひとつであるCGM(消費者製作のコンテンツ)に対するKDDIの取り組みとして、動画投稿サービスに投稿された動画がプロ撮影のものかどうかを自動的に判別するシステムを研究していることなどにも触れた。
一方、こうしたWeb2.0での問題として、ISPのトラフィック推移を紹介しつつ、「ユーザー側からISPへの通信の6割がP2P。ISP側からユーザーへの通信では7~8割がP2PとYouTubeなどの動画コンテンツ」と語り、ネットワークトラフィックの問題を指摘する。さらに日米間でのトラフィックも増えていて「ケーブルも新しいものをひかないといけない」としつつも、「P2P技術をうまく使ってミニマムルーティングを行ない、ネットワークを圧迫しないようにする仕組みも必要」と解説した。
最後に安田氏はケータイを使った個人認証システム構想を例に挙げつつ、「ケータイを核として生活を便利にしていくことを目指したい。それを支える基盤がウルトラ3G」として講演を締めくくった。
研究開発している動画コンテンツの判別技術
P2Pや動画配信で増加するトラフィック
ケータイを使った個人認証のアイディア
まとめ
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URL
KDDI
http://www.kddi.com/
(白根 雅彦)
2007/11/21 21:01
ケータイ Watchホームページ
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