26日、Nシリーズ新ラインナップの機能などを紹介する、各国の報道関係者に向けたワークショップが開催された。Nシリーズの開発を担当するノキア マルチメディア部門のスタッフが壇上に立ち、プレゼンテーションを行なった。
■ Nシリーズ、2005年は500万台出荷
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Juha Putkiranta氏
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2005年、Nシリーズは500万台出荷
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最初に登壇したのは、同社マルチメディアコンピュータ部門のシニアバイスプレジデントを勤めるJuha Putkiranta氏。同氏は「昨年発売したNシリーズは、これまで500万台を出荷した。スマートフォンを含む高機能携帯端末の市場は急速に成長しており、2006年には1億台、2008年には2億5,000万台に達するだろう。2005年の出荷シェアを見ると、ノキアは全体の54%を占めている」と述べ、Nシリーズがカバーする市場は今後も成長が見込めるとした。
またPutkiranta氏は、「GoogleやYahoo!といったインターネット上のサービスは携帯電話からも利用できるようになった。今後のインターネットは、アクセスする場所などに囚われることなく、全て1つに、いわばシングルインターネットになっていくだろう。またWikipediaやYouTubeに代表されるように、ユーザー自身が参加可能で、情報やコンテンツを共有できるようになってきている。次のステップとして、ノキアはポケットの中からインターネットにアクセスできる手段を提供したい。またコンピュータは小型化への進化の道を辿っており、そういった意味でも、今回のNシリーズは“マルチメディアコンピュータ”と呼べる」と述べ、Nシリーズは携帯電話やカメラ、PDAといった既存製品とは一線を画す、全く新しいジャンルの製品と指摘した。
同氏は、N93、N73、N72の3機種を紹介した後、「マルチメディアとは何か、それはクリエイトして共有すること、インターネットにどこからでもアクセスできること、そしてエンターテイメントであることだ」と述べ、Nシリーズをアピールしていた。質疑応答の際、N93の大振りなボディについて質問された同氏は「N93はデジタルビデオカメラに近い機能を有し、320万画素カメラを搭載する。機能に見合ったサイズだ」と語ったほか、他のスタッフから「小型化が追求されていた日本でも、iモード登場以降の携帯電話は大型化している」と指摘する場面も見られた。
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高機能端末では、ノキアが54%のシェアを占めるという
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Nシリーズのマルチメディア性をアピール
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■ 香港俳優も登場
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Steve Lewis氏
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続いて、Nシリーズのカメラ機能を紹介したのは、マルチメディアコンピュータ部門でアジア太平洋担当のディレクターであるSteve Lewis氏。同氏は、虹が映った一枚の写真を掲げて「数年前、オーストラリアのビーチを歩いていた時、突然、大雨が降り出した。すると、離れた場所にいる家族からケータイで撮影したという一枚の写真が送られてきた。この写真は、そのときのモノで、雨が上がった後、空にかかった虹を撮影したもの。このように、写真一枚で、このストーリーが伝えられる。マルチメディア機能を備えているからこそ、この一瞬を捉えられた」とマルチメディア機能の意義を指摘した。
携帯電話のマルチメディア機能がいかに役立つか、その実例として登場したのは、香港出身の俳優であるSimon Yam氏。同氏は「トゥームレイダー2に出演した時にも感じたが、映画産業は巨大なところはより大きく、小さなところはさらに小さい組織になってきている。マルチメディアな携帯電話が登場することによって、映画産業にもメリットがある。それは、費用と時間を節約できること、時と場所を問わず使用できること、そして、携帯という小さなデバイスだからこそ、斬新なアングルでの撮影などフレキシブルな使い方ができるということだ」と述べていた。
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Lewis氏が示した虹の写真
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香港俳優のSimon Yam氏
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■ マルチメディアは求められているのか
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Tapio Hedman氏
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マルチメディア部門でマーケティング担当シニアバイスプレジデントのTapio Hedman氏は、「ノキアは常にユーザーが求めるものを探り続けている」と述べる。
同氏は、携帯電話の利用実態としてユーザーの44%がカメラ機能を、36%がインターネットを利用しているというデータを示し、「こういったニーズを満たす機能を、わかりやすく使えるようにすることも重要だ。Nシリーズでは、静止画と動画の撮影や音楽再生が楽しめるほか、(欧州向け地上デジタル放送対応の)N92ではテレビも楽しめる。インターネットアクセスやゲームアプリも同様にサポートしている」と語り、Nシリーズがユーザーニーズに合致した製品と紹介した。
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カメラ機能の利用度
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マルチメディア機能がもたらすもの
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■ レコード会社はどう捉えているのか
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Ted Cohen氏
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Nシリーズの音楽関連機能をアピールするプレゼンテーションの中で登場したのは、EMIデジタル開発担当シニアバイスプレジデントのTed Cohen氏だ。
同氏は「人々は、何を求めているのだろうか。音楽をダウンロードしたり、ストリーミング映像を楽しみたいだけではなく、テキストメッセージをやり取りしたり、写真撮影を楽しみたいとも考えているだろう。デジタル化によって何がどう変化するのか。ユーザーが求めるものをきちんと捉えれば、我々は“レコード会社から音楽企業”へと変化しなければならない。音楽は、レコードやCDで流通していた時代からワイヤレスで携帯電話に配信できるようになるなど、徐々に物理的な制約から解き放たれつつある。モバイルミュージックこそ、我々の未来だ。もちろん、著作権保護技術は必要だが、それは、どんな機器でも音楽を楽しめるようにするためのステップだ」と述べ、マルチメディア機能が充実した携帯電話の登場を歓迎する姿勢を示した。
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「レコード会社から音楽会社になる」と述べた
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モバイルミュージックがレコード会社の将来、と指摘
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■ ノキアのフルブラウザ「Nokia Web Browser」
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Jawahar Kanjilal氏
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ワークショップの最後に登壇したアルチメディアエクスペリエンス部門アジア太平洋担当のディレクターであるJawahar Kanjilal氏からは、インターネット関連機能が紹介された。同氏の講演では、同社製フルブラウザ「Nokia Web Browser」の利用イメージも披露された。
「Nokia Web Browser」は、昨秋に発表されたフルブラウザ。既にN80やN71といった発表済のNシリーズ端末への搭載が決定しているが、同氏は「Nokia Web Browserでは、画面の片隅にWebページ全体を小さく表示するMinimapやRSS取得機能が利用できる。また過去に閲覧した履歴へのアクセスは、Backボタンを押すのではなく、視覚的にわかりやすくするべく、アクセスしたページ全体をサムネイルのように表示して選択できる機能などが備わっている」と説明した。
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Minimap機能のイメージ
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サムネイル表示で履歴をたどれる「Visual History」
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N93でNokia Web Browserを使ったところ
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画面スクロールを行なうために、方向決定キーを長押しするとMinimapが表示される
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■ URL
ノキア
http://www.nokia.com/
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・ ノキア、香港でNシリーズ発表会
(関口 聖)
2006/04/26 20:05
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