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【WIRELESS JAPAN 2005】
シンビアン小西氏、Symbian OSの現状を解説
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14日、シンビアン テクニカルディレクター兼CTOの小西一弘氏が「SymbianとSymbian OSについて」と題した講演に登場。携帯電話向けの汎用OS「Symbian OS」の現状を説明した。
■ 世界で3,200万台を出荷
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シンビアン テクニカルディレクター兼CTOの小西一弘氏
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小西氏はまず、シンビアンを「携帯電話に特化したOSメーカー」と説明。株主はいずれも携帯電話端末メーカーで構成され、ノキア、サムスンをはじめとした15社にSymbian OSのライセンスを供与する、携帯電話専業メーカーだと話した。
Symbian OSは日本国内でも富士通製FOMA端末「F2051」を皮切りに、三菱電機製端末などで採用が進んでいるという。また大型タッチパネルを採用し、W-CDMA/GSMの両方式をサポートするモトローラ製FOMA端末「M1000」にもSymbian OSが導入されているとアピールした。
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Symbian OS搭載端末の出荷台数を示すグラフ
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Symbian OSは2000年の登場からバージョンアップを重ねている。当初の「5.0」などは機能不足のため伸び悩んだが、Bluetoothをはじめとした実用的機能を「6.1」に盛り込んだこともあり、2002年後半ごろから急速に出荷数が増えたという。2005年第1四半期の段階で累計出荷台数が3,200万台に到達している。
6.1について小西氏は「携帯電話としての必要条件を初めて満たせたバージョン」と振り返っており、Symbian OSにとっての大きな転換点だったと分析する。なおFOMAに対応したSymbian OS端末の多くが同6.1を、M1000では7.0系を採用しているとも補足した。
■ 新バージョンでは安全性をさらに追求
Symbian OSの特徴として小西氏が挙げたのは、「高いオブジェクト指向」だ。OSを構成するプログラムの95%はC++言語で記述されているとし、各端末用に仕上げたプログラムを別端末でも容易に再利用できるため、現場の開発エンジニアからの評判も高いという。
小西氏は「Symbian OS搭載のFOMA端末が急速に普及しつつあるのも、このプログラム再利用性の高さが一因にあるのでは」と分析。さらに「C言語やアセンブラからの移行は大変かもしれないが、慣れてしまえば開発は非常に効率的になる」とアドバイスしており、開発面での優位さを訴えた。
また実行環境を問わないことも、大きなポイントだという。小西氏は「ARMプロセッサさえあれば動く」と語っており、最低必要メモリ量などに依存することないフレキシブルな運用が可能とも説明している。
今後、登場予定の新バージョン「8.1b」「9.0」では、OSのカーネル変更が行なわれるほか、キャリア側からリモートでユーザー側携帯電話端末を管理・設定する機能などが実現予定だという。
同時に、端末の安全性を確保するための機能も強化される。「悪意あるソフトウェアの影響で、いざというときに緊急電話などがかけられないというようなことはあってはならない」と小西氏は述べ、成りすましの防止などを常に検証しながら稼動する端末の必要性を強調した。
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Symbian OS新バージョンで実現予定の機能
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安全性の強化も図られる計画
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■ URL
シンビアン
http://www.symbian.com/Japan/
WIRELESS JAPAN 2005
http://www.ric.co.jp/expo/wj2005/
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(森田秀一)
2005/07/14 19:25
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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