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講演では、GSM端末「Nokia 8800 Sirocco Edition」について語られた。Nokia 8800 Sirocco Editionは、ステンレスボディを採用するスライド型の端末。ベースとなるNokia 8800は2005年4月に発表され、そのバリエーションモデルとなるSirocco Editionは2006年に発売された。機能面では2Gで目立った特徴もないが、高級感をセールスポイントとしていて、価格は10万円以上する。アジアなどの一部市場では、高級なケータイを持つこと自体がステータスとなっていて、Nokia 8800シリーズはそういったニーズに対応するモデルという位置づけだ。 Grant氏はまず、ラグジュアリー感（豪華さ）をどうケータイに取り入れるか、ということについて説明する。「たとえば皮を採用すればプレミア感も出るし、使っているうちに味も出る。わたしたちの得意とするところだ。また、インスピレーションを大自然から受けることも重要。8800は大自然からインスピレーションを受けた。山の壮大さやオーロラの美しさなど、それらを取り入れてい」と語った。 また、インスピレーションを受けた2人のアーティスト、自然をモチーフとした芸術写真を撮るAndy Goldsworthy氏と映像アート作家のBill Viola氏を紹介し、それらの作品からインスピレーションを得て、デザイン開発を始めたことを明らかにした。 続いて素材選びをし、さまざまなテストデザインを描いて3D化し、デザインを作り込んでいく。最後にコンピュータ上で製図を行なって、ケータイとしてのメカニズムを組み込んでいく。Grant氏はデザイン開発について「美しいものを作り上げることが目的。電話の機能だけでなく、置いているだけの飾りとしてでも欲しくなるような、そんな完璧なものを求めている」と語った。
さらに8800のデザイン上のポイントも紹介していく。8800がターゲットとする高級市場では、ステンレスやガラス、ハンドメイドの皮といった素材が重宝される。デザインは見た目だけではなく、手に持った感触や重さ、ステンレスの手触りなど、すぐに本物と感じられるものにしているという。 さらに着信メロディやスライド開閉時の音にもこだわっていると語る。ベースとなったNokia 8800には坂本龍一氏作曲の着信メロディが採用されているが、Sirocco EditionにはBrian Eno氏作曲の着信メロディが入っている。また8800シリーズは、スライド開閉時にオイルライターを閉めたときのような、金属同士がはまりあう独特の音と感触がある。 Grant氏はさらにインターフェイス部分にも触れ、「本物をテーマにするならば、すみからすみまで本物で提供することだ。全体的なエクスペリエンスが考えられていないといけない。すべての瞬間に美しいことがテーマだ」と講演を締めくくった。
■ ＵＲＬ ノキア（英文） http://www.nokia.com/ （白根 雅彦） 2007/06/20 15:09 | ||||||||||||||
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