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Windows Mobile対応製品
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9月1日、モバイルビジネス関連のセミナーやソリューションなどの展示会「PDA・モバイルソリューションフェア2006」が都内が開催された。展示ブース会場では、各キャリアがビジネス向けの端末やモバイルソリューションなどを積極的に展示し、賑わいをみせていた。本誌では注目の話題をレポートしよう。
■ ドコモ、「hTc Z」やソリューションを展示
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hTc Z
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NTTドコモのブースでは、キーボードを搭載した法人ユーザー向けスマートフォン「hTc Z」を展示。小さなスペースではあったが、来場者の注目を集めており、一般販売を望む声なども聞かれた。
また、言葉が話せない障害者向けに、モトローラ製「M1000」を使ったコミュニケーションアプリを参考出品していた。ディスプレイには、人物や目的、感情などを表わすアイコンが並び、複数のアイコンを選択すると端末が音声で意思を伝えるというもの。例えば、「母」アイコンに感情を表わす「好き」アイコンを組み合わせると、「母、好き」と音声が流れる、現在、養護学校にて検証を行なっているが、製品化については未定とのこと。ただし、将来的にはこうした仕組みをらくらくホンなどへ活かすことも検討しているという。
テレビ電話を使ったソリューションでは、動画メッセージボードシステムなども展示。主にテレビ電話を使った販促活動などでの利用を想定したもので、ユーザーがテレビ電話で今いる場所を伝えると、動画掲示板にその動画がアップロードされてパソコンなどでも閲覧できるなど、幅広い用途に利用できるとのこと。アイドルグループ「AKB48」では、ファンから動画メッセージを受け付けて、ファンレターならぬ、ファンムービーを応援するアイドルに送る企画も行なわれたという。
このほか、東京大学などが研究している携帯電話を使ったオンデマンドバスシステムなども紹介していた。オンデマンドバスは、路線バスをタクシーのように利用するシステム。ユーザーが予約サーバーでバスを予約すると、決まった時間にバスが来るというもの。複数の予約者を効率よく運ぶために東大が開発した計算システム(アルゴリズム)が採用されている。
千葉県柏市で実証実験を開始しており、今後長崎県雲仙市でも実験が行なわれる予定。現時点では、バスの中に大型の実験端末を設置する必要があるが、将来的にこの仕組みを携帯電話のアプリとして実装し、運転手が車内に携帯電話を持ち込むだけでオンデマンドバス化できる仕組みを検討しているという。
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スライド式のキーボード
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人物や目的、感情などを表わすアイコンを選択する
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「父」アイコンと「嫌い」アイコンを選択。「父、嫌い」と音声が流れた
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テレビ電話を使ったクイズゲーム
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動画メッセージボード
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動画はパソコンから確認できる
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■ ウィルコム、W-ZERO3向け手書きサイン式セキュリティソフト
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「Cyber SIGN for W-ZERO3」をデモンストレーション
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ウィルコムのブースでは、W-ZERO3やW-ZERO3[es]を使ったアプリケーションなどを紹介していた。
日本サイバーサインが提供する手書きパスワードで端末をロックできるアプリ「Cyber SIGN for W-ZERO3」は、スタイラスで手書きのサインを登録し、端末ロックの解除を手書きで行なうソフト。登録したサインデータの形状や、文字を書くスピード、書き順などで個人を特定するため、従来よりもセキュアな環境が実現するという。現在パッケージ販売を開始しており、価格は5,000円弱程度とのこと。個人でも購入できる。
また、端末のminiSDカードスロットを使ったBluetoothカード「IMSB-831」なども参考出品。アイ・ビー・エス・ジャパン(IBS)の製品で10月にも発売される予定。価格は15,000円程度になる見込み。
同製品は、Windows Mobile端末にBluetooth機能を追加できるminiSDカード。対応プロファイルは、GAP/SDAP/SPP/DUN/A2DP/AVRCP。発売時にHSPやHFPといった携帯電話に必須とも言えるプロファイルはサポートされない。Windows Mobile自体がこうしたプロファイルを想定していないため、開発に時間がかかっているという。IBSでは2006年末にもサポートする予定だ。
このほかIBSの製品では、miniSDカードタイプの無線LANカード「IMSW-822」や、W-ZERO3を使ったプレゼンテーションなどに利用できるminiSDカードタイプのビデオ出力インターフェイスなども展示されていた。
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認証に成功
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概要
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miniSDカードタイプのビデオ出力インターフェイス
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■ KDDI、法人向けソリューションを紹介
