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石井英男の「2001 International CES」レポート
メモリースティック編:Bluetoothモジュール「Infostick」登場!
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International CES(Consumer Electronics Show)は、その名の通り、消費者向けの電化製品全般を対象とした展示会である。パソコンやPDA、ケータイ関係から、車用電化製品(カーオーディオやカーナビシステムなど)やホームシアター関連にいたるまで、幅広い分野の製品が展示されている。2001 International CESは、COMDEX/Fall会場としてもお馴染みの「Las Vegas Convention Center」と「Las Vegas Hilton」に加えて、「Alexis Park」と「Riviera Hotel」の4会場を用い、合計展示面積は11万平方メートルを超える、過去最大の規模での開催となった。CES会場には多数の新製品が展示されているが、その中からケータイWatch読者に関心が高いと思われる製品を選んでレポートしていくことにしたい。
最初は、2001 Intenational CES直前にソニーから発表されたメモリースティックサイズのBluetoothモジュールについての話題を紹介することにしたい。なお、メモリースティック対抗製品としては、東芝や松下、SanDiskなどが中心となって推進しているSDカードがあるが、CES会場ではSDカード陣営もSDパビリオンを中心に積極的な展示を行なっていた。SDカードに関する記事は、明日掲載する予定だ。
■ メモリースティックサイズに、Bluetoothモジュールを凝縮
今回のソニーブースでは、さまざまな新製品が展示されていたが、その中でも目玉の一つとなるのが1月5日にリリースが公開されたばかりの、「Infostick」Bluetoothモジュールである。Infostickとは、通信機能を持ったメモリースティック拡張モジュールの総称であり、今回発表されたBluetoothモジュールがその第1弾となる。
Bluetoothは、出力が小さいため、無線LAN規格の一つであるIEEE 802.11bに比べると小型化が容易だが、それでも板ガム大のメモリースティックサイズに、RF回路からアンテナ、ベースバンドLSIなどを全て集積したことには驚かされる。今回CES会場で展示されていたInfostickはプロトタイプ(試作品)であるが、実際に動作しており、2枚のInfostickを利用してデジカメの画像を転送するデモを行なっていた。
Infostickを利用するには、メモリースティックスロットがメモリースティック拡張モジュールをサポートしている必要があるため、現状のメモリースティックスロット搭載製品でそのまま利用できるわけではないが、Infostickが登場する頃(2001年内とされている)までには、利用環境も整うであろう。価格も未定とのことだが、他のPCカードタイプの製品などに十分対抗できる価格で登場しそうだ。なお、今回展示されていたInfostickでは、8MBのフラッシュメモリも内蔵しており、通常のメモリースティックとしての機能も兼ねている。デジカメで撮影した画像をフラッシュメモリに書き込みながら、Bluetoothでそのデータを送信するという仕組みになっているが、そのあたりの仕様については今後変更される可能性もあるようだ。
また、メモリースティック拡張モジュールの3製品「GPSモジュール」「カメラモジュール」「指紋認証モジュール」の展示も行なわれていた。これらの製品は、2000年11月に開催されたCOMDEX/Fall 2000ですでに展示されていたものだが、初めて実物を目にする人も多いようで、こちらの関心も高かった。これらの3製品も、2001年中の発売を目標としているそうなので期待したいところだ。
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メモリースティックサイズのBluetooth対応モジュール「Infostick」の外観。右端の部分が半透明になっており、転送時には内部に設けられたLEDが点灯する
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Infostickの中身。左側にある銀色の細長い部品がフラッシュメモリ、その右の黒い部品が新開発のベースバンドLSI、その右がRFモジュール、右端の緑色の部品がチップアンテナである
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内部構造の図解。上の実物と比べるとどのパーツがどんな役割を果たしているか一目瞭然だ
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プロトタイプではあるが、いくつかのカラーバリエーションも展示されていた
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Cyber-Shot DSC-F505VにInfostickを装着した様子(実際に利用する場合はもっと奥まで入る)
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Cyber-Shotで撮影した画像をInfostick経由で、メモリースティック対応液晶カラーテレビに転送するデモを行なっていた。液晶カラーテレビの右上のメモリースティックスロットにもInfostickが挿入されている
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COMDEX/Fall 2000でも展示されていたGPSモジュール。COMDEXのときと同様、CLIEに装着してデモを行なっていた
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GPSのアンテナ部分(白い部分)は折り曲げて利用できる
