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【WIRELESS JAPAN 2007】
KDDI高橋氏、FMC戦略で「非通信領域の消費も創出していく」
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KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ事業統轄本部長の高橋 誠氏
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コンテンツ別の流通額の推移
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ワイヤレス コンファレンス2007の基調講演では、モバイルコンテンツ関連のプログラムにKDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ事業統轄本部長の高橋 誠氏が登壇し、“KDDIのモバイルブロードバンド/FMCプラットフォーム戦略”と題した講演を行なった。高橋氏は現在提供しているauのサービスを中心に解説したほか、動画サービスやワンセグ、MediaFLO、固定通信サービスとの連携について、同社の今後の動向を示した。
高橋氏はまずauの概況を説明し、目標であり、目前に迫っているシェア30%、3,000万契約を今年度中に目指すとした。パケット定額制の普及でコンテンツ利用額も伸びているとし、中でも電子書籍の伸びが高いとする一方、データARPUの伸びに言及しながら「どの段階でサチュレーション(飽和)を迎えるのか、ケアしながら見ている」と、利用額の推移を緊張感を持って見守っている姿勢明らかにした。
■ 音楽サービス「他社の追随を許さない」
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さらなるサービス追加も予告されたLISMO
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音楽配信サービスについては、「音楽といえばauと言われ、これは我々にとって大きな強み。他社も次の手を打ってくるだろうが、我々は来年、再来年と次の手を考えており、他社の追随を許さない」と自信を見せた。
一方で、具体的なサービスのLISMOについては「キャラクターのイメージが先行し、LISMOで何ができるのか、という部分が伝わっていないところは反省している」と述べ、サービス内容の訴求が不足している点を課題に挙げた。現在、わかりやすくLISMOの使い方を解説するプロモーションを行なっているとしたほか、歌詞や鼻歌による検索など、充実した検索機能を「他社にはないサービスではないか」と語った。
動画を配信するビデオクリップについては、「これから考えなければいけないのは、トラフィックをいかに外に逃がしていくか、ということ」と述べて、動画配信サービスの拡大にネットワークインフラ面で一定の懸念があることを窺わせた。その上で同氏は、「トラフィックをどう外に逃がし、生活シーンに密着していくか、そのひとつがLISMO」とするとともに、「携帯を核として、いろんな媒体と連携していくことが重要で、パソコンと連携するのがLISMO。これまでは携帯の中でどう表現していくか、というもの。今後の我々の発想は、携帯を中心に、屋外、自室、車の中でも携帯を核に連携していくもの」と語り、LISMOなどのサービスを中心に幅広い分野と連携していく方向性を明らかにした。
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Googleの状況
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同氏はまた、Google検索の導入による公式サイトへ流入増やGREEなどSNSの動向を紹介。「ユーザーのコンテンツの利用が大きく変わってきている。ダウンロードコンテンツ、着メロ、着うた、ビデオクリップまではきっちりできた。その先のもう一歩は、事業になるかどうかが課題で、携帯向け動画は大きな課題になっている」と述べた。
これに関連してトラフィックの傾向にも言及した同氏は、「SNSなど、ちょっとした内容をたくさん、といったコンテンツにたくさんユーザーが流れ込んでいる。こういうインフラをどう作っていくかが課題」と指摘。「ダウンロードコンテンツでは、勝手サイトのエッチなコンテンツは、数%のユーザーがトラフィックをもっていってしまう。SNSもたくさんのユーザーが使い、トラフィック的には厳しい」と語り、「平べったい言葉で言うと、2.0の世界、動画やSNSといったものが人気になっていると感じている」として、人気コンテンツの変化でトラフィック面での課題が浮上している状況を滲ませた。
■ 非通信領域の消費も創出
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MediaFLOについて
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FMBCのサービスイメージ
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ワンセグとの連携では、「ワンセグと携帯をどう組み合わせるとビジネスになるのか検討してきたが、狭い領域のビジネスモデルになってしまう。もう少し、広い領域で考える必要がある」と述べ、引き続きビジネスモデルを模索している段階とした。一方、テレビCMなどで顕著とする検索エンジンへの誘導では、テレビの前で携帯を使って検索されることが多いとし、今後は携帯サイトによるプロモーション活動が一層拡大するとの見方を示した。
MediaFLOについては、「よくMediaFLOにしてワンセグをやめるのか、と聞かれるが、それはあり得ない。通信会社は技術を競ってきたが、放送事業者と一対一の関係になることはあり得ない。放送免許でMediaFLOが提供されるなら、それは現在の放送のようにどの会社の端末でも受信できるようなものになるのではないか。テレビに有料放送チャンネルが増えるようなものだろう」との考えを示し、ワンセグとMediaFLOのどちらにも取り組んでいく姿勢を強調した。
FMBCについては、LISMOなど一部のサービスが具現化している例としながら、ブロードバンドサービスや店頭との連携などを実現していくとした。具体的には、ウルトラ3G構想で示されているコアネットワークのIP化やそれにともなう固定通信系サービスとの連携が挙げられ、「これからの携帯は、携帯だけでは語れない。肌身離さず持っているもので、ブロードバンドと連携して意識せずに広がっていく」とした。
同氏は最後に、「ユーザーに、端末を長く使ってもらう時代になる」とし、「固定通信系サービスと連携し、携帯を中心に非通信領域の消費も、パートナーと作り出していく。これを、新しく創出する消費としていく」と語り、現在の端末販売サイクルや携帯のみのビジネスモデルを超えた、新たな展開に取り組んでいく姿勢を明らかにした。
■ URL
KDDI
http://www.kddi.com/
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(太田 亮三)
2007/07/19 17:23
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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