5月24日~26日かけて、品川の新高輪プリンスホテルにおいて、アルプス電気のプライベートショー「ALPS SHOW 2006」が開催されている。この中で、地上デジタルラジオ放送の試作機などが展示された。
■ 地上デジタルラジオのデモンストレーション
地上デジタル放送には、テレビ番組などが楽しめる映像主体メディア「ワンセグ」のほかに、音声主体の地上デジタルラジオ放送がある。地上デジタルラジオは、従来のラジオよりも高音質な音声放送が多チャンネルで提供できる音声放送。CD並の音質で、文字や画像(静止画・動画)といったデータも受信できる。1セグメント放送と3セグメント放送の2種類が用意され、現在、本放送に向けて試験放送が開始されている。
アルプス電気では、1セグメントおよび3セグメント放送に対応した携帯機器向けチューナーを開発し、今回のイベントに参考出品している。会場では、この1セグ/3セグ対応チューナーを使って、富士通研究所が地上デジタルラジオの試験放送を受信するデモンストレーションを行なっていた。
「.u Visual(ユビキタスビジュアル)端末」と名づけられたデモ用の試作機は、PDA端末を二周りほど大きくしたサイズとなる。会場では、実際の試験放送を受信して音声放送を聴けたが、文字や画像といったデータ放送は、表示されていないかった。会場スタッフによれば、本放送は2007年夏ごろに開始される予定とのこと。
なお富士通研究所では、1セグ/3セグ対応チューナーと同社開発のソフトウェアなどをまとめて地上デジタル放送ソリューションとして、メーカーなどに提供していきたい考えだ。
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3セグ対応試験機
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音声は聴けたが、データ通信は体験できなかった
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モジュール概要
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富士通研究所は、モジュールとソフトウェアなどをソリューション提供したい考え
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■ 無線LAN/Bluetooth用ワンチップモジュール
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無線LANとBluetoothをワンチップで実現
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携帯関連のモジュールでは、無線LANとBluetooth用のワンチップモジュールなども参考出品していた。
IEEE802.11b/g準拠の携帯機器向け無線LANモジュールと、Bluetooth通信モジュールを合わせてワンチップ化し、無線LANモジュールと大差ないサイズを実現している。スマートフォンのような高機能型携帯電話をターゲットにしたもので、端末メーカーの設定次第では、Bluetoothを使って通話しながら、無線LANスポットでインターネットも利用できるという。
従来、無線LANとBluetoothに対応する場合、端末内に2つのモジュールを搭載しなければならなかった。担当者によれば、異なる通信をワンチップ化した場合の電波干渉が解決できたため、今回の製品が実現したという。消費電力は現状200mA程度となる。現在、端末メーカーと供給に向けた話を行なっているという。
■ 携帯向けタッチパッドインターフェイスなど
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ナビスクロール
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また、携帯電話の入力デバイスでもユニークなものが展示されていた。
「ナビスクロール」は、携帯電話の数字キーや方向キーに搭載することで、対応面をノートパソコンのタッチパッドのように利用できるもの。会場では、フルブラウザを模した画面を用意し、ナビスクロールで簡単にスクロールできるデモが行なわれた。なお、海外のメーカーではこのモジュールを利用して、手書き認識機能を提供しているところもあるという。
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グレーの部分がタッチ入力センサーとなっている
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数字キー側にタッチセンサーを搭載
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「4方向入力デバイス付きエンコーダ」は、方向キー部分を回転させて操作するだけでなく、4方向キーとしても利用できるモジュール。OKボタンなどで採用されている、センタープッシュボタンも用意されている。「8方向入力デバイス」は、ニューロポインターのようなパソコンライクな操作が可能なモジュール。会場では、地図画面を自由に移動できるデモが行なわれていた。いずれも参考出品。
このほか、3軸磁気センサーを使った電子コンパスモジュールなども紹介。3軸センサーの電子コンパスは他のデバイスメーカーも提供しているが、アルプスのものは端末の傾斜を補正し、より正確だという。
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4方向入力デバイス付きエンコーダ
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電子コンパスのデモンストレーション
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■ URL
ALPS SHOW 2006
http://www3.alps.co.jp/AlpsShow/
(津田 啓夢)
2006/05/24 16:35
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