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NTTドコモの執行役員、プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長の夏野剛氏
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11月8日~10日の3日間、東京国際フォーラムで国内最大級のJava関連イベント「JavaOne Tokyo 2005」が開催されている。2日目の基調講演には、ゲストスピーカーとしてNTTドコモの執行役員、プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長の夏野剛氏が登場し、ドコモとJavaの関係について説明した。
NTTドコモでは、モバイル機器向けJava「Java Mircro Edition」(Java ME)の拡張ライブラリ「DoJa」を採用し、iアプリを提供している。夏野氏はまず、2001年にJavaアプリ対応携帯電話「503iシリーズ」を投入し、以来約5年間でiアプリ搭載端末が普及拡大したと説明。10月現在、Java対応端末のユーザー数は約3,300万人、累計約7,000万台を提供しているという。
同氏は最新FOMA端末、902iシリーズの機能について紹介する中で、3D描画のiアプリゲームの高速化が増したことでコンテンツの魅力が増したと語り、同氏が最近プレイしているというアクションゲーム「鬼武者」を紹介。「描画領域は異なるが、PSP並に見える」とアピールした。
また、同社はおサイフケータイでもJavaをプラットフォームとして展開しているが、この点について、「ゲーム以外でもJavaを活用している」とコメント。Javaのメリットをを「セキュアで誰でも開発できる」と語り、「どこかの2番目の会社のように、Bが付く携帯アプリでは、ソースコードを開示しなければらない」と、auが採用するBREWを暗に皮肉る一幕もあった。
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Java対応携帯が普及拡大
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902iシリーズの特長
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ケータイクレジットサービスでのイメージ
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おサイフケータイではJavaをプラットフォームとして展開
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■ 新Javaプラットフォームに向けてプロジェクト始動
DoJaの次のステップとして、ドコモとサン・マイクロシステムズは、共同でプロジェクトを立ち上げた。「*プロジェクト(スタープロジェクト)」では、サンとの連携をさらに深め、技術、ビジネスの両面でさらに質の高い携帯向けJavaプラットフォームを提供していくという。
夏野氏は、現在開発中のプラットフォームについて、「ユーザーに『あっ』と言わせるプロジェクト。開発者、ビジネス、エンドユーザーにとって、快適で質の高い環境を提供する」と紹介。新プラットフォームは、DoJaを越える性能を有し、使い勝手や開発のしやすさが向上、セキュリティも柔軟かつ強固なものになるとしており、これまでのDoJaの利点だった、自由な開発環境や、既存のセキュリティなどは受け継がれるという。また、既存のコンテンツについても可能な限り流用できるようになるという。
同氏はスピーチの締めくくりに、「*プロジェクトによって、携帯電話でのJavaの重要性がさらに増すだろう」と話した。
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*プロジェクトがスタート
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使い勝手の向上
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これまでのDoJaの利点は継承
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リアル連動ビジネスがさらに拡大
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■ *プロジェクトについてサン社側の見解
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米サン・マイクロシステムズのJava MEの責任者、Client System Group Vice Presidentのアラン・ブレナー氏
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なお、講演後に行なわれた報道関係者向けのQ&Aセッションでは、米サン・マイクロシステムズのJava MEの責任者、Client System Group Vice Presidentのアラン・ブレナー氏より、*プロジェクトについて、同社の見解が語られた。
同氏は、「現段階でどういったサービスかは発表されておらず、ドコモ側も正式に発表していないため、提供時期等詳細についてはコメントを控えたい」としたが、新たな展開の一例として、テレビ上で携帯電話を利用するシーンを紹介。「携帯電話が生活のリモコンになる。例えば携帯電話に着信したメッセージがテレビに表示されるなど、テレビ上で携帯電話を使うことはとても適切だ。これまで以上にこうした仕組みが広がっていけばいいと思う。こうしたことから、我々が夏野さんのプロジェクトに参画する意義があると思っている」とした。
■ 携帯新規参入1社がJavaを搭載
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日本法人の代表取締役社長のダン・ミラー氏
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このほか、基調講演の冒頭では、日本法人の代表取締役社長で、米国本社のバイス・プレジデントでもあるダン・ミラー氏が、今日にも総務省から発表される携帯電話の新規参入事業者3社のうち、1社がすでにJavaのコミュニティに参加することが決まっていると語った。
この件について、ダン氏はQ&Aセッションで言及。「正式な発表は明日まで待ちたい。我々としては1社だけでなく、他の2社についてもJavaコミュニティの一員になって欲しいと考えている」と話し、具体的な社名については明言を下げた。なお、新規参入を申請しているのは、ソフトバンク傘下のBBモバイル、イー・アクセス傘下のイー・モバイル、アイピーテレコムの3社となっている。
■ URL
JavaOne Tokyo 2005
http://jp.sun.com/javaone/
NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
サン・マイクロシステムズ
http://jp.sun.com/
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(津田 啓夢)
2005/11/09 17:58
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