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【WIRELESS JAPAN 2005】
モンタビスタ木内氏、携帯電話用Linuxをプロモーション
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14日、WIRELESS JAPAN 2005のテクニカルコンファレンスにて、モンタビスタ ソフトウェア ジャパン 技術本部 本部長の木内志朗氏による講演「携帯電話 Mobilinux」が実施された。携帯電話用OSとして開発されたLinux「Mobilinux」の解説を通じ、携帯電話開発の課題などにも言及した。
■ 携帯電話用OSとしてのLinux
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モンタビスタ ソフトウェア ジャパン 技術本部 本部長の木内志朗氏
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「Mobilinux」は、モンタビスタが開発した、携帯電話への組込用途を前提としたOS。オープンソース、ロイヤリティフリーであるLinuxを独自にカスタマイズし、販売している。
木内氏によれば組込用Linuxは、iTRONと並んで家電機器での普及が進んでおり、特にHDDレコーダーなどの分野では普及が目覚しいという。「経済産業省が集計した統計資料によれば、組込用ソフトウェア産業全体で、約22%の製品にLinuxが搭載されている」とも木内氏は話している。
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さまざまな分野で組込用Linuxが採用されている
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Linuxの採用が進む理由について木内氏は「オープンソースで自由に改変できる点、組込機器販売数に応じたロイヤリティを不必要としている点が評価されているようだ」と発言し、開発コスト抑制効果への期待感が大きいと指摘した。
携帯電話用OSとしての利用も2004年初頭ごろから進んでおり、2004年末以降、モンタビスタ製Linuxは、NTTドコモのFOMA端末「N901iC」「P901i」で採用されている。
モンタビスタではこのほどバージョンアップを行ない、これまでは家電機器全般を対象とした「montavista linux」の製品ラインを再編。携帯電話向けに特化した「Mobilinux 4.0」というラインナップを設定した。
■ 「リアルタイム性の確保」に注力
Mobilinuxは、「組込用途を前提としているため、安定性を重要視している」(木内氏)ほか、携帯電話のバッテリーを有効活用するための省電力管理機能などを独自に付加している。
開発用の動作計測アプリケーションにも力が向けられており、プロセッサ毎の処理能力をより詳細に測定するツール、僅少なメモリ領域を有効活用するためのチューニング用途ツールなどが提供されている。
また木内氏は「世の中にあるLinux携帯電話で問題となるのが『リアルタイム性』だ」と指摘し、性能に関する要件が大変に厳しいことを説明。具体的には各デバイスから発せられる割り込み処理をいかに効率的に行なうかが課題になるという。
「Linuxが採用される理由で多いのはロイヤリティフリーである点だが、採用されない理由として多いのがリアルタイム性だ」と木内氏は補足する。Mobilinuxでは前述の計測ツール類などを活用することで、十分な対応が可能だとしている。
加えて電源投入から使えるようになるまでの「起動時間」に関する要求も厳しいものだという。「Linuxはもともとサーバー、デスクトップ用OSであるためか、起動時間の短縮化を狙った仕様があまりない」と背景を解説。携帯電話特有の問題である点を示唆しながらも、すでに実績あるMobilinuxの優位性をアピールした。
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Mobilinuxの製品アーキテクチャ
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おもな機能の一覧
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■ URL
モンタビスタ ソフトウェア ジャパン
http://www.montavista.co.jp/
WIRELESS JAPAN 2005
http://www.ric.co.jp/expo/wj2005/
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(森田秀一)
2005/07/14 21:03
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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