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【モバイル マーケティング カンファレンス 2005】
米国の最新モバイルマーケティング事情や最新事例を報告

ディーツーコミュニケーションズ 代表取締役社長の藤田 明久氏

JAM JAPAN Marketing LLC代表の大柴 ひさみ氏
 「モバイル マーケティング カンファレンス 2005」のメインセミナー2では、「モバイルが変える広告の未来」と題して、最新マーケティング事情や事例が報告された。ディーツーコミュニケーションズ 代表取締役社長の藤田 明久氏、マンダム マーケティング部 宣伝課の内山 健司氏が登壇し、最新事例と今後のモバイルマーケティングの在り方について語ったほか、JAM JAPAN Marketing LLC代表の大柴 ひさみ氏がビデオで出演し、アメリカの最新モバイルマーケティング事情を報告した。

 同セミナーでは、まず最初に大柴氏からのビデオによるプレゼンテーションが行なわれた。同氏は、アメリカの既存メディアの影響力が低下している現状を指摘。ブログやディスカッションフォーラムなど市民メディアの台頭で、テレビや新聞などの影響力が低下し、若い世代ではインターネットが主要な情報源になりつつある現状を示した。

 同氏は、21世紀の新しいコミュニケーション手段として「WOM」(Word of Mouth=口コミ)を紹介。アメリカで10人に1人の割合でいるとされ、残りの9人の行動に影響を与え情報を伝搬する人々を「Influencers」(インフルエンサーズ)とした上で、「これまでのマーケティングは、新商品を意欲的に買うアーリーアダプターに焦点をあてることでインフルエンサーズにフォーカスしてきたつもりだったが、実際は違った。アーリーアダプターやトレンドセッターなどは、興味を示した物を他人に紹介することはしなかった。これからは残りの9人、フォロワーにフォーカスしなければいけない」と述べ、これまでのマーケティング手法が通用しなくなってきている現状を指摘した。

 また、最新のマーケティング手法として、バズ・マーケティングやバイラル・マーケティング、インフルエンサー・マーケティングといった手法を事例とともに紹介。アメリカの事情について詳しい同氏は、アメリカで次世代の最大の消費層とされている「ジェネレーション Y」(現在5~27歳、7,000~8,000万人の若年世代)を攻略する手法として、モバイルが鍵になるとし、「ジェネレーション Yは、ケータイはクールだと思っている。電話以外の機能に興味を持ち始めており、ティーンズは所有率100%ともいわれる」と述べ、アメリカの次世代消費層におけるモバイルマーケティングの重要性を示した。また、携帯カメラを使った広告キャンペーンで成功を収めた事例などを紹介し、「各々のブランドによってマーケティングは変わるが、中心になるのは、とくにジェネレーション Yではモバイル」と述べ、アメリカにおいても携帯電話のマーケティングが発展しつつある現状を報告した。


インフルエンサーズについて バズ・マーケティング

マンダム マーケティング部 宣伝課の内山 健司氏
 マンダムの内山氏からは、「ルシードエル」のキャンペーンをもとに、モバイルを使ったマーケティングの事例が報告された。同氏は、同キャンペーンでは広告のモデルとなった安室奈美恵のコアなファン層をターゲットにしたとし、モバイルメディアによる告知、着メロサイトなどとの連携、イベントへの動員のきっかけとしてモバイルの利用、店頭イベント商品との連動などの施策を挙げ、当初の予想通り安室奈美恵ファンというファッションのコアユーザーに訴求できたとした。マス媒体を中心としないキャンペーンとなったことについては、「安室ファンという、よりセグメントされた層に訴求するためには、モバイルでしか成功できなかった。コストパフォーマンスにも優れており、直ぐ誰かに伝えたいというバズも産みやすい」と述べ、モバイルを中心に据えたマーケティングの成功例を披露した。


キャンペーンの企画 モバイルメディアを利用して成功を収めた

 藤田氏からは、「モバイルの本質は何か?」との疑問が提示された上で、今後のキーとなるポイントが紹介された。同氏はモバイルの特徴を「24時間、30cm以内に存在し、インタラクティブなマスメディア」とし、多くの人がテレビなどを見ながらも携帯を触っているという実態を指摘。携帯電話以外のメディアとの連動が今後重要になるとした。また、2つ目の特徴は「モバイルは自分の価値観をクリッピングしていくもの」とした。着信メロディなどを自分好みに設定するユーザーの多さを挙げ、特に若年齢層での顕著な傾向があるとし、携帯をカスタマイズするツールの重要性を示した。3つ目は「ユーザー発信の伝播メディア」と述べ、他人とのコミュニケーションツールとしての携帯の位置づけを改めて強調した。

 同氏は最後に、「モバイルは情緒に訴えるメディア。強力な接着力があり、生活の中に入り込む浸透力があり、強力な感染力があるツール」と述べ、モバイルメディアの有効性、独自性をアピールした。


モバイルの特性 「パソコンと同じ広告はやめてほしい」(藤田氏)とし、モバイルメディアの特徴を示した


URL
  モバイル マーケティング カンファレンス 2005
  http://mmc2005.jp/
  JaM Japan Marketing
  http://www.jamjapan.com/jp/
  ディーツーコミュニケーションズ
  http://www.d2c.co.jp/
  マンダム
  http://www.mandom.co.jp/


(太田 亮三)
2005/06/06 21:53

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