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【WIRELESS JAPAN 2005】
YOZAN高取氏、年内サービスインを目指すWiMAXをアピール

YOZAN 代表取締役社長 CEOの高取 直氏
 13日、WIRELESS JAPANの基調講演に、YOZANの代表取締役社長 CEOの高取 直氏が登壇した。「YOZANのWiMAX戦略」と題した講演では、WiMAXの優位性や、同社が現在展開中の実証実験の詳細が語られた。

 高取氏は、まず「ワイヤレスブロードバンドを実現する」とし、同社のこれまでの中核ビジネスを説明。1.9GHz帯のPHSサービス、そして、ポケベルの名で知られる280MHz帯のページャサービスを紹介。同社がWiMAXサービスを展開する上で、これまで赤字体質でありながらも保有し続けてきたこれら2つのサービスに、大きな意味があるとした。

 「距離が遠くまで届く無線LAN」とWiMAXを表現した高取氏は、同社が年内にも固定網向けのWiMAXサービスを東京23区内でスタートすることを説明し、同社がWiMAXを展開する理由に言及した。「これからの無線通信に総じて言えることだが、インターナショナルスタンダードだからだ。WiMAXフォーラムの推進母体には、インテルなどが参加している。この6月から実験を開始するにあたって、基地局の供給性などを含めて実現可能だったのがWiMAXだった。通信速度やアクセス性において、優れた通信技術が他にもあることは事実だが、ただし、WiMAXはインターナショナルスタンダードだ」と強調した。

 また、収益性を失ったPHSを購入した理由については、「私はPHSのファシリティ(施設・設備)を買った」と語り、同社が現在保有する基地局設置ポイントが、東京中央区の中心地で400m間隔に存在し、今後WiMAXを展開する上で必要充分な基地局を確保しているとした。同氏によれば、WiMAXで割り当てられるとされる3.5GHz、5GHzなどの高い周波数は、ビルなどの上からシャワーのように電波を放出することで効果があるという。その点、同社は23区内のビル局で3,000局、区外のビル局で2,000局をすでに保有しており、優位にサービスが展開できるとした。基地局設置に要する長い期間を、設置ポイントを保有していることで省略し、基地局をWiMAX用にリニューアルするだけでサービス展開ができるという。また、ネットワークのバックボーンについては、東京電力の支援を受けて、光ファイバで展開できるとした。


事業概要 WiMAXの特徴と優位性 WiMAXを選んだ理由

YOZAN基地局設置ポイント PHS基地局をWiMAXにリニューアル バックボーンは東京電力の光ファイバ

 同社のロードマップでは、まず固定通信向けのWiMAXを約2年ほど提供し、その後、現在標準化が定まっていない802.16e規格の携帯電話向けWiMAXを展開するとしている。固定網向けWiMAXのために、同社では、卓上のWiMAX送受信機「EasyST(イージーステーション)」を提供する。その後、2006年夏にもWiMAXのPCカードを提供し、さらに、WiMAXとページャのデュアルモード端末を提供する予定だ。

 高取氏は、モバイル向けのWiMAXについても言及し、その特徴として、QoSで監理できる点を語った。これにより、消費電力を抑制し、携帯電話型の端末が提供しやすくなるという。なお、同氏によれば、既存の携帯電話で採用されている800MHz帯、および2GHz帯の端末とも「劣後しない形で使える」とのこと。これは、諸外国の試験で結果が出ているとした。

 また、同氏は、「これまで無線LANサービスは事業にならないと言われた」と語り、無線LANで広範なワイヤレスサービスを展開する場合、多くアクセスポイントを設置しなければならなかった現状を説明した。同社では、これに対応するため、ビル局などのWiMAX基地局から放出された電波を受けて、周辺300mを無線LANスポットにできる装置「ProST(プロステーション)」を開発。EasySTで屋内のWiMAX環境を構築し、さらに屋外では広範な802.11b/gの無線LANスポットが提供できるという。

 高取氏は「12月のサービスインには、EasySTを提供できる」とし、この卓上端末を無線LANと代わらない価格で提供したいと語った。また、WiMAX/ページャのデュアルモード端末を提供する理由について、「WiMAXの5GHz帯は紫外線、ページャの280MHz帯は赤外線と考えて欲しい。280MHz帯は高い浸透圧を持っており、地下2階のショッピングセンターでも中継局になしに着信できる。災害や戦争時など、少なくとも国のインフラにおいて最後まで残るのはページャだと思う」と語り、無線端末をライフラインとする場合に、最終的にテキスト受信のページャを持つことの有効性を語った。

 最後に高取氏は、WiMAXフォーラムに対して、4.95GHz帯の推奨を求めていることを明かした。「WiMAXの帯域は、5GHz、3.5GHzといろいろ言われている。私の持論だが、クワッドバンド、トライバンドを各国の通信事情に合わせて国際的に調和するためには10年間を要する。私は早期にWiMAXを世界共通のブロードバンドサービスにしていきたいと考えている。電波行政の調和を待つのではなく、我々から各国に適合していく。そのためマルチRFモジュールの開発コンソーシアムを設立する。是非ともご支援・ご協力を仰ぎたい」として講演を締めくくった。


WiMAXロードマップ IEEE802.16eの特徴 EasySTをサービス開始時に提供

ProSTでより広範な無線LANサービスを提供できる 今後の見通し


URL
  YOZAN
  http://www.yozan.co.jp/

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(津田 啓夢)
2005/07/13 21:40

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