12月7日~9日にかけて、NECのプライベートイベント「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2005」が東京ビッグサイトで開催されている。さまざまなソリューションや製品が展示されているが、本誌では携帯電話関連の展示を紹介しよう。
■ FeliCa関連ソリューション
|
FeliCa活用の入退室ソリューション。どんなカード・端末でも鍵として登録できる
|
NECが展開するFeliCa関連ソリューションを展示するコーナーでは、オフィスビルでの入退室チェックシステムや、「トクトクポケット」などが展示されていた。
入退室チェックシステムは、おサイフケータイやSuicaなど、FeliCaチップを内蔵しているものであれば、全ての端末・カードをドアの鍵代わりに利用できる。FeliCaチップ固有のIDを利用しており、事前に登録しておくことで、入退室時に用いることになる。
実際に利用する場合、「5階~8階まで入場する」という形で入室できる場所を事前に登録することになる。退室時にもドア付近に設けられたリーダーライターにかざさなければ、ドアが開かないようになっているため、入室の際は必ずリーダーライターに読み取らせる必要がある。担当者は「場所によってセキュリティレベルは異なるケースが多く、機密性の高いエリアへの入退場は別のシステムを用い、本システムでは緩やかなゾーンを設定する場合に適している」と説明していた。最大10万IDまで管理可能とのことで、導入費用は約100万円。
|
ディスプレイに情報表示
|
JR東日本のSuica向けソリューションとして展示されていたのは、今年3月にJR上野駅に展示されていた電子ポスターを応用したもの。11月中旬に埼玉県JR大宮駅構内の商業施設「ecute大宮」で実施された実証実験をそのまま再現した展示内容で、大型ディスプレイで施設内の店舗情報を表示させ、リーダーライターにSuicaカード、あるいはおサイフケータイをかざすと、メールで店舗情報やクーポンなどが配信される。
実際に店舗に赴き、レジでショッピングする際にリーダーライターにSuicaやおサイフケータイをかざすと、クーポンが適用されるほか、ポイントを付与することもできる。実証実験も済み、商用レベルに近い段階と言えるが、担当者は「JR東日本とともに他の施設でも実証実験を行ないたい」と述べていた。また、JR西日本で展開されているICOCAに対しても導入可能とのこと。
|
|
おサイフケータイをかざすと……
|
メールが届く。あらかじめメールアドレスとFeliCaを紐付けるため、ユーザー登録が必要
|
|
レジでの決済時にクーポンを利用できる
|
|
トクトクポケット
|
アプリをおサイフケータイにダウンロードすることで店舗の会員証やポイントカードとして利用できるサービス「トクトクポケット」は、サークルKサンクスなどで導入された実績を持つ。今回は、POSレジを展示して、流通業での活用シーンをアピールする内容となっていた。
NTTドコモの902iシリーズでは、新サービス「トルカ」が導入されているが、「トクトクポケット」の担当者は「クーポン情報だけ見れば同等の機能だが、トクトクポケットでは、さらにCRMのツールとしての活用が想定されている」と説明しており、マーケティングツールとしての利便性をアピールしていくという。
■ 社外から携帯でLotus Notesのデータを
|
社内データに携帯からアクセス
|
外出の多い営業スタッフなどに適したソリューションのコーナーでは、Lotus Notes対応のシステムが展示されていた。
これは、社外にいるスタッフが携帯電話で社内のデータを閲覧できるというもの。メールやスケジューラといったデータが利用可能となっており、仕組みとしては、DMZ内のサーバーに各種データをコピーすることで外部からアクセスできるようにしている。安全性を高めるために、認証サーバーなどを設置することも可能とのことで、携帯電話のブラウザのほか、iアプリでのアクセスも可能。
また、専用の待受アプリも用意されており、「緊急」など任意の語句を含んだメールが送られてきた場合、待受画面上にメールが届いたことを示すようになっている。
|
|
ブラウザからもアクセスできる
|
待受アプリで、任意のメールをすぐ確認することも
|
|
Pocket@i EX
|
このほか、NECインフロンティアのブースでは、7月に発表された業務用PDAの新バージョン「Pocket@i EX」を展示。1.5mの高さから落としても問題ないという堅牢製を備え、IEEE802.11b/gもサポート。初代モデルはバーコードリーダー機能が用意されていたが、今回は、2次元コード対応モデルや、RFID対応モデルがラインナップされている。
「Pocket@i EX」を用いた音声認識ソフトの紹介コーナーでは、すぐ後ろで小規模なセミナーが開催されている状況でも、音声コマンドを認識できるというデモを披露。あらかじめ入力する語句が登録されていることで、認識精度の向上が図られているが、さらにヘッドセットには、発話者の声を拾うマイクと、後方に向いて周囲の音を拾うマイクが配されている。2つのマイクで拾った音を比べて、ノイズとなる周囲の音を消してから認識、という流れになっており、幅広い環境での利用が見込まれている。
|
|
音声認識ソフトも紹介
|
ヘッドセットに2つのマイク
|
■ ドコモブース、Bluetooth車載キットやプッシュトークプラスを展示
|
ハンズフリーキット。Bluetooth対応だが、ケーブル接続も可能
|
NTTドコモのブースでは、8月に発売したという、Bluetooth対応の車載ハンズフリーキットを展示。リモコン部、本体、DCアダプタが1パッケージになって、価格は19,425円。ドコモショップなどで取り扱われているという。
これまでは、運送業などビジネス向けの製品に位置付けられてきたとのことだが、更なる市場拡大を目指し、今後は個人ユーザー向けとしてもアピールしていくという。Blueotooth バージョン1.2準拠で、対応プロファイルはHFP(ハンズフリー)となっている。
また同社ブースの一角では、902iシリーズで採用された新サービス「プッシュトーク」のビジネス版「プッシュトークプラス」も紹介。基本的な使い方は、「プッシュトーク」と同様だが、発信する際は、ネットワーク上にある電話帳にアクセスする形となっており、その画面上でプレゼンス情報も登録できる。
このほか、同社ブースでは「N900iL」を用いた「PASSEGE DUPLE」の展示コーナーも用意され、実際にVoIPを発信する様子や、無線LAN経由での映像コンテンツ閲覧などが体験できるようになっていた。
|
|
プレゼンス設定。フリーワード登録も可能だ
|
相手を呼び出しているところ
|
|
|
N900iLでのVoIP発信画面
|
無線LAN経由でダウンロードしたコンテンツを再生したところ
|
■ URL
イベント案内
http://www.uf-iexpo.com/
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
(関口 聖)
2005/12/07 15:06
|