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【CTIA WIRELESS 2007】
クアルコム、MediaFLOや次世代通信技術をアピール
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クアルコムのブースでは、同社が開発・提供する各種プラットフォームが展示されているが、その中でも今回は、商用サービスがついにスタートしたMediaFLOと、次世代通信技術が目玉という。
MediaFLOは、携帯電話向けの放送プラットフォーム。米国では700MHz帯の6MHz幅を、クアルコムがオークションで購入している。3月1日からは、Verizon Wirelessが「V-CAST Mobile TV」というサービス名称で提供を開始しているが、現時点ではまだ全米各地で視聴できるわけではなく、クアルコムの本拠地であるサンディエゴではサービスが開始されていない。ただし、「CTIA WIRELESS 2007」が開催されているオーランドではサービスがスタートしており、今回の展示は商用環境で行なわれている。
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MediaFLO対応機種
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そのため、MediaFLOを体験できる端末として、LG製のVX9400とサムスン製のSCH-u620という実機2種類が用意されていた。また、デモ用の試験機として、MediaFLO受信専用のコンパクトなコンセプトモデルと、W-CDMA方式対応のAMOI製端末が操作できる状態で展示されていた。このうち、AMOI製端末については、W-CDMA方式でサービス展開するCingularがMediaFLOの導入を明らかにしていることから、Cingular向け端末、あるいはそのベースになると見られる。
これまでのMediaFLOの展示は、いずれも商用サービスが開始される前の段階であったが、今回のCTIA WIRELESS 2007は、MediaFLOの商用サービス開始後に米国で行なわれた最も大規模な通信関連の展示会で、なおかつ会場周辺でサービスが開始されていることから、来場者にそのクオリティをアピールできる絶好の機会となっている。
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LG製のVX9400
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サムスン製のSCH-u620
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受信専用のコンセプトモデル
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AMOI製の試作機
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Rev.Bのデモ
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次世代通信技術のデモでは、まずCDMA2000 1xEV-DO Rev.Bに関連する展示において、映像ダウンロードで通信速度をアピールしていた。27日に明らかにされたRev.Bのロードマップでは、対応チップセット「MSM7850」の開発が発表されているが、今回のデモもMSM7850で行なわれたもの。下位互換性を持ったMSM7850は、Rev.Aの電波を3キャリア分キャッチして、下り最大9.3Mbpsを実現している。電波環境が悪ければ、1キャリア、あるいは2キャリアをキャッチすることになるが、この場合はRev.Bではなく、Rev.Aとして動作していると言え、担当者はRev.AとRev.Bがいかに融合しているか、示すもの、と語っていた。なお、今回のデモでの通信速度は、下り7.89Mbpsとなっていた。
auでは、記事テロップや天気アイコンで情報を配信するサービス「EZニュースフラッシュ」を提供しているが、同サービスで用いられている技術はBCMCSと呼ばれる。このBCMCSの次バージョンで、Platinum BCMCSという名称の技術も展示されていた。担当者によれば、現行のBCMCSの通信速度は約400kbpsだが、Platinum版では約1.5Mbpsになる。Platinum版は、MSM6800でも利用できるが、これまでに出荷されたMSM6800は130ナノプロセスで生産されており、Platinum版は65ナノプロセスで生産されたMSM6800でサポートされているという。
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Platinum BCMCSのデモ
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VoIPのデモも行なわれていた
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また、下位互換性を持たないCDMA2000 1x Rev.C LBC、すなわちUltra Mobile Broadband(UMB)のデモも披露された。Rev.Bの次の世代に位置付けられるUMBだが、今回は5MHz幅、TDD方式で下り最大40MBps、上り最大10MBpsという通信速度で、FTP、HTTP通信など4種類の通信を同時に行なう様子が披露された。担当者が金属板で基地局にあたるアンテナを遮ると、一時的に通信速度が低下するが、QoSによって帯域の大部分を専有するFTPの通信速度が抑制され、全体としてはコネクションが途切れることなく、安定して通信できている様子が示された。下位互換性はないため、仮にCDMA2000方式を採用する事業者が導入する場合も、ゼロからインフラを構築することになるが、同社では「Rev.Bなど下位の通信方式と、UMBという組み合わせのデュアルモードチップが登場すれば問題の解決に近づく」と説明している。
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UMBのデモでは4種類の通信を同時に実施
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アンテナを遮った瞬間、通信の模様を示すグラフが大きく凹んだ
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HSPA+のデモ
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W-CDMA方式の進化版であるHSPA+のデモでは、VoIPの同時接続数を示して、その能力が紹介されていた。それによれば、初期のW-CDMAのバージョンであるRelease.99では、同時に68通話接続できるのに対し、HSPA+では206通話の接続に成功。HSPA+は、W-CDMA方式で下り速度をアップさせるHSDPA、上り速度をアップするHSUPAに続く規格で、下位互換性を保ちながら、下り14~42Mbps、上り11Mbpsが実現できるという。
このほか、デュアルCPUを搭載したベースバンドチップ「MSM7500」の能力を示す展示として、試験機で「ダンスダンスレボリューション」をプレイするというデモが行なわれた。といっても、これは試験機で遊ぶものではなく、試験機の映像をディスプレイに出力し、ゲーム操作に足で使うパッドを用いるというもの。アミューズメント施設などと同じ環境でプレイする形だが、これは、MSM7500にベースバンドチップとしてARM9ベースのコアを、アプリケーションチップとしてARM11ベースのコアを搭載し、映像処理やUSBでの操作入力、サウンド出力が可能となっていることを示しているという。
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W-CDMAのロードマップ
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VoIPの通話接続数で性能比較
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携帯電話用のチップセットでダンスダンスレボリューション
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映像やサウンドなど全てチップセットで処理できている
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■ URL
クアルコム(英文)
http://www.qualcomm.com/
■ 関連記事
・ 米国最大級の通信関連イベント、オーランドで開幕
(関口 聖)
2007/03/29 14:30
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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