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【BREW 2007 CONFERENCE】
クアルコムCEOが語る、KDDIの取り組みとBREW 4.0の関係
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CEOのJacobs氏
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21日に開催された基調講演では、米クアルコムCEOのPaul Jacobs氏が同社が手掛ける各分野の最新状況を紹介した。今回のBREW CONFERENCEでは、例年と異なり、KDDIからの基調講演は予定されていないが、それを受けてか、同氏はBREW最新版の紹介とともにKDDIの事例をアピールする場面もあった。
■ 携帯の進化は続く
Jacobs氏は、「2Gから3Gに進化して、携帯電話の世界はリッチになった。現在では映像や音楽、ゲームが楽しめる。携帯電話は進化し続けており、サービスと機能の融合が進んでいる。電話であり、ゲーム機であり、ナビゲーション端末であり、カメラでもある。この端末でシームレスな体験ができる」とこれまでの携帯電話の進化、そしてこれからもその進化が続くことに触れ、クアルコムが今後も携帯の進化に取り組む姿勢を示した。
携帯電話の発展を示す、具体的なサービス事例として、Verizon Wirelessのコンテンツ配信サービス「V CAST」や、Sprint NextelでのuiOne活用サービス「MI-UI」を紹介した。また、MediaFLOについては、世界各国で導入に向けた活動が進められているとし、日本ではメディアフロージャパン企画、モバイルメディア企画という2社が活動しているほか、欧州でもテクニカルトライアルが2カ所で開始され、台湾や香港でもトライアルが行なわれることが紹介された。
■ BREW 4シリーズとKDDIの関係
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KDDIの業績に「拍手を」と呼びかけたJacobs氏
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21日付けで発表された「BREW Client 4シリーズ」に関連し、Jacobs氏は「KDDIは長くBREWをサポートしてきてくれた。その協力関係の結果をお見せしたい。昨年のBREW CONFERENCEで、KDDIはBREWを端末プラットフォームに活用すると発表した。彼らはBREW 4シリーズの技術を使って、高機能な日本市場で端末開発コストを抑えるべく、端末プラットフォームの開発に取り組んできたが、その結果がKDDI Common Platform、KCPだ。統合プラットフォームであるBREW Client 4.0とMSM7500は、KCPの影響を受けている。機器の違いを超える技術であり、KDDI向け端末メーカーは開発コストを低減し、端末投入時期を短縮できる」と説明し、KDDIとの関係性をアピールした。
さらに同氏は「2003年にスタートしたKDDIでのBREWサービスは、アプリ数が3,000以上に達し、今年4月には1億6,000万回というダウンロード数を達成した。皆で拍手を送ろう」と述べ、聴衆とともに大きく拍手した。
■ ヘルスケア分野に注力
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ヘルスケア分野に注力していく姿勢をアピール
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会場内の特設ステージで、Goo Goo Dollsが演奏
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携帯電話を活用する分野として、モバイルコマースでは日本のおサイフケータイなどが紹介され、続いてヘルスケア分野について「これまでにない取り組み」として、同分野で展開する事業体「LifeCOMM」の説明を行なった。
Jacobs氏は「携帯はポケットの中にある医者になる。LifeCOMMは2008年中にも緊急時のアシスタント機能、子供や老人を対象にしたトラッキング活動などの提供を開始する。これはBREWの技術を用いたサービスになる。無線通信機器を用いて提供することになるが、今後はバイオメトリクス技術などの活用も行ないたい」とした。
半導体ビジネスについて同氏は「MSM7000シリーズで、携帯向けチップの能力はノートパソコンレベルに迫ってきている。ハイエンドだけではなく、エントリー向け市場にも注力する。エントリーレベルのユーザーもまたインターネットアクセスを必要とする。ただし、それはWebブラウジングだけではなく、アプリケーションの活用ということだ」と語った。
チップセットの展開と関連し、CDMA2000およびW-CDMAの進捗についても説明が行なわれた。Jacobs氏によれば、世界でEV-DOの商用サービスは74に上り、ユーザーは6,500万人に達している。また、W-CDMAについては、GSMユーザーの移行が進んでおり、商用サービスは世界で151、ユーザー数は1億1,800万人に達している。BREWを採用するW-CDMA事業者として、英国のO2やイタリアのTIMの事例、21日に発表された、ハチソン3GがBREWを導入する計画がさらりと紹介された。なお、本基調講演の後に、ハチソン3Gで製品・端末部門ディレクターのFrank Meehan氏のスピーチが行なわれたが、Meehan氏からは、BREW導入計画の説明はなかった。
今後のチップセット展開で注力する分野として、シングルチップセットのQSC6000シリーズも紹介された。
基調講演の中では、今年2月に発表された「Wireless Reach(BREWアプリケーション開発支援プログラム)」の授賞式が行なわれた。最優秀賞は、インドのTata Consultancy Servicesに贈られている。Tata社では、インド国内の農業分野に対して、BREWを活用した気象情報や相場情報の配信を行なっている。Jacob氏は「農業に携わる人たちにとって便利なサービス。インドでの農業のあり方を変える要因の1つになった」と、Tata社を讃えた。
このほか、BREW CONFERENCEにあわせ毎年、近隣の公園などで開催される「BREW FESTA」は、今回、サンディエゴに停泊している退役空母の「ミッドウェイ」上で行なわれた。多くの来場者が詰めかけ、デッキ上の特設ステージでは、Goo Goo Dollsが演奏を披露していた。
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Tata社のアプリが開発支援プログラムの最優秀賞に
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パーティが開催された「ミッドウェイ」
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退役したとはいえ、空母とあって、過去の米空軍機が並ぶ
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そこにヘリコプターが着陸。乗っていたのは、同社副社長のPeggy Johnson氏ら
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■ URL
BREW 2007 CONFERENCE
http://brew.qualcomm.com/brew/brew_2007/
(関口 聖)
2007/06/22 16:59
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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