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【Display 2007】
XGA液晶や薄型液晶など、携帯向け新型ディスプレイ
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4月11日~13日、東京ビッグサイトでディスプレイ関連の展示会「Display 2007(国際フラットパネルディスプレイ展)」が開催された。家庭用の据置テレビやカーナビゲーション用ディスプレイなどとともに、携帯電話への搭載を見込んだディスプレイも数多く出展されていた。
■ 東芝松下ディスプレイテクノロジー
東芝松下ディスプレイテクノロジーのブースでは、3月26日に発表されたインプット機能付きディスプレイの新バージョンが紹介されていた。これは、画面をタッチして入力を受け付ける際に、明るい屋外では指の影を、あるいは暗い室内ではバックライトで指を照らして、その明るい部分を検知するというもの。RGB1カ所につき光センサーを1つ配し、指の動きをチェックする。そのため開口率は下がるが、通常のタッチパネルディスプレイと比べ、薄型化が見込める。今回の技術は、周囲の明るさによって発生する制限を低減させることを目指したものだという。
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明るい場所では指の影を検知
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暗い場所では、バックライトに照らされた指を検知
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薄さ0.99mmのディスプレイ
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携帯電話向けディスプレイを紹介するコーナーでは、薄さ0.99mmという製品が展示されていた。サイズは、2.4型・2.6型・2.8型の3種類でいずれも解像度はワイドQVGAとなっていた。担当者は「現行の携帯電話に搭載されている液晶の薄さは1.5~1.7mm程度ではないか」と語っており、今回の製品が採用されれば、さらに薄い携帯電話が実現できる可能性が高まる。
このほか、同社ブースでは、1000:1というコントラストを実現した2.5型QVGA+液晶ディスプレイや、ディスプレイ部に集積回路を組み込んだ「SOG(システムオングラス)液晶」、東芝製の携帯電話「911T」「W52」に搭載されている3インチワイドVGA液晶が紹介されていた。
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2.8型タイプ
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SOG液晶の製品群
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左が1000:1というコントラスト比の液晶、右は通常タイプ
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3インチワイドVGA液晶
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■ 日立ディスプレイズ
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低消費電力液晶のデモ
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日立ディスプレイズのブースで、携帯電話向け製品の一角を占めていたのは「低消費電力(BLC)技術」のコーナー。これは、写真の画質を調整してバックライトの輝度をコントロールし、低消費電力化を実現するというもの。画質のガンマ値を調整して明るくする一方、バックライトの輝度は低下させるというイメージで、2つのディスプレイを並べて消費電力を計測するというデモ展示が行なわれていた。同技術をオフにしたディスプレイでは、バックライトの電流は約20mAだったが、オンにしている方では10mA前後となっていた。
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映り込み防止液晶のデモ
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また「外光映り込み防止技術」のコーナーも多くの人を集めていた。従来の液晶は、下部から上部にかけてバックライト・液晶・空気層・保護板という部品で構成される。今回展示されていたパネルは、液晶本体と保護板を接着して一体化したもの。映り込み(界面反射)は、保護板と液晶本体に光が反射することで発生するが、空気層をなくすことで、まずバックライトの光が保護板に反射されることが少なくなるほか、外からの光の反射も少なくなるという。
このほか、2.9型のワイドVGA(400×800ドット)という携帯電話向けモバイルIPS液晶も出展されている。ほぼ同様のスペックを持つ製品は昨年12月から量産されているが、今回の展示品は、330カンデラという輝度で、量産品のスペックを若干上回っている。また薄型ディスプレイとして、薄さ1.29mm、2.2インチのQVGA、モバイルIPS液晶も展示されていた。
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2.9型のワイドVGA液晶
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薄さ1.29mmのディスプレイ
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横から見たところ
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■ エプソン、XGA液晶などを出品
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XGA液晶
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エプソンイメージングデバイスのブースに出展されていた携帯電話向け製品は、2.6型、XGA(1,024×768ドット)という低温ポリシリコン(Low Temperature Poly-Silicon、LTPS)TFT液晶だ。精細度は492ppi、26万2,144色表示が可能で、視野角は上下左右ともに180度。昨年10月に発表されたもので、今回は風景写真などを表示しながら、その精細さをアピールしていた。実際に見てみると、ジャギーなどは視認できないほどの滑らかさで、植物の写真では、その場に本物があるかのようなみずみずしさが感じられるほどのクオリティだった。
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XGA液晶のスペック
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精細度は492ppi
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3D表示で「3Dテレビ電話」のデモ
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また同ブースでは、3D表示のディスプレイによるテレビ電話風デモを披露していた。ディスプレイを2つ設置し、ディスプレイ側に設置されたカメラ2つで正面の映像を捉えると、互いにその映像を映し出す。カメラが左右の目のような働きをしており、2方向から捉えた映像を伝送して、表示する際にチップ側で合成するという仕組み。ディスプレイそのものも3D表示に適した構造を採用しているとのことだが、液晶パネルと半導体を組み合わせたソリューションの一例として、アピールされていた。
■ URL
Display 2007
http://www.displayexpo.jp/
東芝松下ディスプレイテクノロジー
http://www.tmdisplay.com/
日立ディスプレイズ
http://www.hitachi-displays.com/
エプソンイメージングデバイス
http://www.epson-imaging.com/
(関口 聖)
2007/04/13 15:20
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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