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【WIRELESS JAPAN 2007】
ドコモ山口氏、iモードは「F1層が市場を引っ張っている」

NTTドコモ コンテンツ&カスタマ部 コンテンツ担当部長の山口 善輝氏
 ワイヤレス コンファレンス2007の基調講演では、モバイルコンテンツ関連のプログラムにNTTドコモ コンテンツ&カスタマ部 コンテンツ担当部長の山口 善輝氏が登場し、“プラットホームの進化によるiモードコンテンツの進化の可能性”というテーマで講演を行なった。具体的な数値が控えられたスライドが多かったものの、iモードの各種コンテンツについて概況やユーザー動向が示され、流行コンテンツの市場を牽引するF1層(20~34歳の女性層)の存在を紹介した。

 山口氏はまず、ドコモ全体の戦略である「生活インフラ化」を目指す戦略を紹介し、「生活密着型コンテンツの次にはカスタマイズ化の方向性も考えていく」と次の戦略の一端にも触れた。現在積極的にプロモーションを行なっている「DoCoMo 2.0」は、「904iだけでなく、続けていくもの」とし、「2in1」やライト層を狙った「直感ゲーム」などで「一歩先」を押し出していくものだという。

 iメニューで提供している検索サービスについては、検索数が従来から1.5倍程度に増えているグラフを示し、今後は「カスタマイズメニューも出していきたい」とインターフェイスについても変更を加えていく考えを明らかにした。


iモードの情報料収入は増加している

ゲームのジャンル別登録数
 同氏が担当するiモードについては、コンテンツを使う上での“ストレス”であるスピードや料金といった面が、通信の高速化、定額制の利用拡大で解消されてきているとする。「スピードが速くなり、定額制になれば、コンテンツを使い始める」と動向を分析する同氏は、それを示すデータとして、iモードの契約数の伸びが頭打ちになりつつある中で、movaよりFOMA、FOMAよりパケ・ホーダイユーザーがより有料コンテンツを利用している実態を紹介し、iモードの情報料収入が依然として増加傾向にあるグラフを紹介した。

 具体的なコンテンツでは、iモードの中でもトップクラスの市場規模になっているゲームから紹介された。最近の方向性として、メガゲーム、ミニゲーム、直感ゲームの3つがポイントになっているとし、人気ゲームジャンルでは手軽なミニゲームが圧倒的に多く、パチスロアプリ系、ミニゲーム系、有名タイトル系に3極化しているグラフを示した。また、ヘビーユーザー向けのRPG系やアーケード連動型は順調に伸びているものの、「脳トレ系のミニゲームは少し苦戦している」といったジャンル別の動向にも触れられた。

 音楽系では、着メロ、着うた、着うたフルの月額市場規模が合計約67億円とiモードで最も大きなジャンルであるとし、減少傾向にある着メロに代わって着うたフルの拡大が全体の伸びに貢献しているグラフが紹介された。また、HSDPA端末向けの「ミュージックチャネル」についても、「単位は少ないが、伸びてきている」と語った。

 呼び出し音を変える「メロディコール」は、「設定したまま忘れているユーザーも多いようで(笑)、継続利用率が非常に高い」と紹介。継続利用中、自動的に楽曲が更新される自動更新機能を提供し、さらに継続利用率が上昇しているとした。


音楽系は着うたフルが伸びている

電子書籍はF1層が中心
 動画については、「携帯でも動画がみられるようになっている。これからの分野」と述べ、「対応機種も広がり、動画サイトも拡大している」と今後発展していく分野であるとした。現在の公式コンテンツの利用動向については、「M1層(20~34歳の男性)が中心で、グラビア系がメイン」としたほか、「一般サイト系では、エッチなものが中心。その是非はともかく、きっかけさえ出せれば、携帯で動画が見られる市場できるんだ、という前向きな捉え方をしたい」と述べた。携帯で動画を視聴した後にDVDなどを購入できる「Watch Buy」の仕組みについても、「携帯で動画をみられるんだとう意識付けになる」とした。

 デコメールは、最新の情報では少し伸びが鈍化しているとしたものの、「もう少しテコ入れする予定」と新たな施策の実施に言及した。同氏は「デコメール」「きせかえツール」「電子書籍」「ショッピング」の4つはいずれもF1層に支えられているとし、「デコメールは月間2億通、きせかえツールもF1層が圧倒的で、デコメよりもいい勢いで伸びている」と紹介。きせかえツールはデコメに続く大きなジャンルになる可能性を示唆した。

 同じくF1層が中心に利用しているという電子書籍は、「小説とコミックがあり、コミックが中心。ジャンプなど少年誌系はすこし層が違うが、キーワードは“BL・TL”、つまりボーイズ・ラブ、ティーンズ・ラブといったもの」とその内容を紹介した。「お店で買うと恥ずかしいようなものをこっそりと見ているのではないか。ユーザー単価も高く、中毒性が高い」と分析する同氏は、「女性以外でも、例えば40~50代の男性がポケモンを読んでもいい。今さら読めないものを扱うのも面白いのかもしれない」と携帯電話ならではの利用のされ方にも言及した。


 同氏はこのほか、映像系として日本テレビとの連携、映画で角川書店との提携を紹介、携帯電話との連携に力をいれていくことを示し、「携帯を含めたマルチメディア展開がキーワードになってくるだろう」と語った。

 同氏は最後に、「携帯電話が生活シーンに浸透していく中で、コンテンツは重要と認識している。今流行っているもの、伸び盛りのコンテンツは、これまでiモードに対するリテラシーが低かったF1層が引っ張っている。キーワードはF1層になってくる」と述べて、講演を終えた。



URL
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/

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(太田 亮三)
2007/07/19 15:21

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