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OFFICE FREEDOMを紹介
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KDDIブースでは、無線LAN対応の法人向け端末「E02SA」を使ったモバイルセントレックスソリューション「OFFICE FREEDOM」を紹介。ビジネスソリューション「ビジネス便利パック」なども説明していた。
また、おサイフケータイを使ったオフィス向けのセキュリティサービス「mFOP」なども紹介。「mFOP」は、ソニーブロードバンドソリューションが提供するサービスで、オフィスの扉の解錠、パソコンのロック解除におサイフケータイを利用するもの。ドコモ向けにすでにサービスを開始しており、au版は年内にも登場するという。
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B02SAでは音声発信で無線LANが選択できる
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mFOP
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■ ボーダフォン、AQUOSケータイを使った受発注システム
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ディジ・テックの「Sparklet 110シリーズ『DHT-116SV』」
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ボーダフォンブースでも積極的に関連するソリューションを展示していた。
ディジ・テックの「Sparklet 110シリーズ『DHT-116SV』」は、AQUOSケータイ「905SH」を使うことでペン型ハンディターミナルで受発注業務が行なえるというもの。ペン型レーザーハンディターミナルを利用してバーコードを読み込むと、Bluetoothで端末側にデータを転送、受発注業務が行なえる。905SHに対応するこうした製品は珍しいとのこと。
このほか、エス・ケイが提供するセキュリティサービス「SMART SECURE Address」も展示されていた。端末内に保存されたデータを遠隔消去可能で、管理者画面画面からメールを送信するだけで端末を遠隔ロックできる。端末の盗難紛失に対応するソリューションは複数存在するが、担当者が同製品の特徴として、メール内容なども消去できる点や安価に導入できる点を挙げていた。ASP型で提供されている。対応端末は702NKと702NK II。
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バーコードを読み取ると、Bluetoothで905SHにデータが転送される
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SMART SECURE Address
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管理者画面では、端末のロックされたかどうか確認できる
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■ 各社が注目ソリューションを展示
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bWalker
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このほか、会場ではさまざまなソリューションなどが展示されていた。
ビーマップでは、hTc Z向けの位置情報ツール「bWalker(ビーウォーカー)」を開発、デモンストレーションを行なっていた。Bluetooth対応のGPSモジュールと合わせて利用することで、ルート検索などのナビゲーションサービスが利用できる。auではEZナビゲーションといったサービスがあるが、「bWalker」では地図データを端末に保存するため、より快適なナビサービスが利用できる。このほか、他のスタッフの位置確認機能やスケジュール機能、業務アプリケーションと連携することも可能となっている。これから営業展開していくという。
メトロのブースでは、Windows Mobile端末向けのセキュリティツール「Pointsec for Pocket PC」を参考出展していた。パソコン向けのクライアントPCの情報漏洩ソフトを提供する同社のPDA版ソフト、端末の盗難・紛失に備えて、内部メモリおよび外部メモリの暗号化を行なうもの。本人認証にはユニークなアイコンを使ったパスワードを採用。会場ではhTc Zを使ってデモを行なっていた。
ユビキタス・エクスチェンジのブースでは、タグを使ったソリューションを紹介していた。
「スクールセキュリティシステム」は、学校や塾などでの利用を想定したセキュリティシステム。学校の校門などにアンテナを設置し、アクティブタグを持った児童がゲートを出ると、自動的に感知して同時に撮影を行なう。ゲートを通過した時間や撮影した画像を保護者などの携帯電話にメールで通知する。不審者向けのセキュリティとしても利用できるという。
また、携帯電話の外部接続端子に接続するICタグリーダーなど使ったRFIDソリューション「UBITICKS」なども紹介していた。身近な携帯電話をタグリーダーとして活用することで、導入コストが下げられるとしている。
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「Pointsec for Pocket PC」、アイコンを使ったパスワード認証
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スクールセキュリティシステム
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UBITICKS
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■ URL
PDA・モバイルソリューションフェア2006
http://www.mcpc-jp.org/pda/
(津田 啓夢)
2006/09/01 19:39
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