| ||||||||
平澤氏が、漸減傾向だったPHSが今年３月から漸増傾向に転じた理由として、利用料が安く高速なPHSのデータ通信利用者が増加していることを挙げた。PHSを利用したデータ通信（コンテンツへのアクセス、Eメールを含む）は、昨年５月から今年の５月までの１年間で利用が４倍に伸びているという。 同社の今後の戦略としては「高音質通話」「高速データ通信」「低価格」を柱に、サービスの向上を図っていくと述べた。2000年から2001年ごろに128kbpsのデータ通信サービスを開始するとして、早ければ年内にも128kbpsサービスを導入する考えを明らかにした。PHSではひとつのチャネルが32kbpsの伝送能力を持ち、現在の64kbps通信は、ひとつの基地局の空いているチャネル２本を束ねて利用することにより、64kbps通信を可能にしている（空いているチャネルがひとつしかなければ、32kbps通信になる）。128kbpsのサービスは、必要に応じて複数の基地局から空いているチャネル４本を瞬時に束ねる仕組みを開発することで、128kbps通信を実現する。
動画や音声などのデータをパケット通信で送ると、データ量が大きいため、通信コストが高くなる。現在でもMP3などの大容量データを送る場合、PHSの64kbps通信に比べ、パケット通信ではその30～60倍程度の料金（通信事業者や料金プランにより異なる）がかかる。データが大きくなると、回線を占有して時間で課金する回線交換のメリットが出るわけだ。これをさらに高速化することで大容量データ通信利用のコストを下げ、パケットにも対応することで携帯用のWebページ閲覧など、データ量の少ない場合にも利用者コストが下がるというわけだ。 もう少し近い、H"の次期展開は2000年秋を予定。コンテンツを意識した端末として、カラー・サウンド・画像に対応した端末を発売する。また、PHSは現在、トラフィックの７～８割が屋内で発生しているため、都市部では基地局を密に置き、屋内から利用できるようネットワークを強化していくという。 また、iモードやEZwebのような、端末から直接インターネットに接続する機能については2001年から提供する予定であるとした。 平澤氏は、以上のようにサービスを強化・向上させていくにあたり、利用コストが高くなってはならない、と低価格を維持する重要性を述べた。 IMT-2000に対しては、「PHSでは既に64kbpsサービスは開始しており、128kbpsサービスもIMT-2000以前に開始する予定であること」「現在32kbpsと携帯電話（フルレートで11.2kbps、ハーフレートで5.6kbps）に対して音質面で優位だが、IMT-2000となってもこの優位性は変わらないこと」「パケットと回線交換を両用できるようにすること」「低価格性を維持すること」「省電力性」などのH"の利点を解説。IMT-2000で高速データ通信が提供されても、H"ならではの利点が多いことを強調した。
■ ＵＲＬ DDIポケットのホームページ http://www.ddipocket.co.jp/ （工藤 ひろえ） 2000/07/19 05:25 | ||||||||
|
|