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メモリースティック拡張モジュールの一つであるカメラモジュール。試作品では、カメラ部分を回転することができないが、そのあたりの仕様については今後検討されるようだ
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カメラのレンズ部分。撮像素子としては、約10万画素のCMOSイメージセンサーを採用している
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カメラモジュールで実際に撮影した画像が表示されていた。1万円以下で購入できる玩具デジカメよりも、画質は高いようだ
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指紋認証モジュールの展示も行なわれていた
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■ もうすぐ登場するメモリースティックDuo関連製品の展示も充実
Infostickと並んで、来場者の関心を集めていたのが、メモリースティックよりもさらにサイズが小さいメモリースティックDuo関連の展示である。メモリースティックDuoは、ケータイや小型ミュージックプレーヤーなど、メモリースティックのサイズではやや大きすぎる小型機器の分野での利用を目的に開発された。メモリースティックDuoは、2001年春か夏にも登場が予定されているとのことだ。もちろん、媒体であるメモリースティックDuoのみが登場しても対応する製品がないと意味がないので、対応製品も同時に登場するようだ(どのような対応製品が登場するかということは、現時点では未定だという)。
ショーケースの中には、メモリースティックに比べて小型であるというメモリースティックDuoの特性を活かした興味深い製品が展示されていた。すでに先行して参考出品されたメモリースティックDuo対応超小型デジカメなどの例外を除くと、展示されていた製品のほとんどはコンセプトモデル(モックアップ)であるが、製品展開という点では参考になるだろう。ミュージックプレーヤーや収納用ケースのほか、メモリースティックDuo対応顕微鏡のようにユニークな製品が展示されていたのは、いかにもソニーらしい。
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メモリースティックおよびメモリースティックDuoの製品ラインナップ。メモリースティックは、128MBが2001年春に、256MBが年末から来年にかけて登場する予定だ。メモリースティックDuoは、16MB/32MB/64MB品が登場予定で、32MB品と64MB品に関しては、著作権保護機構のマジックゲートに対応した製品(色は白)もリリースされる
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以前から参考出品されていたメモリースティックDuo対応超小型デジカメも展示されていた
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腕時計型のメモリースティック対応超小型デジカメも展示されていたが、COMDEX/Fall 2000で展示されていたワーキングサンプルとはデザインが異なる。こちらは、実際に動作はせず単なるモックアップだが、デザインはさらに洗練されている
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単体で楽曲をダウンロードできるというメモリースティックDuo対応ミュージックプレーヤー(モックアップ)
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こちらはペンダントタイプのメモリースティックDuo対応ミュージックプレーヤー。サイズも非常に小さい(モックアップ)
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ネックバンドタイプのメモリースティックDuo対応ミュージックプレーヤー(モックアップ)
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筆者が最も面白いと思った、メモリースティックDuo対応顕微鏡(モックアップ)。顕微鏡で拡大した物体の画像をメモリースティックDuoに保存し、あとでPDAやPCで見ることができる。屋外に気軽に持ち出せるので、蟻などの小さな生き物の観察に便利そうだ
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メモリースティックDuo対応スロットを3つ装備したシリコンオーディオプレーヤー(モックアップ)
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メモリースティックやメモリースティックDuoをキーホルダー感覚で扱えるメモリースティックホルダー「スティックチェーン」(参考出品)
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物干し竿に洗濯物を干すようにメモリースティックやメモリースティックDuoを整理できる
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3枚のメモリースティックDuoを収納できるケース(参考出品)
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ケースは柔らかなシリコンゴムでできているので、横から押し出すことで、収納したメモリースティックDuoを取り出せる
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■ URL
2001 International CES
http://www.cesweb.org/
「Infostick」Bluetoothモジュールのニュースリリース
http://www.world.sony.com/JP/News/Press/200101/01-15j/
2001/01/09 14:00
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